ペンペン港の利点と欠点、係留施設について (写真あり)
(重要!)
このページに限らず、木苺のサイトで紹介した写真は、すべて引用不可です。
いずれも公式HPから借用したものなので、絶対にフリー画像などのページに投稿して私服を肥やしたりしないでください。
それは、借りた本のページを勝手に切り抜きして着服するのと同じく人類に対する悪辣な犯罪行為です。
人々が公共目的で、つまり共同体としての共通理解促進のために投稿した画像を、個人の営利目的で盗用する事例が多発すれば、
インターネット上における有用な知識の共有による、社会的協同が不可能になってしまいます。
専門的知識・人々の理解を助ける画像の作成には いずれも製作者の研鑽が必要であり、
多くの時間と費用が費やされています。
それらを無償公開する=共同体の知的財産として共有することにより、社会はより良きものに発展し、後に続く人が育つわけですが、
共同体の共有財産として用途限定で無償提供されたものを、個人の利得のために流用することは、
提供者の善意を踏みにじるだけでなく、
研究者の努力と研鑽の成果を奪い取ることにほかならず
そのような悪辣な行為を阻止するために、情報公開が止まってしまえば、
社会には、無知蒙昧とデマがはびこると同時に、子供たちは学習の機会失い、
ごく一部の金銭的にも社会的にも超恵まれた人しか学ぶことができない世の中になってしまいます。
つまり社会的発展が止まり、社会人の知的レベルが急速に低下することにより、生産性も急降下し
必然的に貧困と飢餓が増加します。
私が悩みながらも、画像紹介・サイト紹介をしているのは、
島国日本の「海の交通・海の文化」が この半世紀の間に劇的に変化し、多くの記憶が失われつつあること、
また巨額の投資によりできた新しい施設が活用されないまま維持管理負担から放棄されている側面もある点を憂う気持ちがあるからです。
もちろん この物語はあくまでも異世界であり、物語で紹介する施設もすべて夢の世界の話ではあるのですが。
港湾施設も造船も 巨額投資・長期にわたる建設期間が必要なため、
完成した時には社会的経済情勢が変化していることもあり、
投資や建設による経済効果があらわれるまでに時間がかかることもあり・・
各自の立ち位置と現場との距離により、感覚のずれがすごく大きい、情報の伝播に時間がかかる、でも10年20年という単位で見れば、社会(物価・流通)への直接的変化・影響力が非常に大きい
それを 感覚的につかみやすいように表現するためには 画像も必要、と思って 引用させていただいています。
だから絶対に、営利目的での転用、特にフリー素材サイトへの投稿はやめてください!
(長文失礼しました)
ペンペン港の利点は、比較的波や風が穏やかで、大型船が停泊できる十分な水深があること。
(だから 防波堤がない!)
欠点は、荷揚げ・荷下ろしに、
船⇔桟橋・浮桟橋・艀⇔崖に刻まれた階段・古典的エレベーター・長い長い坂道を通って街へ
といった経路を使わなければならないこと。
つまり ペンペン街と船との間の荷物運びが ものすごく大変! ということ。
これって、貨物港としては 致命的欠点ではなかろうか?
◇
港について考えるとき、問題となってくるのは、停泊と係留の違いだ。
・停泊:錨を下ろして 海上で船を泊める(一定期間 そこに船をとどめる)こと
ゆえに、帆船の場合、凪の時には、海上に停泊して風を待った。
さらに風向きがよろしくないときには、安全な停泊地を選んでとどまる判断力も、熟練航海士の腕を示す重要な指針の一つであった。
なにしろ(航海日数の短縮=コスト管理)VS(安全確保)の両立が航海の成功につながるのであるから
・係留:船を安全に陸地につなぎとめること。
つまり、「港」と名乗るためには、船が安全に係留できることが 第一のポイントになるのではなかろうか?
そういう意味では、しっかりとした係留施設のあるペンペン港は、「港」としての役目を果たしていると言えるかもしれない。
「かもしれない、ではなくて、きちんと果たしています!」と フローラに叱られた。
◇ ◇
港は、人や荷が、陸と船の間をいきかう場所なので、係留施設が重要ポイントとなる。
●係留施設:船舶が離着岸し、貨客の積み下ろし&乗降を行うための施設、
その種類は
岸壁、係船浮標、係船杭、桟橋、浮桟橋、物揚場、船揚場である(※1)
と、昔(夢の中で)読んだ本にあった。
この係留施設を、具体的に説明すると・・
①物揚場と岸壁
・物揚場(※3)
小型船(500総トン以下)や艀を対象とした接岸して係留する鉛直の壁(水深4.5m未満)
主に艀の荷役にされる
構造としては
土台の上にケーソンやブロックを載せて上部を舗装した「重力式」
矢板を打ち込み土をとめて上部を舗装した「矢板式」のものが多い
・岩壁:船が接岸して係留する鉛直の壁 (水深が4.5m以上)
(荷役とは、
貨物の積み込み・荷下ろし、倉庫やコンテナヤードなどへの貨物の入出庫作業の総称
その為に岸壁に設置される大型設備については、次話以降で説明します)
物揚げ場も岩壁も、どちらも船が接岸する、つまり岸に船をつなぎ留める場所であるが、
なぜ、わざわざ、「鉛直の」「接岸して係留する」という言い回しをするのかと思ったが、
いろいろ調べてみて、”たぶん、その他の係留施設との違いを強調する為だろう”と思った。
②船揚場:傾斜を利用して船を陸に引き揚げておく場所
ここは主に、漁船の保管や簡単な補修のために 利用されている。
③桟橋
桟橋というのは、海に向かって突き出している橋のようなものかと思ったら、
大きな船も係留できるように、がっしりと作られるものだった。
そして岸と支えあうように 地面と同じ高さに作る物らしい・・・
ペンペンの場合は、海に面した崖の下に張り付くように横長の桟橋が設けられているので
上図のモノとは 構造が少し違うだろうと思ってフローラやセバスに尋ねたら。
「古代技術なので 詳細不明です」と言われてしまった。
「古代技術」って便利な言葉だなぁ、将来補修とかするとき 困るんじゃないか?と思ったけど
「わからないものは わからないですし、下手にいじって壊れると困りますから
これまで大丈夫だったものは 今後も大丈夫だろうという仮定の下、大切に使っていきましょう」(byセバス)
だって。
④浮桟橋
ペンペン港を歩いていると、桟橋と浮桟橋の違いをあまり感じないくらい
浮桟橋がしっかりしている。
ただ、何度もペンペン港を行き来している間に気が付いたのだけど、
浮桟橋って、潮の満ち引きによって海面が上下するのにあわせて、浮桟橋も昇降するんですね。
(浮桟橋の設置場所が、古典的エレベーターの下だったので、最初気が付かなかった。
だって 絶壁にそって 少々海面が上がったり下がったりしても、
緩やかな傾斜の砂浜と違って、波の置き土産(海藻など)がないからわからないじゃん。)
タンタンやキョーシローによると、浮桟橋は船の喫水線のすぐ上にある貨物用乗降口との高低差が小さいから、荷物の出し入れが楽なんだそうだ。
(言われてみれば、桟橋は、海面よりも高い位置にあるから、小船から荷下ろしするときには、
持ち上げなければいけなかった。
大型船の場合は、甲板の位置が海面より高いし、
船内の階層にあわせて船腹にいくつも乗降口があるから、あんまり気にならなかったけど)
とまあ、ここまでが、陸上につながる係留施設である。
◇
岸につながる係留スペースには限りがある。
しかも 人や荷物が乗降するときは、船腹から出入りする。
船首や船尾に乗降口はない。(あくまでも 船腹の船首側・船尾側に搬入口や乗降口があるのだ)
つまり、船は係留施設に横付けしなくてはいけない。
だから、船1艘しか利用しないような船着き場では、
桟橋は 陸から海に向かって突き出して、
船が陸に対して船首を向けて係留できるようになっている。
がしかし、多くの船が出入りする港に 海に突き出す桟橋をいくつも作ると、
桟橋と桟橋の間の間隔を十分に開けないと 船が入りきらないとか
岸がカーブしていると、桟橋と桟橋の向きや間隔がぐちゃぐちゃになるとか
ややこしいことになる。
というわけで 護岸にそった横桟橋が定着すると、
あぶれた船(特に大型船)は 岸から離れた湾内に係留して、
船荷は艀を使って、人は通船(カッターボートなど)を使って
母船と岸とを行き来することになる。
この湾内(海上)の係留施設が・・・
・係船浮標
・係船杭
である。
実は この係船浮標と係船杭が、ペンペン港の主要係留施設だったりする。
そして これらがいかにして設置されたかは・・
「古代技術だからわからない」なのだそうだ。(;'∀')
「わからないことを あれこれ考えても しかたないですからねぇー」(セバス)
◇ ◇
幸いにも 南の入り江の奥は いつも波が穏やかだ。
長年の努力の末 桟橋・大型フロート(浮桟橋)・係船浮標(パッと見、航路案内のブイみたい)や艀の開発も進んでいて、
見た感じ、地面とかわらないくらい安定した浮桟橋(=大型フロート)や艀が 港を形作っていた。
街と港を行き来するために、階段を使うというのは、
荷担ぎ人足にとっては辛い仕事であるが、
海上攻撃から町を守るという点では都合がよい。
だって 艦砲射撃をされても、大砲の玉は崖に当たるだけで、町には到達しないもの。
もっとも この世界には大砲はないけど、火矢を放つことぐらいはするだろう、たぶん。
問題は 大型船の修理やメンテを行うための乾ドックを作るには向かない地形であるということである。
それに、小型船を陸にあげておく船揚場も見当たらなかった。
「ペンペン港は どっちかというと、荷揚げ専用の港ですからね。
漁港のように 小型船が出入りする港を見たいなら、手配しますよ。
それに 大型船の手入れは、これまで花峡谷で行なってきましたからねぇ。
ペンペンの近くに新たに そうした施設を作る必要があるかどうか?と言った根本から
検討することも必要だと思います」フローラ
言われて\(◎o◎)/!
聞いて (・_・D フムフム でした。
◇ ◇
最後に、係留施設建設にあたっての留意点について、かろうじて私が分かったことだけをまとめて置く。(実際には むつかしくて 私の理解が全然追いついてないのだけど) (※1・2)
・水圧:水深によっても変わる(岸壁は 水圧にも耐えねばならない\(◎o◎)/!)
・地盤の強度:軟弱地盤では建造物が壊れるので、工法の工夫が必要
・船が発着するときの衝撃:船が大型化するほど強くなる
接岸時の衝撃力を緩和・吸収する防舷材は、船を守るために必要なのかと思ったら
岸壁や桟橋を守るためにも必要であった!\(◎o◎)/!
・波の強さ(波圧):
荒天時に波浪が床板を押し上げる揚圧力が働くことがあるため、
床板の部材の強度を高めたり、水塊による空気圧の逃げ場となるような孔をあけて防止すること
(昔、海辺の別荘として売り出された土地で散見された
海に突き出した桟橋の床板が妙な具合になっていたのは、このせいかもしれない・・
山の中の木橋とは あきらかに痛み方が違うのが不思議だったのだ)
港の立地条件・自然条件によって、波の当たり方はちがう。
また 同じ港であっても、季節や天候によって波の当たり方が異なる。
・荷重:陸揚げされる荷物の総重量に耐えられること
・潮の干満による潮位差
満潮時と干潮時とで 海面の高さがかわるが、
この海面の高さの変動幅が大きいところと 小さい所がある。
荷役においては、この潮位変動が 大きく影響してくる。
(※1) 係留施設の種類について:岸壁と桟橋画像の引用元
http://www.pa.kkr.mlit.go.jp/kobegicyo/technology/ganpeki/ganpeki.html
神戸港湾空港技術調査事務所
(※2)軽構造に強みを持つ代表的係留施設:桟橋・浮桟橋の画像の引用元
https://www.umeshunkyo.or.jp/marinevoice21/promenade/221/index.html
一般社団法人日本埋め立て浚渫協会 プロムナード人と、海と、技術の出会い
港湾施設の基礎知識③桟橋
(※3)
・https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/41400a/term-ma.html
福島県小松浜港湾建設事務所 用語解説 より
(このサイトには小~高校生対象の 無料の港湾見学の申し込みページもあり)
・https://kotobank.jp/word/%E7%89%A9%E6%8F%9A%E5%A0%B4-1427897
世界大百科事典 第2版
・船揚場:画像出典
https://www.pref.niigata.lg.jp/site/gyoko/shisetsu.html
新潟県漁港課 漁港施設の案内
このページを見ると、漁港と神戸港などの輸送船が出入りする港との違い
言い換えるなら漁港の特質が よくわかりました。
・係船浮標:画像引用元
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BF%82%E8%88%B9%E6%B5%AE%E6%A8%99
・係船杭:画像引用元:福岡市港湾空港局
https://twitter.com/port_of_hakata/status/1011825856518373381




