第86話:クリフキャニオン
経済大国の首都ビジナを目指し、クリフキャニオンに到着。早速、断崖絶壁に沿った細い下り坂を下る。高さはウォーターランド西にあった一番大きな川を優に超える。植物の化け物―――名前はギャランクス―――に連れ去られたトラウマが、少しだけ蘇る。
先頭は中野、それから高松さん、花巻さん、俺の順だ。お互い邪魔にならないように、かつ離れないようにしながら慎重に進む。
「やべぇ~っ。一気に下りてしまいてぇ~っ」
「やめて!」
何となく、さっさと下ってしまいたい気持ちは分かるけどね。
「スターリー神殿地下2階の、真っ暗の奈落の底ってのも中々だったけど、見えたら見えたでスリルがあるね」
「私は・・・見えない方が楽だったかな」
「あたしも」
「じゃあ夜にする?」
「絶対イヤ!」
「オイ勘弁してくれ!」
花巻さんは無言で首をブンブンと振った。夜だと足場さえまともに見えないからね。で、月明かりとかで谷底は微妙に見えたりする。
下り坂を、少しずつ下って行く。ふと顔を上げて谷の向こう側を見た。そびえ立つ、褐色の大地。谷底の方では確かにつながっているのだが、見た目としては巨大な岩がいくつも並んでいる感じだ。その裂け目の底には川が見える。大地は水の流れで削れたのだろうか。
建物好きの俺だが、この自然にできた不規則な輪郭も、美しい。自然の驚異を感じる。谷底が深いのと足場が細いことを除けば絶景ともいえる景色た。いや、この谷底を見下ろす景色も、中々のものだ。上を見ると、手すりに乗ってカメラを下に向けている人もいた。落ちてこないでね・・・。
「確かに身の危険は感じるけど、結構いい景色じゃん」
「どこに景色を楽しむ余裕があるのよ・・・」
「世界中に」
「聞いたあたしがバカだったわ・・・」
「せっかく世界中を旅してるんだから、色んな景色を見て楽しもうよ。高松さんがそういうのは興味ないっていう冷めた人なら無理強いはしないけど」
「っ・・・。チームで一番冷めてる人には言われたくなかったわ・・・」
「失礼だな~っ。僕にはこの広大な自然を楽しむ心があるんだけどな~っ。進まなきゃいけないのは決まってるんだから、通り道の景色は楽しまなきゃ損だよ?」
「そういうのは立ち止まってからするものよ。もし落っこちたら楽しむも何もないでしょ」
「落っこちるのもまた、楽しみの1つだよ。風魔法があるからケガはしないだろうし、この道から外れて宙に浮いたら違う景色が見えるかもしれないよ」
「仲間を突き落とすのもまた、楽しみの1つなのかしらね。あの谷底が一気に近づいてくる景色も中々のものなんじゃないかしら」
「そんなことしたら中野くんが可哀想だよ」
「オイ俺かよ!」
「大丈夫よ中野君じゃないから」
「え・・・じゃあ花巻さん・・・?」
「葵、場所変わってもらっていい?」
「え、と・・・。な、仲良くいこうよ、千尋ちゃん」
「そうね。 あとで楽しくお喋りましょうね、大村君♪」
「それは僕も楽しめるんだよね・・・?」
「あら、あたしはあたしが楽しめればいいに決まってるじゃない。大村君だってそうでしょ?」
「あ、はは、は・・・」
「ち、千尋ちゃん・・・」
「だっはっは! 大村の負けだな」
高松さんの発言は冗談と受け取ることにして、その後は穏やかな話をしながら下って行った。
恐怖心を感じなくなるレベルまで下って来た。
「だいぶ下って来たわね」
「こんくらいならもう平気だな。 ほえ~~~~っ。改めて見るとでっけぇ岩」
「岩と言うよりは、ひと繋がりになってるからこういう形の地面なんだよ。多分」
「マジ? ヤバくね?」
「ホント、凄い景色ね」
「さっき僕も言ったはずなんだけど」
「あたしは、あの高さで恐怖を感じないほど冷めてないから」
「へえ、そんな強い心臓の持ち主もいるんだね。さすがは剣と魔法のファンタジー世界」
「あたしは、高さで怖がってる人をイジろうとする人が現実に存在することの方が信じられないわ」
「まあ、世の中いろんな人がいるからね。そういう目に遭うこともあるよ」
「楽しくお喋りと見せかけてトラウマ植え付けようとする人もいるから、大村君も気を付けた方がいいわよ」
「そうだね。いつ何が起こるか分からない世の中だからね。警戒は怠らないようにするよ。高松さんも気を付けて」
「そうね。返り討ちにできるように備えておくわ」
そこで会話は終わった。
「あは、は・・・」
花巻さんは困り顔。
「結局なんの話してたんだ? ま、何が起こってもいいように気を付けてりゃいいんだろ」
中野に至っては理解できてないし。
そんなこんなで下りきった。
「とりあえず谷底を進もうか。目の前のやつの、左から回りたい気分かな」
「じゃ、それで行きましょ」
「すげ~っ。よじ登ってる人もいるじゃんかよ」
いま下ってきた崖以外は道が整備されていない。スタート地点とはまた違う景色を求めて、道具と体を駆使して他の崖を登ってる人たちがいる。
「登らないと見えない景色もあるんだよ、きっと」
「大村君は登らなくてもいいの?」
「今は、ビジナを目指すことを優先するよ」
「そ。せっかくあたしの風魔法で上まで飛ばしてあげようと思ったのに」
平然と何言ってんだこの人。
「また、別の機会で高松さんのお世話なろうと思うよ」
「あんまり世話を焼かせないようにしてもらえるかしら」
「僕にできるとでも?」
「できるでしょ!」
「面倒見なきゃいいんだよ、千尋ちゃん」
「私も、そう思うかな」
「そう、ね・・・」
さて、どこまでできるかな? 高松さんにはもう、世話焼きの癖が染み付いている。ほっとけないような人がいたら、文字通りほっとかないのだろう。その煮え切らない反応と渋い表情が何よりの証だ。
川には橋は架かってないが苦も無く向こう岸まで渡れるぐらいには足場がある。少し左に進むと川が分岐していて、それに沿って進めば目の前にそびえ立つ大地の左側から回って奥に行ける。このまま、谷底を進んで行こう。
登らないで済むのは良いのだが、当然ながら先が見えない。でもマップ機能があるから知らないうちに逆走してましたって事にはならないだろう。
川の分岐点に到着し、右カーブ。奥の景色が見えてきたところで、
「あ、敵だ」
レッドスライムが現れた。難なく撃破し、先へ進む。
「敵が出て来るようになったわね」
「うっし、かかって来い!」
モンスターのラインナップは、レッドスライム、ゴブリン、イカ(モンスター名も”イカ”)、グレーダイル。狼が出ないこと以外はクリフキャニオンに入る前と同じだ。狼が減った分なんか出てきそう・・・。
「え?」
しばらく進んだ先で現れたのは、行き止まり。川は続いているのだが、壁に開いている穴の中に入っていっている。どう見ても人間が入れる大きさじゃないし、そもそも洞窟に入るよりは、
「登るしか、ないみたいだね」
「うげ~~っ。他に道ねぇのか?」
「どうだろ。他の道に行っても行き止まりかも知れないし、探しに行くぐらいなら登ろうよ」
これまでもいくつか分岐点があり、マップ見ながらフィーリングで決めてきたが、そもそもどんな経路でも一旦は登ることになる可能性もあるし、余計なことに時間は使いたくない。
幸いにして左右の崖は、崖と言うよりは1~2mほどの段差を繰り返し登っていく感じになっていて、1つ1つ足場もそこそこ広い。この道のプロなら道具も使わずにホイホイ登って行けるだろう。俺たちはプロじゃないが、4人いるし魔法もある。
「そうね。言うほどの崖じゃないし、一旦上に上がって先の方を見てみましょ」
「ま、いっか。アスレチックみたいだ面白そうだし」
「葵、頑張ろうね」
「うん」
正直、これくらいは魔法なしで突破できるぐらいの身体能力は欲しい。修行だと思ってやってみよう。
「うーーん。右の方が登りやすそうかな」
「じゃ、右ね。もし無理だったら大村君のせいってことで」
しまった・・・。
で、中腹に到達。次が2mを越える高さの段差ということで一旦腰を下ろして休憩。
「ふぅっ。やってみると意外と楽しいわね。なんか敵も出ないし」
崖登り中はモンスターが出て来ない、妙なところで良心設計。
「だな。 よっと」
中野が四次元収納からコンビニで買ったおにぎりを取り出した。
「そうだね。ちょっと腹ごしらえ」
俺は惣菜パンを取り出した。女性陣2人も続く。
「お昼にはまだ早いかな?」
女性陣は弁当も買っていたが、まだ11時。現実世界にいた時は、外食なら混み合うのを避けて11時半より前にするのが俺の中でのお約束だったから、気にはならない。
「さあ。この先いつ休憩できるか分からないから、」
ポン、と2個目のパンを出した。
「僕はもう1個食べておくよ」
「どうせなら崖の上の方が景色が良さそうだけど、敵でちゃうかな」
「出ることも想定しといた方がいいね。この先は、登り降りの途中でも出るかもしれないよ」
「だよね~」
高松さんも随分と、悪い状況を想定する思考が染み付いてきたな。フッフッフ。その調子でネガティブ思考になっていってしまえーー。
軽食を終え、いい感じで休憩もできた。
「そろそろ行こっか」
「うっしゃ。・・・でもこれどうするよ?」
「とりあえず魔法なしで頑張ってみようよ。1人でも登れれば上から引っ張れるし楽になるよ」
「うっしゃ! まず俺から行くぜ!」
身長160cmの俺でもジャンプすれば両手が掛かるぐらいの高さだ。休憩明けだし大丈夫だろう。花巻さんはキツいかも知れないが、高松さんか、最悪は俺か中野が上から引っ張ればいい。
「うっし! ヨユーだったな」
やるじゃないか。
「どっ、、こい、、せと」
俺も、肘を掛けたり足を掛けたり、最後は転がったりしながらも何とか登れた。
「ひゅーっ。やるじゃねぇか大村。 千尋ちゃんたちはどうだ?」
「待ってて。まずやってみるから」
陸上部だと言っていた高松さん、パワー系の動作はどうだろうか。
「ん、んっ」
高松さんも、何とか頑張って首から上と肘から先を乗せるところまできたが、
「ごめん、2人で引っ張って」
と苦笑いして両手を開いた。その気になれば登れないこともなさそうだが、足を開かないといけないし、こんなところで体力を浪費するのは得策じゃない。賢明な判断だ。
「うし」
「んじゃ」
それぞれで高松さんの手をつかみ、
「「「せーのっ」」」
「んっ、しょっ」
最後は高松さんの方で足を乗せて、到達。
「2人とも、ありがとね」
「別に」
「おう!」
さて後は、
「葵、どうする? 引っ張ってもらう? 最後はあたしが受け止めるから」
「まずは頑張ってみるけど、できなかったら、お願い」
「そっか。頑張って」
ジャンプして両手を掛けるところまでは成功。だが、
「っ・・・」
厳しそうだ。10秒ほど待っても進展なく、
「花巻さん一旦降りて。腕疲れちゃうよ」
「うん・・・」
花巻さんは下を覗き込み、手を離して着地。
「悪いけどもう、引き上げるよ。ここに時間は使えないから」
「うん・・・。お願い」
「うっしやろうぜ」
しゃがみ込み、2人して手を下の方に伸ばす。中野は片手、俺は両手だ。花巻さんが上に手を上げたところで、片手ずつの手首をつかんだ。中野がどこまで考えたかは知らないが、拳が引っ掛かって滑りにくいし、花巻さんの握力に頼る必要もないから安全だ。
「じゃあいくよ」
「「せーのっ」」
「わっ」
花巻さんの体が浮かび上がり、あっさりと腰ぐらいまでが段差の上にきた。
「よし、いくよ葵」
俺と中野の間に高松さんが入り込み、花巻さんの背中に手を回して抱え上げた。
「しょっと」
花巻さんの両足が、完全に上に乗った。
「ふぅ、・・・ふぅ」
花巻さんもお疲れのようだ。引っ張り上げてもらったとは言え、楽じゃなかっただろうな。
「お疲れ、葵」
「ううん。みんな、ありがとう」
「どういたしまして」
「おう!」
「ちょっと大村君、あたしの時は“別に”じゃなかった?」
「気のせいじゃない?」
「はっきりと覚えてるんですけど・・・気まぐれでセリフが変わったことにしといてあげるわ」
「そうそう。気まぐれなんだよ」
「あはは・・・。でも、ちゃんと鍛えなきゃダメだよね。みんなが私みたいだったら登れなかった訳だし」
ここで“その必要はない”なんて言っても慰めにはならないし、実際、身体能力もつけてもらった方が助かる。
「まあそうだね。ここから先も、これぐらいのアクションは必要になるだろうし。あの人たちぐらいには出来るようにならないとね」
俺が指差した先では、
「う・・・」
90°を超えてやや手前側に反り立っている崖を、2人組が登っていた。遠くてよく分からないが、素手でよじ登っている訳ではなく、手に何かを持ってそれを崖に食い込ませている感じだ。
「おいおいマジかよ・・・」
「いくらなんでも、あそこまでのアクションは、ないわよ、ね・・・」
自信がなさそうですね高松さん。
「さあどうだろ。とにかく先に進もう」
その後は全員自力で登れるぐらいのものしかなく、特に何事もないまま登り切った。
「ほえ~~~っ」
「いい景色ね」
「うん・・・」
「あと、半分ぐらいかな」
開けた景色の先に、遠くではあるが平地も見えた。さすがに街はまだ見えない。それにしても良い眺めだな。広大な大地と、それが鋭く削られてできた断崖、そして谷底を流れる川。なんかこう、大自然を感じる感じだ。他の所の頂上にもチラホラと登山家や観光客(区別はつかない)の姿があり、写真を撮ったりしている人(これは観光客か、写真家か)もいる。
「あ、鳥」
離れた位置から、大きめの鳥が一直線にこっちに飛んで来ている。こういう所にいるのは、どんな鳥なんだろうな。
「デカくね?」
「デカいわね」
デカいな。長身の人間ぐらいのサイズはあるぞ。羽を広げてるから尚のことデカく見える。鳥はある程度まで近づいたところで失速し、
「コンドル・・・?」
だっけ。こういう見た目の鳥。だが目の前のは淡いグレーぐらいの色。
「でっけ~~」
着地はせず、バサ、バサ、とホバリングをしている。
「何かしら?」
「さあ」
「メシならやんねぇぞ」
鳥は、左右両方の羽を後ろに反らし、
ブオオォン!
「「きゃあ!」」
「うおっ!」
「っ!」
強風を吹き付けてきた。まさか。
「モンスターだ! ソルバードって言うらしい」
モンスター図鑑に載っていた。見た目は、普通の野生動物なのだが。
「マジか!」
「モンスターなのね」
「んっ」
杖を振り、横向きの棒状の火を飛ばした。
「グェー!」
手応えあり。
「俺たちも戦うぞ!」
「ええ!」
2人が2発ずつ加えたところで、
「アイスソード」
寄れるだけ近くまで寄って氷の剣を刺した。鳥は地面に落ち、やがて消えた。
「モンスターが出るんじゃ、ここじゃ休憩できないわね。せっかく良い景色なのに」
「しょうがないよ。進もう」
と言っても、少し進めばまた谷底に下りねばならない。
その後、ソルバードが2回出てきたあと端まで到着。他のグループにも目を向けながら来ていたが、確かにたまに飛んで来る鳥に護衛が応戦しているようだった。ヤツの弱点は火だった。水に耐性があるようなのだが、刺せば死ぬんだしトドメは氷でいいや。
「今度は、くだりね」
「重力があるから不可能はないけど、踏み外したりしないように気を付けよう」
「うし」
「「うん」」
上からだと段差の高さが分からないが、さっきと同じぐらいかな。少なくとも、直近には難しそうなのはない。
低いのは飛び降りたり、高めのは一旦ぶら下がってから降りたりしながら、下を目指す。広めの足場に降り立ったところで、
「そろそろお昼にしない? 敵、出ないみたいだし」
「うん」
「そうだね」
「俺も腹減った~」
という訳で昼食休憩。見た感じ、一旦下まで行くととしばらくは川沿いに進めそうだ。昼飯を食うなら、今しかないな。
「ビジナってどんな街なんだろうね」
「首都だじ栄えてると思うけど、ファイナンスも結構だったからね」
「また高層ビルまみれか?」
「さあ。今度は逆に広いお屋敷がたくさんかもよ?」
「それもいいわねえ。似たような街ばっかりだとつまんないし」
「とにかく、明るいうちに着けるようにしよっか」
「だな」
「そうね」
その後も、他愛のない話をしながら渓谷地帯でのランチを満喫した。
休憩を終え、出発。
「食後の運動にはちょうどいいわね」
しばらくはサクサクと降りて行けたが、
「う・・・」
少し先に、明らかに飛び降りるにはキツい高さのものが見えた。着地をミスると足を痛めそうだ。
「他に、下りやすそうな経路はなさそうだね」
「どうする? 魔法使う?」
「う~~~ん。そうだね。ケガしても花巻さんのMP消費するし、着地直前に風起こして失速、っていうのも練習しときたいし」
「え、そんな感じでいくの? ・・・でもそうね。宙に浮くのMP結構使うもんね」
「せっかくだし4人同時にいこうぜぇ」
「は・・・まあいいけど」
4人で飛び降りて、俺と高松さんが風を起こして止める、という作戦になった。とりあえず現地まで移動だ。
サクッと到着。端まで寄ってから下を見る。
「近くで見ると、結構あるわね・・・」
4mはあるな。ぶら下がってから手を離す戦法は、体勢が崩れやすいからやめといた方がいい。
「ちょっと、怖いかも」
「ちゃんと、ゆっくり着地できるようにするからね。 あ、大村君ドッキリとかしないでよ」
「しないよそんなの。一応、壁からは離れるように少し前に飛ぼう」
「うっし行くかぁ!」
4人で頷き合い、
「「「「せーのっ」」」」
ピョン。
続いて、
ブオオオォォッ。
「・・・」
「っ・・・」
「うおおおぉ~~~っ」
「っ・・・!」
そして風を緩めていき、結局みんな体勢が崩れて膝や背中が下を向いたりしたのでゆっくりと着地。
「ほぉっ」
「何とかなったね」
「ふぅ。 2人とも、ありがとね」
「うん」
「ええ」
「ほえぇ~~~っ。風魔法すげぇな! 俺も入れときゃ良かったな~」
そういえば中野は、風魔法で宙に浮くのは初めてか。
「でしょ」
魔攻を犠牲にして5属性入れた甲斐があるってもんですよ。
その後は特に難所はなく、すんなりと谷底まで下りきった。川に沿って北西に進む。左カーブだから進行方向が西になりそうだ。
ザパーン!
「何?」
「うおっ! なんだ?」
水音のした方を見ると、オットセイのような生き物がいた。
「敵だね。オットセイ、普通は海の生き物だから」
「じゃあなんで川にいんだよ?」
「モンスターだからだよ。イカだって川から出て来たんだから今更でしょ」
「あ、そっか」
「モンスター図鑑に出てるわよ。キャニオンファーシールだって」
「んじゃ、ちゃっちゃとやりますか」
「ええ」
「おう」
絶景に高難易度のアクションに2種の新モンスター、冒険してるって感じがしていいですな。
次回:谷のオットセイ
■改訂履歴
・慎重 → 身長(誤字訂正報告頂いた方、ありがとうございました)




