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異世界メモリアル【12周目 第32話】


人は死んだらどうなるの。

バッドエンドを迎えるの。

バッドエンドってどうなるの。

それはゲームによるんだよ。

異世界メモリアルの場合は、一年の一学期からやり直し。

そして、戦国ロトの場合は……。


「いよいよ明日は最後の戦いだな」


前日の夜の最後の晩餐。そこからコンティニューできるようだ。

よかった!

まじで!

正直、本当に死ぬとか、一年の一学期からとは思ってなかった。

だが、チュートリアルからやり直しくらいはあるかと。それも楽しいっちゃ楽しいが、なかなかしんどいですよ。

しかし……。


「先輩、ほらほら、先輩の好きなおしっこですよ~」


ここからリスタートするとはな。

みんなと笑いあって、ビールを飲んでいる。このときからやり直し。

はははは。

最高じゃん。

何度でも死んでいいや。


翌日。

一度戦っている経験は大きい。

来斗さんを最優先で沙羅さんに守ってもらう。

右足、左足、左手の順に撃破。

右手の反撃は、真姫ちゃんが捕まった。

体力の半分を奪われるだけなので、戻ってきてから沙羅さんの後ろに下がって、てんせーちゃんに回復を依頼。

真姫ちゃんがいない影響で1ターン多く倒すのにかかるが、問題なしだ。


「ギャオオオオオオン」


両手を撃破すると、足が再生した。

あるよなー。あるある。

足を叩きに行ってたら、堂々巡りだ。

頭を攻撃するのみ。

3ターンかけて、頭を撃破する。


「うぎゃああああああ」


よし、頭を破壊したからこれで終わりだろう……。

と思ったら、足が生きてるって。なんなの。そんなモンスターが義朝っていうの無理だろ。

足を攻撃中に手が再生、なんてことは流石になく。


「グギャアアアアアアアン」


待て待て。

頭部がないのに、どこからその声が出たんだ。

と、ツッコみたいが、両足を倒した。細かいことはいいや、どうでも。

大怪物だった義朝は、みるみる消滅していき……


「ふふふ、この俺に本気を出させるか……」


見覚えのある男に。義朝だ。サッカーユニフォームではなく、鎧を着ているだけで、俺のよく知っている義朝だ。


「いままでの姿は仮の姿。ふははは、どうだ驚いたか」

「うーん」


いや、逆だったら驚いたんですけども。

最初こっちで出てきて、後から巨大モンスターになった方がよかったのではないでしょうか。

とはいえ、さっきよりも強いとなると、厄介だぞ……!


「くっ、動けねえーっ」

「……」


意外なことに、普通に来斗さんの魔法が通用した。

体力や攻撃力がどれだけあったとて、動きを封じられるなら雑魚ですよ。


「くそおおおおおお」


じわじわと体力を削って倒した。

歯ごたえのない……。


「ふふふふ、コレで終わりと思ったか」


どうやらまだ終わりじゃなかったようです。フリーザ様みたいですね。

ラスボスにしてはアレだったので、むしろよかったですよ。


「これこそが、本当の姿だっ!」

「おお~っ! 会いたかったぜ、義朝!」


本当の姿とは、女の子の義朝でした。うんうん。


「来斗さん!」

「ああん! うっかりぱんつが~」

「誰がパンチラしろと言った、魔法だよ魔法」


この期に及んで、ボケるなよ来斗さん……しかもティーバッグだし……ふーむ。ま、見れてよかったけども。


「とお~っ」


改めて攻撃だ。

これが効くなら結局雑魚だ。


「ふふふ、効かないな、そんなものは」

「おおっ!?」


通用しないらしいぞ。

さすが、女義朝。男義朝とは違うぜ。


「……なんか嬉しそうじゃないか?」

「いやいや、何を言いますか」


ラスボスがちゃんと強くて嬉しいとか、むしろ死んでもう一回くらいみんなで一晩遊びたいなんて思ってないですよ。


「くらえーっ」

「沙羅さん」


近距離攻撃だったので、沙羅さんの鉄壁の防御の裏に避難。

ふーむ、遠距離からダメージを与えればいいんじゃないか。


「ニコ! 星乃さん! 鞠さん!」


三人による遠距離魔法。

だが……。


「遠距離攻撃は効かないぜ」

「おお~」


さすがラスボスだ。さすが女義朝だ。


「さあ、近距離攻撃を仕掛けてこい、返り討ちにしてやる」


勇ましいことを言う、義朝。

正直、真姫ちゃんたち近距離攻撃を行うユニットは防御力がない。

攻撃させれば死ぬかも……。

最後の戦いだから、ある程度は犠牲を……というゲームなのかもしれんが、冗談ではない。

義朝め……。

うん、久しぶりに見る女の義朝……。

いい作戦を思いついたぞ、誰も死なせない方法を。


「ここは俺に任せてくれ。てんせーちゃん、後ろについてきて」

「らじゃったのだ」


上から見た陣形はこうだ。


 ●←義朝

 ○←俺

 ◎←てんせーちゃん

―――←沙羅さんによる魔法壁

△△△←待機している沙羅さんたち

△△△←待機している来斗さんたち


「バカだなあ、ロト。大将が前に出てきてどうする」

「ははは、一番死んでも問題ないのやつが前に出るべきだろ」

「ロト……」「ロトさん……」「カッコつけちゃって」


いや、カッコつけてるとかじゃなくてマジでそうなのよ。

だって俺が死んでも前日に戻るだけだし。別にいいし。


「ふっ、では死ねえ!」

「うわーっ」


うん。死なない。

俺は強くはないが、一撃で死ぬほどでもない。


「てんせーちゃん、回復よろしく」

「あいあいさー」


うん。全快。

てんせーちゃんも俺とのデートによりパワーアップ。回復スピードが高まっている。


「くらえ、てごめにする!」

「うわっ、何をするんだ」

「はあはあはあ」

「き、きかないぞ」


わかっている。

もっとダメージを与えないと、てごめにするは通用しない。

だが……俺は満足!


「くらえ!」

「てんせーちゃん!」

「あいあいさー」

「てごめにする!」

「うわっ、だからきかないって」

「はあはあはあ」

「き、きかないって言ってるのに。くらえ!」

「てんせーちゃん!」

「てごめ!」

「も、やめ」

「てごめ!」


こうして俺は、攻撃を受けつつ、回復されつつ、てごめにするをひたすら繰り返す。

義朝が俺を無視して、てんせーちゃんを攻撃してくれば俺は困るのだが、どうも攻撃の優先順位が一番高い俺を無視するという発想がない模様。所詮義朝なんだよなあ。

この行為に何の意味があるのかというと、俺が気持ちいいのだ。おおよそ想像がつくと思うが、てごめにするという行動は俺にとって非常にハッピーなもので、いくらでもやりたいのです。

うっかり痛恨の一撃でもくらったら俺は死ぬだろうが、まあ、そんときゃそんとき。


「てごめ!」

「ああ……きゅう~」

「おっと」


てごめに出来てしまった。

結局、相手へのダメージが少ないと確率が低いってだけで、出来ないわけじゃないんだよな。

さて、久しぶりに会えた女義朝との蜜月の日々を……


「よし! 領地を平定したな!」

「早く帰りましょう!」

「この地は私たちが統治いたします!」


やっぱね。

そうだと思ったよ。

ラスボス倒したら、すぐにエンディングっていうパターン、あると思ったんだよ。

よかったよ、アホみたいにてごめにするを繰り返して。久しぶりに女の子の義朝を満喫できたよ。


「ロトさんも、早くイーナ様に会いたいことでしょう」

「そうだね! もちろんそうだよ!」


そう言うしかないもんね!

あと2、3回死んでおいてよかったかなと思うけどね!

異世界メモリアルと同様、脳内に音楽が流れ始める。

この世界において、エンディングというのはそういうものなのだろう。

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― 新着の感想 ―
[一言] モブ娘攻略ルートだけあってメインヒロインの扱いが今回はモブ プリキュアオールスターズで歴代に活躍されてる感じやろか
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