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異世界メモリアル【8周目 第16話】


文化祭の開催です。

いまだかつてない、大騒ぎです。

それもそうでしょう。

我が写真部には俺の撮影した、俺の理想のてんせーちゃんシリーズが展示されているのだから!

その魅惑のラインナップがこちら!


・不自然に胸元が開いているナースの姿でにっこり笑ってシビンを持っているところ

・ブルマの体操着でバランスボールに乗って激しく上下の運動中のところをローアングルで

・四角くて細めのメガネを装着し網タイツとスーツ姿で家庭教師みたいにちょっと怒ってる感じ

・幼稚園児の制服を着こなしキョトンとしたピュアな表情で上目遣いに小首をかしげているところ

・プレゼントは私だよという風に体にリボンラッピングされている露出度高めのもの

・黒のビキニタイプの服と悪魔の耳としっぽを装着して舌なめずりしているサキュバスてんせーちゃん

・もうちょっとお湯が透明だったらと思わずにいられない露天風呂のメガネなし髪アップのサービスカット


まぁ、自分で言うのもなんだが天才だな。

さっきから男子どもが、わーわーキャーキャーしてますよ。


「わー。さすがロトおに―ちゃんだねー。天才だー」

「舞衣!? 棒読みにもほどがあるし、目が死んでるよ!?」

「いやほんとにすごいとおもうよみんなよろこんでいるし」

「感情も無くしてない? 本当に大丈夫なの?」


俺の写真を見た舞衣はどうかしてしまったようです。

本当の芸術というのは人の心を奪うということでしょうか。


「舞衣どの、そんなものより吾輩の作品をご覧くださいまし」

「そんなものとはなんだよ、てんせーちゃん!」

「はっきりいって拙者のロトコレクションの方が最高でござる。ご覧あれ」


・めちゃくちゃ仲良しの親友って感じで肩を組んでいるラガーマンの二人

・男同士だけどイヤホンをひとつずつシェアして曲を聴いちゃってる二人

・夕焼けをバックに海岸でふんどしを締めて相撲を取る二人

・悪ふざけのつもりで胸板を触り合っていたが目の色が変わるロト

・義朝を壁ドンしてキリリと真面目な顔をしている攻めっ攻めの俺様スタイルのロト

・視線を交わしてみれば力強いのは義朝で真剣な眼差しに恍惚とするロト

・馬小屋の藁の上で裸で泣いている完全に襲われちゃったロトと義朝の背中


「いいかも……」

「舞衣!?」


まさか俺の写真よりてんせーちゃんの方がいいっていうのか!?

俺の絶対の味方だったのでは!?

こんなもんただの俺への屈辱ですよ。義朝はなぜかノリノリだったけど。


「この写真いただけますか? 画領さん」

「画領さん!?」


てんせーちゃんを画領さんって呼ぶ人始めてみたよ。

思わず丁寧な言葉遣いになっちゃうくらい気に入ったの!?


「ふふふのふ。わかりますか、この魅力が」

「非常に魅力的です」

「むふふ、さんきう」


がっちりと握手する二人。

嘘でしょ?

舞衣ちゃんが腐るなんて許しませんよ?


「そもそもなんで俺が馬小屋で泣いてるの? どゆこと?」


スッと目を横にそらすてんせーちゃんと舞衣。え、待って、舞衣は意味を理解しているってことなの?


「あの、私にも……」

「実羽さん!?」


おずおずと手を上げながら恥ずかしそうにてんせーちゃんに近づいている。どうして……。


「す、す、す、すまにゃいが、こ、こっちにみょ!」

「ええ!?」


なんと星乃さんも欲しがっていた。しかも異常に興奮していて言葉がカミカミだ。

どういうことなんだ、てんせーちゃんが特殊だと思っていたのに、みんな欲しがるとは。

まさかみんなが望んでいるのは俺が義朝を攻略する未来なの? 嘘でしょ?


「ロトさん」

「ん!?」


混乱の極みにいる俺の制服の袖を引っ張ったのは、来斗さんだった。

まさか来斗さんまで腐っているというのか!?


「わたしはロトさんの写真、素晴らしいと思います」

「おお!」


理解者が現れた!

さすが来斗さんだぜ。


「ロトさんのレイプしたいシチュエーションを惜しげもなくビジュアル化させるとは……その勇気に感動です」

「……」


違うけど、違うって言い切れないような気もする。

肯定も否定も出来ないとき、人は無言になります。


「しかも、てんせーちゃんの普段は見せないセクシーさが表現されている」

「んっ!」


そう!

そのとおり!

来斗さんはわかってる!

だけど今賛同するとさっきのセリフの肯定になってしまうね?


「もともとナイスバディのてんせーちゃんだけど、普段はそのキャラクターから色気がなかった。その本人のキュートさを損なわずに女性としての魅力を引き出しているのは見事といえるでしょう」

「んー!」


来斗さん!

俺は来斗さんと一晩中語りつくしたい。朝までファミレスで盛り上がりたいと思っている!


「こんな天才カメラマンに撮ってもらえるなんて……羨ましい」

「んんんー!」


最大級の賛辞!

もう死んでもいい!

しかし普段から口癖のようにレイプという言葉を口にする女の子とこんなシチュエーションで撮影することは出来ない。畜生! 家庭教師の写真は来斗さんも凄く似合うと思うのに!


「どれか私も同じような格好をしたりしたら、レイプしてくれないものでしょうか」

「……」


これ、もうしてもいいんじゃないの?

なんかもう、それが正解なんじゃないかな。仮にそれがバッドエンドだとしても、そのほうがよくない?

やらない後悔より、やって後悔じゃない?


「しかし、さすがにお二人の写真を見てわからないほど野暮でもないので……お幸せに」


俺が勇気を振り絞っている間に、意味深な言葉を残して来斗さんは去った。

男子の圧倒的支持を受けた俺の写真と、女子から妙に人気のあったてんせーちゃんの写真。それと先生たちから褒められる優等生的な仕上がりの舞衣の写真により、我が写真部は文化祭のグランプリを獲得した。


ウマ娘が面白すぎて遅筆になりました……

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― 新着の感想 ―
[良い点] まぁウマ娘が面白いのは事実だから遅れるのもしゃーないw [気になる点] どうやら今回はてんせーちゃんが転生しちゃうのか…
[良い点] 今回は何故か来斗さんが一番マトモ(と言うか一番マシ)に見えた件(笑) [気になる点] おいおい、来斗さん以外は全員腐女子属性があるだと! 勘弁しちくり〜! [一言] ここは次孔さんのパパに…
2021/02/28 19:40 にゃんこ聖拳
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