港での2泊3日
最初の停泊地には、2泊3日した。
最初の夜は 陸のホテルで1泊した。
真水の恵みにあずかり、入浴して体を磨き 髪もきれいにして 散髪するために。
一方 船員たちは、日暮れ前に 船客たちを船から送り出したあとは、船内の清掃をすませて
さっさと 船内で眠りについたそうだ。
そして2日目、積み荷をおろし、洗濯ものを陸揚げして 港町の洗濯屋に運び、あとは交代で上陸休暇=入浴 に行ったそうです。
そもそも 海水でも汚れと臭いが落とせる海水用せっけんですが、
その石鹸を洗い流すのも海水だと・・・
やっぱり上陸したら まず最初に行くところがお風呂屋さん! ということに。
このあたり 夢の中で見た西部劇で、カーボーイや旅人たちが 町に着くとまずは 洗濯屋さんに行って 体と服の両方を洗っていたのを思い出す。
小屋の中に いくつもたらいが並んでて、客がめいめい受付で たらい一杯分の代金を支払って
自分に割り当てられたたらいの所まで案内され、そのたらいの中に湯を入れもらう。
そして顔→体→頭と洗って 追加のお湯が欲しい時は、桶1杯づつの追加料金を払っていたような・・
さらに 受付で たらい利用の申し込みをするときに、汚れものを出しておくと、別料金で洗濯してもらったり、着替え用の服の購入もできたと思う。
2日目の夕食を天海号の船室でとったとき、そんな話をして、「天海号の船員達はどうだったの?」とその場に居合わせたコチに尋ねたら、少しびっくりした顔をされた。
一応 私が長い眠りから覚めたばかりだということは コチもキョーシローも知っているから
夢の話をしてもかまわないと セバスとシノからは言われていたのだけど、
まずかったのだろうか?
「今回は、船員達のために 宿を海運会社の方で手配しましたけど、
そういう 船員専用の宿があり、船員たちがリーズナブルに利用できるといいですね」タンタン
「船の入港がない時の営業をどうするかと言う問題はあるけどな」 コチ
「街の人も利用でき、簡単に行水と洗濯のできるリーズナブルな洗い場であれば、それなりに
需要はあるのでは?」タンタン
「銭湯文化はないの?」私
「なんです 銭湯って?」シノ
「お風呂屋さん。 大浴場で 大きな浴槽を共同利用しつつ、浴槽を取り巻く場で、浴槽から湯を汲んで体や頭をあらって、全身をきれいにしてから、みんなで一つの浴槽に入ってあたたまってから出るの」
「こちらでは 温泉も 基本は貸し切り制で 不特定多数が一緒に湯に浸かる習慣はないですね」セバス
「そうなんだ」
「他人が使って汚れた湯に はいりたくないからな。
むしろ めいめいに割り当てた たらいに湯を入れて使うが、
それを一か所でまとまって行なうことによるコストダウンで
利用料を安くするという話の方が受け入れやすい」コチ
「お嬢様の見た夢って ほんと面白いですね」キョーシロー
「たしかに 風呂を使うためだけに宿をとると、入港中の船員の管理が面倒だものなぁ」キョーシロー
「風呂付の宿は高いですからねぇ」タンタン
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