41/63
第41話 ~栞side~ 別れ
高等部一年の二学期がどうにか終わろうとしていた12月に、てっちゃんから別れを告げられた。
「栞、もう別れよう。
栞もそうしたいと思ってるんだろ」
続けて
「僕はもう学校での立場は強くないし、栞が僕と付き合っている意味はないだろ……」
と。
確かにわたしのてっちゃんへの気持ちは不純なものから始まった。
それはいけない事だったのかもしれない。
でも今はわからなくなっていた。
成績が落ちたわたしに声をかけてくれたてっちゃん。
ドロップアウトしたわたしと付き合い続けてくれたてっちゃん。
緊張しながらも「栞」と下の名前で呼ぶようなってくれたてっちゃん。
成績が落ちるにつれて、音が安定しなくなっていったてっちゃん。
どのてっちゃんもわたしには大切なてっちゃんになっていたし、ちゃんと『心配』と思えるようになってきていた。
なのに。
なのに……。
てっちゃんから別れを告げられた時、涙が溢れだした。
その涙の理由は、てっちゃんと別れる悲しさ、学校で一人になっちゃう怖さ、どっちの方が大きかったのだろう……。




