複式無性
物語の外側に居る人間を
ふと、考え始める
苛立ちも
悲しみの中の怒りも
理路整然と並んでいる
感情的な部分を
無理矢理な形で
論理的に使えば
大抵の人間を騙せると
学習しているみたいだ
他人から得ようとすることは
悪いことではないが
他人が快く広げたものがあるから
それができるのであって
広げてもいない人間から
何かを得ようとすることは
よろしいことではない
弱者の声と言いながら
何故、弱者なのか
学べなかったから
人間として怠惰だから
羅列する問いは無い
やってきたことの未来が
今の自分であるなら
やってこなかったから来る未来も
今の自分にやってくる
後悔したくないからと
他人へ要求を突きつけるより
後悔できる人間の方が
優秀なのだろう
ショックを受け止めきれない
そんな人間の形は
平和が作ったバグでもある
いつか全てに
さようならと
言わなければいけないことを
全く考えていないのかもしれない
そのいつかは
明日かもしれないし
50年後かもしれない
分からないことを考えても同じなら
ショックを受けることで
機能不全に陥る脆さくらいは
考えた方が良い
存在が動かないことは
周りの存在に影響が出る
存在は一人になることは
絶対に無い
主人公を読まない物語を
ずっと読んでいる
成長も
時間の中の報われなさも
理路整然と並んでいる
受け止めることを拒否した人間は
生きていくことも拒否している
怖さも拒否しているから
死ねないというだけの動物だ
人間の知恵の中で
仕方ないと言われながら
無様に生きている
そもそも
その状況を拒否しようと
考えないのだろうか
拒否しようとして
何回、失敗したのだろうか