異世界メモリアル【12周目 第29話】
「ニコ!」
「わかってる」
デートにより正確無比な殺人光線は、見事にパワーアップ。
正確無比な破壊光線となった。
とある理由から詳細は誤魔化してもらうが、要するにイチャイチャしてたら俺の何かがぶっとくなった。ニコは「なるほど、太く長くすれば、固く強くなる……これだ!」と思いついたとのこと。
デート中の何がどうなるかわからないものです。まさに人間万事塞翁が馬。勃つのは恥だが役に立つ。
「ぐおおおお」
ロボットは倒されるとき断末魔をあげるものらしい。
正確無比な破壊光線は、ロボットを一撃で屠った。
そう、さきほど俺たちは江井愛戦を開始した。
まず、くノ一たちを囮として、ロボットたちを移動させる。
そして、沙羅さんのバリアを展開しつつ、ニコによる長距離砲撃でじわじわとロボットを破壊。
攻めてくるロボットは、真姫ちゃんがシン・全身全霊の一撃で倒す。
こうして徐々に江井愛に向かって近づいていくという、非常に戦術的な攻略だ。本来、こういうゲームだったのでは?
「来斗さんは、あのロボットを足止めで頼む」
「ふふふ、いいでしょう」
来斗さんの「俺の強姦がこんなに喜色満面なわけがない」も、デートしたことで使用可能となった魔法だ。魔法で出来た無数の糸で縛り上げるもので、遠距離から仕掛けられる上に、5ターンほど行動を封じるというなかなか強力な支援魔法。
それまでは「やはり俺のラッキースケベは支離滅裂っている」という、ただ単にコケてぱんつを見せて油断を誘うという魔法だった。近距離でしか発動できず、低い確率で成功するくせに1ターンの行動不能という、何の役にも立たないものだった。一番パワーアップしたと言える。
ちなみに「ポータブルが続くわけがない」もすごくパワーアップしている。ノベライズのifを読んだからいいよとか言わずにプレイしたほうが良い。
さて、後はパワーアップしてない組への指示だな。
「実羽さんは、あっちの宝箱開けてきて」
「わかった」
「星乃さんは、扉をよろしく」
「了解!」
「鞠さんは……ごめん、待機」
「承りましたですわ」
ペガサスナイトみたいな使い方をしてすまない……。
宝箱の中身も別に上級職になるためのアイテムとかじゃなくて、きずぐすりですまない……。
「ぐおおおお」
真姫ちゃんが江井愛を守っていた最後のロボットを倒す。他のロボットは遠くにいるか、来斗さんの魔法で動けない。
目の前には、ひとりぼっちの人工知能。実羽さんが軽~く焼きを入れているので、あとは俺の出番。
「さて」
てごめにするか……。
「待て」
「ん?」
敵の状態で話しかけてきたのは初めてだ。
「なかまになればせかいのはんぶんをやろう」
「あ、そういうのいいんで」
ロトという名前を理解してくれているのには感謝だが。
俺は世界を救いに来たんじゃないんですよ。お姫様ともゆうべはおたのしみしてないんですよ。
「待て」
「まだなんかあんの?」
まさか「はい」を選ぶまで永久ループじゃないだろうな。江井愛ならやりかねないぞ。
「なかまになれば全年齢版ではできないことをしてやろう」
「……」
なんだと……。
「ロトさん」
「ロトさん?」
「ロトにゃん……」
「まったくしょうがない人ですね」
「なかまになりましょう」
「ロト! 目を覚ませ!」
「ロトっち!?」
「なんで迷ってんだ」
みんな……すまん、ちょっと迷ってしまってすまん。一人だけ止めてないけど。
「騙されるか、江井愛! 大人しくしろ、ちゃんと全年齢版でてごめにしてやる」
「ヘタレ」
……ほんとこいつムカつく。
「こっちはもう経験豊富なんだからな? あんまり生意気言ってると、後悔するぞ?」
「え? 生まれてから4ヶ月しか経ってない女の子にマウント? ださっ」
ああーっ!
相変わらず、俺をムカつかせることについては天下無双~!
「ほら、ここをこうしてやる」
「わっ、わっ、あっ」
「お前の場合、ここ開いちゃうしね」
「ぎゃーっ!? へんたーい!?」
「中からこうだよ」
「あ、あ、だめ、だめだっ……てっ……」
江井愛のことなんて、忘れたこと無いからね。
いつかこうしてやろうと思っていた。
「ごくり……さすがロトさん」
来斗さんからお褒めの言葉をいただきました。
「ふひひ……ほれほれ」
「ああ……そんな……ああ……」
くくく。てめーは俺を怒らせた。それだけだ。
「うわ……」
「変態」
「変態だ!」
「ロリコンだな」
「やっぱりロリコンなんですね」
「記事にして残しておくべきかな」
くそ!
汚名を着せられている!
これも全部江井愛のせいだ!
だから、泣いて謝るまで、おれはてごめにするのをヤメないっ!
「え? 続けるの?」
「嘘でしょ」
「ヒキますね」
「むしろ混ざりたいんですけど」
「混ざるとかありなの?」
「え~、なんか楽しそうですね~」
「混ぜてくれないだろうか!」
え?
そんな展開になんの?
あいちゃんは俺一人でてごめにするつもりなんですけど。
「レ! イ! プ! レ! イ! プ!」
「ロトー!」
「ロトさん、覚悟してください」
「ロトっち、もうこんなになってる」
「ロリじゃないやつらは少し下がってくれ」
「いや、結局ロトが好きなのはおっぱいだぞ?」
なんか、なんか、なんだろう。
この世界、来てよかったな!
「俺妹ポータブルが続くわけがない」は屈指の名作です。絶対やんなきゃ駄目!
沙織ファンはまずこのゲームによって好きになったに違いない。
あと「とらドラポータブル」ね。これも最高。アニメだけ見た人には、原作の外伝を読むのとこのポータブルだけでもやって欲しいと思うよね。
「やはりゲームでも俺の青春ラブコメは間違っている」も楽しいですよね。どうにかして戸塚と一緒に風呂に入ろうとしても入れないのよね。最近はこういうゲームが減ってて寂しい。
はがないポータブルはプレイしたけど、一緒についてきたオリジナルのギャルゲーはプレイしてないんですよねー。
涼宮ハルヒの追想は面白いけど難しすぎだと思います。
前もロウきゅーぶ! ひみつのおとしものについては熱弁してしまいましたが。
久しぶりに他愛もない後書きを書いてみました。それでは。




