ウマイヤの採用前インターン実習
(領主就任4日目の午後 以後の話)
少しだけ 前話と内容が前後したり重複します
領主館での面談後、セバスによって別室につれられたウマイヤは、堰を切ったようにバッキ―について話しだし、
セバスは 一々丁寧に ウマイヤの話の中の「憶測と事実との違い」を指摘し ウマイヤに説明した。
ウマイヤは セバスの指摘の多さにイライラしたようだが、
セバスには逆らえずに 素直にその注意を理解しようと努力して聞いていたようだ。
一方天井裏で ウマイヤの話を聞いていたシノが、タンタンを見つけてきたのだった。
タンタンの話を聞いて 頭を沸騰させたウマイヤに冷や水を浴びせて現実を直視させたのもセバスだった。
タンタンの話だけでは、「犯罪者が自己弁護のために創作した詭弁」と一蹴されるだけだと。
タンタンがどんな思いで、これだけの証拠を抱えながらも訴えるのを待っていたかその意味が分からないのかと。
落ち込むウマイヤをよそに、シノに タンタンの話や彼が持ち込んだ資料の検証という さらなる証拠固めをさせたセバスチャン。(というか 実際には シノの活動を追認していただけのセバス)
・・・
そしていよいよ 私も含めた戦略会議が開かれた。
「領主さまは裁判官。
私が検察役を務めます。
訴え人はタンタン
書記はフローラ
シノは調査官(証拠の適否を証明する係)。
一方、市民への広報とバッキ―擁護の機運を盛り上げる為の宣伝係をウマイヤに命じてもよろしいでしょうか?」
セバスが 私に形式的にお伺いをたてた。
ここで「良きに はからえ」と私が言うのがセバスの書いたシナリオだったが、
「本気でバッキ―の幸せを願うなら この任務を全うするように。
今回の働きぶりいかんによって あなたの採用条件が決まることを忘れないように」と
ウマイヤに伝えた。
ウマイヤは考え考え言った。
「俺には 邪念がありますから ちゃんと仕事ができるかどうかわかりません。
ですから 任務を全うするためにケイタ―さんに相談したり、場合に寄ったら若旦那やその奥さんの手を借りても良いでしょうか?」
「お前の失敗は バッキ―とタンタンの死をもたらすのだぞ。
いい加減な奴め」セバスが怒った。
「だからこそです。
命令通りに動くのはいいけど 責任はとれません」ウマイヤは涙を浮かべた。
「ならば 私の命じたことだけを行うように」
セバスの言葉にウマイヤはうなづいた。
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