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異世界メモリアル【8周目 第12話】


2年生になりました。

特にヒロインが増えたりもせず、ゴールデンウイークもみんなとまんべんなくデートするだけ。

ホワイトデーも舞衣にお返しをしたが、喜んではくれたものの来年は他の人にあげてね、と言われた。

順風満帆ともいえるが、特に何も進展していないともいえる。

てんせーちゃんの家庭のことも結局聞き出せていない。好みのカップリングばかり知識が溜まっていく。正直いらない。


【ステータス】

―――――――――――――――――――――――――――――

文系学力 366(+255)

理系学力 475(+304)

運動能力 370(+201)

容姿   393(+197)

芸術   401(+281) アイテム+10

料理   111(-60)

―――――――――――――――――――――――――――――


料理をまったくしないかわりに、舞衣に家庭教師をしているため学力が高めとなっている。

中間試験は初めて学年一位を獲得した。

沙羅さんを攻略して料理の心得を手に入れたことは一ミリも役になっておらず、ラッキースケベは割と厄介なことになりがちだ。本当に攻略順を間違えているな、という気がしてならない。

とはいえ、誰を攻略するにしてもステータスが足りないということは無さそうだ。



【親密度】

―――――――――――――――――――――――――――――

実羽映子(じつわ えいこ    [猫喫茶くらい好き]

星乃煌(ほしの きらめき)    [今まで会った男性の中で一番愛している]

来斗述(らいと のべる)     [サブヒロイン]

画領天星(がりょう てんせい)    [ショタ×ロト]

舞衣(まい)       [舞衣は一緒に居られるだけで大丈夫だよ]

―――――――――――――――――――――――――――――


一人以外はいいだろう。

いや、正直嬉しすぎて全員攻略するハーレムルートを進めたいくらいだ。

ただ、やっぱりてんせーちゃんだけは納得いかん。

男が好きということは決して無いのだが、実はショタはちょっと嬉しい。

そりゃオッサンだの、虫だのと比べたら全然いいよね。そりゃそうだよ。

ただ俺は今までロクに意識していなかったが、この表記の×は前が攻めで後ろが受けらしい。うん、本当に別に知りたくなかったんだけど。

んで、どうやら今回俺は受けなんですね。相手がショタなのに。

なんでだよ!!

なんで競艇場のオッサンが相手だと俺が攻めで、ショタだと受けなんだよ!!

逆だろ!!

いや、逆ならいいというわけじゃないんですけどね?

でもね!?

こう、納得行かないんですよ!

むしろゴミ箱は納得。

ゴミ箱に攻められるとかおかしいから、俺が攻めだよな。

納得してんじゃねえよ、俺!!

そもそもゴミ箱だの無機物とカップリングさせるなよ!!

いや、有機物ならいいってわけじゃないけど!!!

なんでゴキブリ相手に俺が攻めなんだよ、親を殺した恨みくらいヒドイだろ!!


「はぁ、はぁ」

「どうしたの、おにーちゃん。そんな頭をかきむしってのたうち回るような親密度じゃないと思うんだけど」

「あ、ああ。ごめんごめん。そ、そうだよな」


はぁ、どうでもいいことに憤慨してしまった……。

てんせーちゃんのカップリングは、到底俺の理解に及ぶところではないんだ。

ただ、無機物よりは有機物だし。虫よりは動物、動物よりは人間。

人間の中でも、ショタはいい方。

それでいいとしよう……。


「ん? 相談のるよ?」

「いや、いい。大丈夫」


舞衣にそんな知識を教える必要は皆無。

しかし、よくわからないものほど気になるという事実。

やはり、てんせーちゃんについて表面的なことしか知らないのは、どうも落ち着かない。

カップリングの好みはどうでもいいが、やはり家族構成は聞き出すべきだろう。

こういうときは、アレだ。


「いや、ほーんと。おにーちゃんはね、しゅごいんですから」


コレだ。


「もうね、頭はいいし、運動はできるし、格好いいし、やればなんでもできる! しゅごいよぉ~」


ぺしぺし。

肩を叩かれる。なんか嬉しい。


「全部舞衣のおかげだよ」

「しょんなことないって~! 舞衣なんてじぇんじぇんだもん。勉強も大変だし~、運動だって全然駄目だし~。おにーちゃんはほーんとにしゅごいの!」


ぺしぺしぺし。

なんか嬉しそう。


「舞衣のほうが頑張ってる」

「そ、そんなことないんれしゅ! おにーちゃんはカッコイイの!」


ぺしぺしぺしぺし。

ちょっと痛い。


「舞衣は超カワイイけどな」

「え~へ~へ~」


蕩けるように、ぐでんぐでんになった。

4杯目のお酒を飲んでいる舞衣は上機嫌だ。

いつも料理を作ってもらっているから、お礼にカクテルを作らせてくれと頼むとこうなる。


「んふふ~」

「どした」

「おにーちゃん」

「うん」

「ロト」

「ん? うん」

「ロトおにーちゃん」

「おう……どうした」

「どれがいい?」

「え!?」


どうやら呼び方を変えるイベントだったらしい。

あったな、そういうやつ。カノジョの呼び方変えるために苦労したりしたな……。

俺の記憶ではロトに変わったとき、なんか一気に重くなった気がする。

しかし、せっかくのイベント発生で変えないのはなんか損した気がします。


「ロトおにーちゃん、でお願いします」

「んっふふ~。わかったよ~。ロトおにーちゃんっ」


うん。

やはり酒を飲ませるといいことが起きる。

この街では中央公園は7月から9月の間にビアガーデンになる。

ニコと一緒によく飲んだな……懐かしい……。


「あ~。他の女の子のこと考えてる~。やらしー」


やらしくない。

ともいい切れないが、そろそろ舞衣に水を飲ませよう。


「俺も、舞衣のこと呼び方変えようか? 舞衣ちゃんとか舞衣様とかマイマイとか」

「んみゅ~……」

「水飲んでくれ、水」


舞衣の呼び方は舞衣のままとなった。


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― 新着の感想 ―
[良い点] へべれけマイマイ お酒好きな女神様って酔っ払うの? [気になる点] 沙羅さんを攻略した後なのに料理値低いね! やはりここはヒラノーレミの出番だな!(笑) 攻略した後だし、沙羅さんの事も少…
2021/02/20 13:29 にゃんこ聖拳
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