とりあえずの役職
ペンペンでの裁判が終わり、マーコを梅園県に送るまでのあわただしい期間に、
とりあえず領主館での役目を決めたが、
そこに、ヒノモト国竹林省での役職もくっつけたのが、下に書きだしたわりあて表だ。
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領主館での役目・氏名・公務員としての役職 の順に並べてみた
家長 :天河 春香 :ヒノモト国竹林省領主
執事 :セバスチャン:検察官
〃の助手:ウマイヤ :事務係
メイド頭:フローラ :城主代行&大蔵大臣
近習 :シノ :護衛隊長
料理長 :バッキ― :(無し)
御庭番&お馬係:タンタン:覆面巡察官
(無し) :ケイタ―:徴税人
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・以前、祖母の腹黒さを知ったバッキ―はショックのあまり しばらく街を出たいと言った。
それを引き留めたのが ウマイヤとタンタンだった。
県外を旅することの危険性をとき、まして女一人旅では身を守ることもできないと。
「領主様ですら 王都へ行かれる時は護衛を付けます。
まして 若い女性が一人で旅することなど論外です」タンタン
「それに 旅には費用ががかかります。
街で暮らすのが嫌なら、しばらくお城の住み込み料理人に応募してはどうですか?」ウマイヤ
ウマイヤの勧めにより、バッキ―が 城の料理人に応募してきた。
推薦人は ウマイヤとタンタン
「それでは あなたが料理長になりなさい」と私
「私 パンしかつくれません」バッキ―
「何をおっしゃる兎さん。あの総菜パンやサンドイッチから察するに あなた普通の料理もできるでしょ。
そもそも 味覚と火加減が確かでなければおいしいパンは焼けません」と私
「仕入れは 僕に任せてください」とウマイヤもバッキ―を応援する姿勢を示した。
「私も お手伝いします」タンタンも負けてはいない。
かくしてバッキ―は城の住み込み料理長になった。
ウマイヤとタンタンは バッキ―の補助係を買って出て、熱心に務めた。
そして 今もバッキ―は 館の料理長を務めている。
・ウマイヤは、公私ともにセバスチャンの助手としてつくことにより
公私のけじめのつけ方や責任の取り方について 今後さらに学んでいく予定だ。
現在のウマイヤの仕事は、城の厨房に引きこもりがちなバッキ―に
献立に沿った調理法や 大人数の料理を賄うための調理場の差配について教えることだ。
この献立は フローラが出した毎月の予算の中で、仕入れ担当のウマイヤがたてることになっているのだが・・
ウマイヤは 1日の必要栄養所要量に基づいた献立を立てたり、調味料や光熱費・主食購入費と言った 食生活全体の支出を視野に置いた経営法について無知なことが初日に明らかになった。
というわけで フローラとタンタンが バッキ―とウマイヤに厨房経営について基礎からたたき込むことになった。
決算報告書その他の書式についても タンタンがバッキ―とウマイヤに教えた。
バッキ―は 文字や計算について初歩的なことしか知らなかったので
それらの勉強の手伝いをウマイヤがした。
・・・
「こんなことなら 孤児院の子供達を雇った方がましだった」とセバスチャンは嘆いた。
「福祉予算をいつも削りたがっていた人が 何を言ってるんですか」マリアが セバスを叱った。
どうやらこの二人、私が眠っていた間、この領地の経営を巡って対等に意見をかわしていたらしい。
「いいえ 実権を握っていたのはフローラです。
だから 彼女が城主代行及び大蔵大臣なのです」セバス
「てっきり 私が首都に赴く間 あなたが私についてきて フローラが留守番をするからだと思ってたわ」
「城主代行というのは 領主不在を狙って侵略してくる敵を撃破する役目も負った重大任務なのです。
ただのお留守番役ではありません」フローラとセバスが声をそろえた。
「ずいぶん 物騒なのね」
「そうです。先代領主様ご夫妻がなくなり、お嬢様がお眠りになっていた領主空白期間のことを見ても 明らかではありませんか!」セバス
「しかし ウマイヤがあそこまで頼りないようでは
私の不在中の 人事配置をもう一度考え直した方がよさそうですね」
セバスチャンがつぶやいた。
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