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貧乏領主になりました  作者: 木苺
    領主 ことはじめ
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セリ市場 (5日目)

(おろし)売り市場は日の出とともに始まる。


だから 今日は 日の出前の燭光(しょっこう)の中を馬で走った。


朝露に濡れ草の香が馬のひずめの下から青々と立ち上り 爽快だった。


私達がケイタ―店の前に到着したのと、

ウマイヤが荷馬車を出し終わるのと ほぼ同時だった。


「おはよう」

「おはようございます。」 


そのまま3人で市場に向かった。


卸売市場では、魚→野菜類→その他の順にセリが行われる。


魚河岸では、とれとれの魚介類が並んでいた。


大きな魚は 1本づつ大きい順にセリにかけられる。

次に箱売りされるものの中でも高級なものがセリにかかる


その他のまとめ売りされる魚介類・海産物は 漁師さんとの相対(あいたい)でのせり・もしくは交渉だ。


ウマイヤは並べられた商品をざっと見て回り、魚を何本かセリ落とし、

旬の貝の小箱(数は少ないながらも 一番大きな貝が詰まった箱)を一箱セリ落とした。


その後続けて 小ぶりの魚貝類を漁師から直接買っていた。


目利(めき)きであるだけでなく 素早く見て取り計算高いですね」セバスチャンが感心したようにつぶやいた。



次に野菜コーナーへ行き ここでは 最初から、農家から直接仕入れを(おこ)なっていた。


「なじみの農家さんがいるのですか?」


「あっ わかりました? そうなんです」ウマイヤはちょっと頬を染めて言った。

「でも このこと大っぴらにしないでくださいね。

 良い仕入先を横取りされたくないので」


「了解」


購入した物は次々と店の小僧が荷馬車に積みんでいった。


仕入れの終ったウマイヤは素早く馬車に移動し、(ほろ)の中に入って荷台の荷物を点検して そのまま御者台へと移った。

 小僧は荷物と一緒に幌の中だ。

 私達は 御者台にウマイヤと一緒に座った。


ケイタ―店にもどると 店の者が一斉に出てきて 荷を台所に運び込む。


ウマイヤは 購入した品の一部を別の箱に移し替え

再び荷車に運び込んだ。

 いつの間にか荷車の幌は 外されていた。


荷車は「おかみ」の店の前にとまった。


今日は おかみさんとの顔合わせも兼ねているので、仕入れてきた品の受け渡しがおわったあとは、小僧が空ッポになった荷車をケイタ―店へと運び ウマイヤは 私達と一緒に店内に入った。


おかみは 朝食を出してくれた。

素朴な味が 親しみを誘った。


「ケイタ―店からここまでは なぜ幌を外したの?」


「町の人は皆 早起きですからね。

 今日の昼定食の宣伝も兼ねて 食材が見えやすいように わざと幌を外してもらっているのです」とおかみ


「それはいい考えね」


「ウマイヤの提案だったのだけど これが案外 当ってねぇ」(おかみ)


「短い距離なので 幌無しでもだいじょうなんですよ」ウマイヤ


「市場からケイタ―店までは 品物を隠すようにして運んでいたのはどうして?」


「ライバル店にメニューをマネされないようにです」ウマイヤ


「いろいろ気を使うのね」


「はい」


私達3人は朝食代をきちんとおかみに支払って店を出た。


「いつも 朝食は現金払いなの?」

「はい その方が なにかとわかりやすくて気楽ですから」ウマイヤ


そのあと続けて 町で一番うまいと評判のパン屋に行った。

なんとなんと おばあさんが焼いたパンとバッキ―が焼いたパンとでは

同じ種類のパンでも値段が違っていた。


とりあえず 全種類 二人それぞれが焼いたパンを買った。

けっこうな量になったので、セバスと二人でそれぞれのリュックサックに入れて背負うことにした。


街の人達は 面白そうに そんな私達を見ていた。


ウマイヤと別れ(ぎわ)に 城で働く気があるのなら 条件交渉に城へ来るようにと伝えた。


「明日の午後 お伺いしてもよろしいでしょうか?」ウマイヤ


「では 昼食をすませて 明日の1時に城まできたまえ」セバスチャン




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