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4人の魔法使いの冒険  作者: 藤見倫
第1章:グリンタウンを救え
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第20話:午後はみんなでお買い物♪

「おお、ここは装備屋か? プライマリと違って雰囲気出てるな」


「へぇ、まずは装備屋ね。大村君らしんじゃない?」


 装備屋に入ったところで2人が感想を漏らす。片方装備屋への感想じゃないんだが。


「へい、らっしゃい! どんな装備をお探しかい?」


 うわ、なんだこの店員。俺は洋服屋とかで話しかけられるの嫌なタイプなんだが。まあいいや、利用しよう。


「魔法使いの、Dランクのものを」


「あいよ、Dランクね。この時期に初期装備ってことは、兄ちゃんたちこの世界に来たばかりかい?」


「あ、はい。なので何か役に立つ装備がないかなと」


「しっかし、たまげたなぁ。兄ちゃんたちみんな魔法使いかい? 俺ぁずっとこの店にいるが初めて見たぜ? よくここまで来れたもんだ」


 色々大変でしたよ、ホント。


「ところで装備見せる前に聞きたいんだが、レベルはいくつだい?」


「レベルですか? 13ですけど」


「13かあ、ちょっと遠いな。Cランク使えるのは20になってからだ。15になれば近接と射撃のEは装備できようになるが、大したもんはないから魔法の装備がいい」


 ふーん。どの道俺は近接や射撃の装備を付ける気は無いが。


「じゃあまずDランクのものにします」


「それがいい、こっちだ。他の兄ちゃん姉ちゃんもついてきな」


 そう言われて店員の後を追った。


「なんと言ってもまずは武器! 魔法使いにゃ杖しかねえが、プライマリと違ってDランクは全種そろってるぜ。初期装備とはここでオサラバさ」


「おお~、Dランクでもこんなにあんのか」


「やっぱりいくつか種類があったんですね。でも、何が違うんですか?」


 並んでいる杖は10種類。今俺たちが持ってるのと同じ普通の木の杖と、デザインは同じだが赤や青っぽい色をしているもの、杖先のグルグルの手前にハートや星のアクセントが付いたものなどがある。


「武器ごとに機能が備わってるんだ。今お前さんたちが持ってるのは"ウッドスタッフD"。単純に、持ってれば魔法が使えるっていうのがそいつの機能。この赤いのは"レッドスタッフD"で火属性使用時に魔攻5%アップ、他の色も似たようなもんだ。音属性と愛属性だけは、色じゃなくて杖先の音符とかハートが目印になってる。星がついてるのは魔攻じゃなくて最大MPが5%アップ。Cランク以上にもなれば、杖での打撃に雷属性追加とか、その杖でしか使えない魔法技なんてのもあるぜ」


「へぇ~、そうなんですね。ちなみに、ウッドスタッフDで"ただ魔法が使える"だけって、EやFとの違いは無いんですか?」


 同じ名前でランク分けされてるなら、何かしら効果の差があると思うのだが。


「もちろんあるさ。確かにDにゃ何の機能もないように見えるが、EとFは全属性魔攻ダウン10%と30%だ」


「な・・・、なるほど」


 これは確かに、近接や射撃のEランクも大したことなさそうだ。それと、


「あと、武器の機能として"魔法が使える"があるということは、剣や弓では魔法は使えないんですか?」


「いいや、Dランク以下じゃ無理だが、近接ならBランク、射撃ならAランク以上で"魔法が使える"機能が付いてるぜ。属性は制限されることが多いがな」


「あ、そうなんですね。ありがとうございます。じゃあ僕は、これかな」


 俺は星が付いた杖を取り出した。名前は"スタースタッフ"、お値段1万円なり。この段階で特定の属性だけ魔攻アップは避けたい。無意識のうちにその属性を優先して使いそうだ。5属性で魔攻4割ダウンの穴埋めもしたいところだが、全属性アップはCランク以上だろうか。こいつだけ名前に"D"がないのは、C以上のMPアップは名前が変わるのだろうか。


「私は・・・これしかないかな」


 花巻さんがハートのついた杖を取り出す。まあ、それしかないな。でも、MPが上がるのと魔攻が上がるの、どっちが効率いいんだろうか。分からないし口出ししないでおこう。


「中野君どうする? 光属性強くしたいんだったら、あたしは風属性にするけど」


 高松さんは魔攻アップにする気のようだ。俺とも中野とも装備をかぶらせたくないとも思ってそうだけど。


「姉ちゃん風属性使えるのかい? オススメだぜ~? なんてったって空が飛べるからな」


「え、そうなんですか?」


「ああ、さすがにまだキツいかもしれねえが、MPと魔攻が増えてくれば街から街まで飛んでいくのも夢じゃないぜ」


「へぇ~、じゃ、あたしは緑のにしようっと」


 そうか、風をうまく使えば空が飛べるのか。そいつは便利だ。俺と高松さんの2人いれば、4人での移動も無理じゃないだろう。


「俺は闇属性アップにするぜ。光は千尋ちゃんも使えるし、闇強くしときゃいいだろ」


 ほう。中野にしては妥当な判断だ。


「もうみんな決まったのか? ま、Dランクにゃ単純なのしかねえからな。んじゃ次、防具んとこに案内するぜ?」


 防具も武器と似たようなラインアップだった。燃えにくいもの、水に強いものなど、各属性に対応したものに加え、最大HPアップと物理衝撃を抑えるものがある。


「武器は皆バラバラにしたみたいだが、今は皆こいつにすることをオススメするぜ」


 そう言って店員が突き出してきたのは物理衝撃を抑えるものだ。名前は"バッファローブD"、お値段15,000円。他のローブと比べても2倍だ。高いのを進めてきたのだが、とりあえずその理由を聞いてみよう。


「これ、何かいい機能があるんですか?」


「ん? いや、機能は書いてある通り物理的な衝撃を緩和してくれるだけだ。でも兄ちゃんたち、当然こっから先、王国首都のウォーターランドを目指すよな。魔法使いしかいないんならコイツはあった方がいい」


「と、言いますと?」


 次の街の名前があっさり出てきたが、ひとまずスルーだ。


「この先の道には、コットンリッスって言うモンスターが出てくるんだが、こいつが厄介でな。いきなり地面から出てきたと思ったら体当たりしてくるんだ。これがまた…」


「あれかーー!」


 思わず声に出してしまった。物理衝撃緩和のローブを進めてきたことも納得だ。話が途中で大声で遮られて店員がたじろぐ。悪いけどもう説明いりません、俺、これ買います。多分みんなも・・・


「あの体当たり痛かったよなー! 俺、これにするわ」


「あのリス、コットンリッスって言うのね・・・。せっかく可愛い見た目してるのにあんな攻撃してくるんだもん」


 高松さんも苦笑いでそう言いながらバッファローブを手に取った。花巻さんは何も言わないが神妙な面持ちで俯いて背中に手を当てている。痛かったよね、あれ。


「お? もしかしてもうコットンリッスに会ってた? そんな初期装備で行くなんて無謀だね~兄ちゃんたち。痛かったろう」


「あ、はい・・・」


 文句なしで全員バッファローブを買った。


「ところで、"バッファ"ってどんな意味なんですか?」


「そうそう、俺も気になってたんだよな。バッファローの突進にも耐えられるってか?」


 いやーそれは無理なんじゃないか? バッファローと掛けたネーミングの可能性もあるけど、"バッファ"という単語に何か意味があると思う。


「ああ、"バッファ"は緩和するっていう意味だ。文字通りだろ」


「なるほど、ありがとうございます。では、僕たちはこれで」


「こっちこそありがとな。品揃えじゃウォーターランドにゃ敵わねえが、Cランクも置いてるから、行く前にレベル20になったらまた来てくれよな」


「はい。ありがとうございました」


 古い装備はその場で引き取ってくれた。初期装備なんて言うまでもなく売れないからタダだったが、4次元収納があるとはいえ要らないし、ゴミ処分をしてもらったと思えばいいや。

 それにしても、コットンリッスか。マジで鬱陶しかったなあいつら。ていうかトッシンリッスの方が良くない? 全然コットンじゃないし、あれ。もしかしてシルクリッスってのもいるんじゃ・・・あ、いるな、これは。みんなごめん、たった今、シルクリッスという敵の存在が確定しました。


「で、次はどうするの、大村君?」


「そうだね・・・次は図書館かな? お店よりも閉まるの早そうだし」


「オッケー」


 装備屋を出た俺たちは図書館に向かって歩き出した。

次回:地図と魔法のお勉強

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