異世界メモリアル【2周目 第13話】
部活終わりのチャンスを見計らって、俺はてんせーちゃんをデートに誘うことにした。
意外とアクティブな場所を好むということだったな。
「てんせーちゃん、海に行かない?」
「なるほど、私の水着姿が見たいと」
ぐいっと顔を近づけて、俺の目を見ながら俺の真意を見抜いた。
なんでわかったんだ……。
夏の終わりに海に誘うという極めて自然な誘いを、極めて自然に言ったつもりだったのに。
「ロトさんが私の胸をもっと見たいと思っていたことなんて~お見通しですよ~♪」
歌うように言いながら、適当に踊り回るてんせーちゃんだった。
真姫ちゃんは自分が巨乳だということには無自覚だったが、このメガネっ子は自覚のある巨乳のようだ。
「いつもいつも視線を感じていますから~♪」
「もうやめてくれー!?」
他に誰も居ないとは言え、部室で俺がおっぱいガン見してたことを歌わないでくれ!
恥ずかしすぎて死ぬ! 略して恥ず死!
「っていうか、大丈夫なんですか、正直」
「何を心配しているんだ? 正直」
彼女は踊るのを止め、足を揃えて眼鏡をかけ直しながらよくわからない心配をする。
俺は眉根を寄せた。
するとてんせーちゃんは、腰を引いてお尻を突き出しながら、よろよろと年寄りのように歩き出す。
なんだ?
「私の水着姿を見たら、海でこーんな感じの歩き方になっちゃうんじゃないですか?」
思わず前かがみしちゃうだろ? ということが言いたいらしい。
俺は赤面した。
なんなの。
俺はセクハラでも受けているの?
恥ず死するぞ。
「な、なんねーよ」
我ながら、こんなに自信のない声が出るとは思わなかった。
「そうですかー、まあそこまで言うなら行きましょうか、海。私も今年行ってないですし」
だから近いって。
てんせーちゃんは、俺の腕を絡め取りながら耳元でデートを了承した。
普段男同士の恋愛ものを楽しんでいるとは思えないほど、男を翻弄するよね。
海で待ち合わせは遠すぎるので、駅で落ち合うことになった。
現れたてんせーちゃんは白いTシャツに青いデニムのショートパンツという露出の多い格好だった。
丁度電車が来たので早々に乗り込む。
「って、なんでこんなに電車が混んでるんだ?」
「ロトさん、ラッキーですねえ~、合法的に私にくっつけるチャンスですよっ」
「そっちからくっついてきてるじゃないか!?」
「あれれ~? なんでそんなに腰を引いてるのかな~?」
「当たっちゃわないように避けてるだけだよっ」
「何が当たっちゃうのかな~?」
身体を密着させながら、こんなやり取りを続けてようやく海に到着した。
ある意味天国、ある意味地獄だったぜ。
海についてさっさと着替え終わった俺は、レジャーシートを敷いていた。
「おっ待たせ~」
期待通り、いや期待を上回るくらいに胸を弾ませながら手を振ってやってくるてんせーちゃん。
こ、これはどんなリアクションをすればいいのだ!?
1.おっぱい教の信徒として拝む
2.白と黒のビキニがまさにホルスタインだねと言う
3.おっぱいの大きさを褒める
……ふむ。
まず俺はおっぱい教徒ではない。
そしてホルスタインは褒め言葉ではない。
じゃあ3番なのか?
いや~……ただのセクハラだろう。
でも何も言わないよりはいいか。
「大きいことはわかっていたが、ビキニで見ると圧巻の一言。大きすぎないギリギリのラインで、大多数の男性が支持する胸だろう。水着の下から少しだけ下乳がはみ出ているところも◎」
ファ○通のクロスレビューみたいなコメントになってしまった。
ゲームばかりやってるとこうなってしまうのだね。
「そ、そんなに真剣な顔で褒められると、結構嬉しいな」
意外と評価高かった!?
自分でも気持ち悪いと思うのに、俺は選択肢を当てたらしい。
てんせーちゃんにしては大変珍しく、頬を赤らめて照れている。
普段おちゃらけた人がこういう表情すると、グッとくるな。
俺は恥ずかしさのリミッターが解除されたので、イベントCGが回収できそうな提案を持ちかけた。
「捕まえてごらんなさ~い」
「あはは、待て~」
若干スローモーションの駆け足で、波打ち際を追いかけっ子した。
こういうベタだけど実際にはやらないシチュエーションごっこ、をノリノリで受けてくれるところがてんせーちゃんの魅力だ。
「喰らえ~」
「わっ、やったなコイツぅ」
両手で海水を掛け合う二人。
この海水浴場で一番のバカップルに見えるだろうぜ。
なんだろう、この心地よさ。
凄く楽しい。
恋人だったら逆にここまでやれないんじゃないだろうか。
こんな恋人ごっこが出来る女友達、って貴重だよなあ。
もともと人懐っこくって、明るくって、一緒にいるのが楽しい人なんだ。
「ああ、眼鏡は濡らさないでー」
「あ、ごめん!」
水掛けが高すぎたか、眼鏡に当たってしまった。
眼鏡を外すてんせーちゃんを見て、慌てて駆け寄った。
うっ。
これもベタだな。
ベタだけど、ドキドキする。
てんせーちゃんは本当に眼鏡が似合ってる女の子だ。
それでも大きく丸い眼鏡を外すと、いつもと違う表情に変わる。
友達として遊んでいたところから、一気に水着の可愛い女の子だと認識を変えられてしまう。
ぎゅっと、腕を掴んできた。
もともと距離の近い人だけど、眼鏡を外して視界が奪われたのだろう。
いつもと違って心細いボディタッチで、なおさら女性として意識してしまう。
「ごめんね、バッグのところまで連れてってくれる?」
こんな普通の、普通過ぎる会話で。
普段、あまりにも愉快な人が言った、普通の女の子の台詞で。
もう俺はノックアウトされていた。
突然ですがおっぱい大きさランキングを発表します。
1位 寅野真姫
2位 画領天星
3位 星乃煌
4位 望比都沙羅
5位 来斗述
6位 実羽映子
7位 舞衣
8位 次孔律動
9位 江井愛
10位 ニコ・ラテスラ
あとがきってこういう使い方であってんのかな?




