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涯て。  作者: 森のきのこ
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エピソード 3

三科さんと別れ、翔太さんに連絡を入れた。

すぐに電話が来たが、まだ外だったので後でかけ直すとだけ伝えて切った。


三科さんの話を聞いて気になる事がいくつもある。

頭の中を整理しながら歩いていると、駅の改札を出たところで呼び止められた。


顔を上げると、そこには翔太さんが立っていた。


「勝手にごめん。早く聞きたくて…迷惑だったよね…。」


気まずそうにしながらもどれくらい待っていたんだろうと思うと、必死さが伺われた。


「いえ、私も1人であれこれ考えるより、話した方が整理しやすいですし、ちょうどよかったです」


近くに個室の居酒屋があったので、一先ずそこへ向かった。


______________________


三科さんから聞いた事を、なるべく主観が入らない様に話した。

翔太さんはしばらく考え込んで、慎重に口を開いた。


「大翔は入社前から篠原と知り合いだったみたいだな。」


「やっぱり、そう思いますか?」


部署も違うので2人に仕事上の接点はほとんどない。

かといって、プライベートで仲良くなるにしても研修なんかを考えても1ヶ月そこそこの期間。

その間にあそこまで関係がこじれるだろうか。


「…偶然、なのかな?」


「偶然、かぁ…。今思えば、大翔は就活の時少しおかしかったんだよな。もっと大手に内定出てたのに、駆け込みで受けた企業に就職したんだ。」


「そうだったんですね。でも、それが篠原さんと関係あるのか…」


「そうなんだよな。…はぁ。今の時点では篠原と就職には何らかの関係があるとは言い難いんだよなぁ」


そう言って項垂れる翔太さん。


篠原さんと直接話が出来ればいいのだけど、彼は未だ目を覚さない。

搬送先の病院で処置を受けた後、一命は取り留めたものの意識が戻らないらしい。

あまり詳しい事は部外者の私には知る術がないのだ。


翔太さんは近いうちに、謝罪を兼ねてお見舞いに行くと言った。


お見舞いか。

それなら、私もお世話になった後輩って事で顔を出してもおかしくないかな。もちろん、翔太さんとは別で。


大翔君がどうしてあんな凶行に及んだのか、どうしても知りたくなっていた。

翔太さんは私なんかよりもその気持ちが強いのは当然だろう。


こうして私たちは事件のことを調べることにした。



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