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異世界メモリアル【12周目 第3話】

「待った?」

「あはは! なにその格好、ださい! かっこわる」

「……あ、ははは。だよね。実羽さんはキレイだね」

「うんうん。美女と野獣っていうか、月とスッポンっていうかね。そういう感じですね」

「あ、はい。ほんと美女だよね。今日はポニーテールなんだね、似合ってる」

「……そ、そう?」

「うん」

「へへ。ん。じゃ、行きましょうか」

「えと、アイススケートだよね」

「うんうん。早速、滑りましょう」

「うわっ、うわっ」

「うんうん。滑れないよね」

「実羽さんは上手だね」

「うん。運動能力が普通にあるから。あくまで普通くらいだけど」

「ああ、まあ、俺はね、まだまだだからね」

「うん、まだまだヒドイもんね」

「そだね。全然滑れないね」

「さ、手を引いてあげるから。ふふふ、来年はもっと上手に滑れるようになってね」

「あ、はい」


……。


「そろそろ休憩しようか。お弁当作ってきてくれた?」

「うん。これ……」

「うん、マズイマズイ!」

「……」

「すっご、これは焦げてるし、これは煮過ぎだし。素材台無しって感じですね」

「ご、ごめん」

「いいよいいよ、これからこれから。これから上手になればいいんですよ」


……。


「じゃ! 今日はたの……今度はもっと頑張ってね!」

「あ、うん。じゃね」


こうして、実羽さんのデートは終わった。


「待った?」

「待ってやった! それにしてもブサイクだな! 馬子にも衣装というが、衣装が良くても馬子は馬子って感じだな! ハハハ!」

「……あ、ははは。だよね。星乃さんはなんかすごくおしゃれしてくれたんだね」

「ん! そ、そうか!? 別に普通だけどな!」

「いくらクリスマスだからってそんなドレスで来てくれるなんて」

「ん! ハハハ! ハハハ! ソウカナ」

「ステキだなあ」

「ハハハ! ふー。では行こう!」

「えと、カラオケだよね」

「ああ! クリスマスソング縛りで採点バトルだ!」

「ほげほげ~♪」

「ハハハ! ドヘタ!」

「星乃さんの歌は心にしみるね。なんかちょっと泣きそう」

「ハハハ! そ、そうか!? ロトの歌も……いや! 下手だ、うん! 下手!」

「ああ、まあ、俺はね、芸術的なセンスがクソだから歌もクソだしね」

「下手! 音痴!」

「そうだよね」

「でもちゃんと交代に歌うぞ! 聴きたいからじゃないぞ、マナーだマナー!」

「ありがとう」

「下手だなあ! 次はデュエットしよう!」

「あ、はい」


……。


「さて、ランチタイムだな! どうだ、お弁当の出来は!?」

「うん。これだよ」

「まずそー! これこれ! いや、違った、なんだこれは! けしからん! 味もマズイ! んー、まずー!」

「……」

「ほんと、おいしくない! これで全力なのか!」

「ご、ごめん」

「死にものぐるいで料理を上達させるように! 次回も弁当よろしく!」


……。


「来年のクリスマスデートはもっといろいろ頑張れよ!」

「いや、来年のクリスマスも星乃さんと一緒というわけじゃ」

「来年はリベンジするように!」


こうして、星乃さんのデートは終わった。

そしていつもの。


「というわけなんだが、どう思う舞衣」

「めんどくさ……いや、二人ともカワイー! マジきゅんってカンジ」

「今めんどくさいやつらだって言おうとしてたよね。なんで褒めたの?」

「どっちもあーしよりは超魅力的だと思うしー」

「そ、そうかな。舞衣の方が素直で可愛いと思うけど」

「ちょ! ま! アニキってギャル萌え!? 失敗した!?」

「失敗ってなんだよ……いや、ギャルがどうとかじゃなくて、舞衣は舞衣だから」

「……そ、そういうこというなし」

「こういうところが可愛いんだよな」

「や、やめろし! マジやめろし!」


うーむ。3人とも素直じゃなさすぎる。

舞衣はこれでも可愛いからいいが、実羽さんと星乃さんはもうちょっと素直になっていいのでは?

なんであの二人のデートは同じパターンなの?

示し合わせてるの? デートのシナリオを同じ人が書いてるの?


「一応、確認しておくか」

「これだし」


【親密度】

―――――――――――――――――――――――――――――

実羽映子(じつわ えいこ)   [子供の頃に見た変身ヒロインアニメくらい好き]

星乃ほしの きらめき  [運動後のお風呂の時間くらい愛している]

―――――――――――――――――――――――――――――


好きすぎるでしょ。

どのくらい好きかっていうとわからないっちゃわからないが、かなりのもんでしょこれは。

まだ一回しかデートしてないのに、好きすぎるんですよ。

死にものぐるいでステータス上げてから何度も会わないと親密度が上がらないはずなのに、すでに高すぎるんですよ。

少なくともあんなボロクソ言う必要ないのよ。

絶対ステータスが低いうちに褒めたらダメだって思い込みすぎて、おかしくなってんだよ。


「うーん」

「どっちも親密度高いのに、なんで困った顔してんの、ウケる」

「いやー。舞衣を攻略したい気持ちだよ、ほんと」

「やめろし! マジでやめろ!」

「ちょ、激おこぷんぷん丸なんだけど。そこまで嫌がらなくても」

「ご、ごめん」

「わかったよ、舞衣は妹だもんな。大好きな妹でいいよ」

「ふん。キモ」


舞衣は自分が攻略されないようにわざと突っぱねてるんだろう。こういうことは前からあった。

ま、わざわざハードモードを選んだのは二人のどちらかを攻略するためだ。ギャル舞衣を攻略するためじゃあないからな。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 大事な分岐点だぞ 今まで回避していた重要キャラの3択になった 個人的にはリズムのラジオが無くなるのが一番辛い攻略だった
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