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漢籍、漢詩を追い求める裕太。ピンチ脱出なるか。
春節は中国のお正月に当たり、経済力が付き、懐がたんまりになった中国人はこぞって、観光地に繰り出す。
裕太は早稲田大学で、二外に中国語を選択しているが、最近顔が冴えない。
ミッキーマウスカップ、そう言えば上海にはディズニーランドがあるそうだが、裕太自身はネットのHPで見た限りである。「賑やかで千葉にある東京ディズニーランドと同じく、華やかなところ何だろうな」という想像は出来る。
裕太が冴えない顔を浮かべているのは、今、武漢で発生している新型肺炎の中国本土での感染の大流行を受けて、中国政府が対応策として、海外の団体の旅行禁止命令を発動したことによるものだった。
裕太は今年、中国に冬休みを利用して、現地でしか手に入らない中国語で書かれた文学、例えば漢籍や漢詩などの書籍等を買い求めに旅行、むろん観光旅行であり、を楽しみにしていたのである。
早く、新型肺炎が収束を見せてくれることを裕太は願ってならなかった。
ミッキー・マウスのカップにコーヒーと少しブランデーを入れて、裕太は元気を出すためにそれを飲んだ。