船酔い
船酔いというやつは じんわりと忍び寄ってきて 急に暴れ出す厄介者
暴れ出したら 止まらない
ぐるぐるぐるぐる グルグル GURUGURUGU RU
むかむか むか!
たまに一拍おいてドンとくるいやらしさ
立っていると ゆらゆらユラユラ 目が回るぅ
座ると むかむか
横になると あーゆれているぅ ゆれているぅ
目をつむって 早く眠りが訪れないかと祈りの心境
しかし ひと眠りして目が覚めて やっぱりゆら~ ユラー
船酔いのいやらしさは ちょっとましになったかなぁと姿勢をかえると 途端にむかっと襲って来るところ、
吐くと余計に苦しくなる
吐きたくないから食べるの我慢すると 空腹が吐き気を誘発する
飲み物もほぼ同じ
飲まなくてもむかつくし
飲むと考えただけで 吐きたくなったらどうしようと恐怖感が襲う
でも脱水が怖いから 飲む
ちびちび飲むと いつ むかつきに襲われるからわからないから
そーっと さらーっと飲む
トイレへの移動も同じ
立ったり座ったりの動作(上下運動)もおっかなびっくり
船酔いの悪化を恐れる気持ちと 今現在感じているムカムカとどっちが嫌かよくわからん ドッチも嫌ぁ~~~~~!
とうとう耐えきれなくなって「薬 薬欲しい!」と叫んでしまいたかったが・・
現実は 目線でシノを呼びつけて 彼女の腕をつかんで「酔い止めの薬」とつぶやいた。
シノは にっこり笑って 2錠渡してくれた。
「そのまま かみ砕いてください」
言われたとおりにして 5分ほど待つと ピタッと船酔いが収まった!
やっぱり効く!
「もっと早く渡して欲しかった」
「求められませんでしたので」
(鬼!)
「船酔いって 人それぞれなので、すぐに納まる人もいれば そうでない人もいて
酔い止め薬は 自己判断で飲むのが一番です」シノ
(ほんまかいな)
「それにしても お嬢様。苦痛が表に出にくいタイプですね」セバスとピピ
「今後の参考にさせていただきます」シノ
何を言う気力もなく 布団に潜り込んだ。
(これで安眠できる)
※ 土日休日は 朝8時
月~金は 朝7時の1回投稿です




