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貧乏領主になりました  作者: 木苺
第一部 第1章 目覚め
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朝 

コンコン 隣室の扉を叩く音で目が覚めた。


鳥の鳴き声から始まる朝の音楽が流れだす。


もうちょっと布団のぬくもりを楽しみたいとぐずぐずしていたら、

「おはようございます」とあいさつして メイドが寝室に入って来てカーテンを開けた。


うっ まぶしい ますます目を開けるのが嫌になる


「お嬢様 朝ですよ」


思わず布団を引き寄せもぐりこもうとしたら あっさりと布団ごと抱き上げられてしまった。


「今日はお寝坊さんですね。モーニングティーをご用意致しました」

この言葉が終るころには ソファに座らされ、暖かいおしぼりを差し出されていた。


ここで逆らうと 問答無用で顔をふかれそうな気がしたので、しぶしぶタオルを受け取り目頭めがしらやこめかみにあてる


ウーン 熱くて乾き気味のタオルは気持ちがいい

 いやでも目が覚める。


おしぼりを顔から離すと メイドがさっとそれを受け取り 次のタオルを差し出してくるのは断る


目の前には 暖かい紅茶が用意され 砂糖壺とミルク壺とレモンの入った小皿が並んでいる。


うーん今日の気分はミルクティだな。

 カップから立ち上る香りに合わせて ミルクと砂糖を自分で入れて飲んだ。



お茶の用意は執事のセバスチャン

 私をベッドからソファに運んだのも彼である。


私が紅茶を飲み干すころには 彼は退出していた。


そりゃそうだ レディの着替えのじゃまだもの。


ちなみに メイドのあいさつに私が答えていたら 彼は寝室に入ってくることなく、

隣室にティーセットを用意して私の姿を見ることなく出て行ったであろう。



これが 私が覚えている2日目の目覚めであり、私がこの世で迎えたと記憶する初めての朝である。

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