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異世界メモリアル【5周目 第11話】


「いや~、お兄ちゃん、やっぱり女装が好きだよね~」

「それが学園祭の、演劇部の俺の精一杯の演技の感想なのか」

「ブスじゃなかったよ」


これ褒められてるのか?

いや、率直な意見なんだろうな。世間一般の評価もそうなのだろう。焦るんじゃない、1年目のプレイというのはそういうものなのだ。

演技そのものについても、取り立てて良くも悪くもないということだろう。今のところはそれで十分だ。


今は言わずと知れた定例であり、この世界のパートナーである妹が俺の部屋を訪ねてきていた。週に一度だけ、俺達はステータスと各ヒロイン達との親密度をチェックし、今後の作戦を話し合う。これはその前の雑談と言ったところだ。

やっぱり女装が好き、というのは今まで何度かしていることを覚えているということだ。舞衣はどうやら一周目からずっと記憶が存続していることを遠回しに教えてくれている。

前回のプレイではこうだったよね、というような露骨なアドバイスは出来ないらしく、あくまでこういう手段で「私は覚えているよ」と伝えてくるのである。嬉しい。


現在は学園祭が終わった後の定例。もうすぐ二学期の期末試験という時期であり、この世界ではそろそろどういう戦略で行くのか確定させたほうがいい時期といえるだろう。ま、平均的に上昇させるというならそれでもいいのだが、やはり早めにステータスを向上させた項目のヒロインが登場するシステムだということは五周目ともなればわかっていた。


舞衣は寒くなり始めたこの時期にふさわしい、ちょっと厚手の長袖パジャマ。セーラー服のような模様をしていてとっても可愛い。ま、可愛くないことなんかないんだけど。


「鞠さんは男装が似合うよねー」


鞠さんの男装は素敵であることは間違いないが、普通に女の子らしい服装をして欲しいと思っている。これは俺が二枚目を演じる事ができないスペックだから発生していると思われ、容姿と芸術をアップさせれば俺が男で鞠さんが女のカップル役を務めることが出来るだろう。


「やっぱり女装好きとしては男装女子も好きなの?」

「待って、俺を特殊な性癖だと思っているの?」

「そうだね、シスコンだしね」


ぐうの音も出ない。


「あとロリコンだしね」


最初に攻略したのがロリ枠だったことは否定できない。


「巨乳好きだしね」


これも否定できない。あのときの背中の感触、一生忘れないよ。

舞衣さん、なんかだんだん不機嫌になってません?

俺は着々とヒロインを攻略しているのだし、それを応援する役割ですよね?


「じゃあ、確認するよ」


事務的な対応になってしまったよ。


【ステータス】

―――――――――――――――――――――――――――――

文系学力 159(+57)

理系学力 193(+41)

運動能力 199(+28)

容姿   183(+75)

芸術   149(+101)

料理   132(+80)

―――――――――――――――――――――――――――――


「どうなの、今後は」

「そうだなー。やっぱ容姿かなー」

「ん。最近カッコいいもんね」

「え? え? もう一回言って?」

「ブサイクじゃないもんね」


もう一度カッコいいって言って欲しかったけど素直じゃない舞衣ちゃん可愛い!

ようしお兄ちゃん、容姿上げるの頑張っちゃうぞー!


そして、親密度の確認。


【親密度】

―――――――――――――――――――――――――――――

来斗述(らいとのべる)     [オカマ役]

望比都沙羅もうひと さら   [粉末ダシくらいの存在]

次孔じあな 律動りずむ   [男の娘って本気!?]

庵斗和音鞠あんとわねまり   [ずっと女装してたらいいじゃない]

画領天星(がりょうてんせい)    [ダンプカー×ロト]

―――――――――――――――――――――――――――――


相変わらずわかりずらいね。


とりあえず、オカマではないんですよ。女性役なんですよ。

粉末ダシは便利だけど、それほど好きではないんだろうね。

男の娘ではないです。

女装はもういいです。

ダンプカーに迫られたら死にます。


「いやー、お兄ちゃん、よりどりみどりだね」

「どこをどう見たらそういうポジティブな意見が出るんだ……」


舞衣ちゃんはダンプカーが大好きとかそういうことなの? 小さな男の子みたいに重機が好きなの?

粉末ダシが大好きなの? うちじゃ使ってないけど買ってこようか?


「今からだったら、誰でも狙えば落とせるでしょ」


落とせるって。なんかジゴロみたいな言い方やめてよ。


「で、どうするのお兄ちゃん。巨乳もロリも妹もいないけど」

「ちょっとちょっと、好みを聞くにしても下世話すぎませんか、舞衣さん」

「ごめんごめん、誰が一番好きなの」


ストレートに聞かれるのはそれはそれでなあ。


「まぁ、そうだなあ。来斗さんは……」

「えっちだもんね。お兄ちゃんはえっちな娘が大好きだもんね」


それも否定できないけど、肯定はしかねるなあ。妹に対して「俺はエッチな女の子が大好き!」とは言えないなあ。


「ちょっと難しい相手なので、今回は沙羅さんを……」

「ああ、ドSだもんね。お兄ちゃんはドMだから」


これも否定できないけど、肯定はしかねるなあ。妹に対して「俺はドM! 舞衣ももっといじめて!」とは言えないなあ。


「選ぶことはしなくて、やっぱりてんせーちゃん……」

「やっぱり男性同士がいいんだね!?」

「待て待て、それは違うだろ。てんせーちゃんがそういうのが好きなだけだよね」


メガネっ娘が好きなんだね、と言われるかと思ってたからそれは別にいいかなと思ってたのに!?

舞衣ちゃん、近頃ちょっと変よ? どうしたのかな?



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