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異世界メモリアル【4周目 第20話】


3年生になった俺はようやく気づく。


ただステータスを上げて、プレゼントを渡して、一緒に部活を頑張っても駄目だと。

デートしないと駄目じゃん! そりゃ親密度が上がりきりませんよ。

パワフルな野球ゲームじゃないんだから部活だけやっててどうすんだって話ですよ。

1周目みたいに真面目にギャルゲーに取り組まないといけないね。


はてさて、彼女はどんなデートならオーケーしてくれるのだろう。


本日も体育館の床に豊かな胸を押し当てる行為……世の中ではストレッチと呼ぶようだが、それを見ながら考える。しかし、この世界では断られたからといって日曜日の行動一日分を損するわけでもないのだから、誘いまくったら良いような気がするね。むしろ無理っぽいところから攻めていきたいね。


「トラはさ」

「ん? なんだ」


ストレッチ……俺には胸で太腿を挟んでいる行為にしか見えないが……を続けながら目だけをこちらに向ける。


「プラネタリウムとか行く?」


インドアで乙女チックで体を動かさないという、いかにもエヌジーなところを聞いてみる。

正直、すぐに寝てしまうような気がする。


「嫌いじゃないな」


意外!?


「理由を聞いても?」

「ほら、小宇宙(コスモ)を感じると強くなれるし」


なんと!?

セブンセンシズに目覚めていた!?

強さを考えるとありえる!

しかし、人工的な光が作った宇宙を見て小宇宙(コスモ)を感じることなんて出来るのか?


まあ、いいや。とりあえずデートスポットの候補にはなるということだ。

他にも聞いておこう。


「パチンコなんてどう?」


これはないだろう。自分で聞いておいてなんだが。

そんな暇があったらスクワットしてた方がマシだと思っているに違いない。


「嫌いじゃないな」


意外だ!?


「どの辺が好きなの」

「軍艦マーチ聞いてるとテンションが上がる」


ほえ~。

軍艦マーチが流れてるパチンコパーラーって今どきあるんですかね!?

そういえば、たけしの挑戦状で出てきた気がしますが。


「ダーツは?」


インドアだけどゲーム性のある娯楽だ。ちょっと大人っぽいので、いい雰囲気になる。


「あれは好かん」

「なんでさ」

「暗殺は卑怯だ」


暗殺!

ダーツは暗殺の練習だったのか。

手裏剣みたいな認識だね。


しかし真姫ちゃんの事、もう結構一緒にいるのに全然分かってなかったな。

いっそ彼女に聞いてしまうというのはどうだろう。


「あのさ、今度デートするとしたら何処行きたい?」

「は? デート?」

「そう」

「誰と」

「俺と」

「誰が」

「真姫ちゃん」

「ま、真姫ちゃん!?」


おっと、ついトラじゃなくて真姫ちゃんと呼んでしまった。

まぁ、もういいだろ。

こちとら親密度チェックで俺のことをやぶさかではなく思ってることはわかってんだ。

3年生になっちゃった以上はガンガン攻めないと攻略できないぜ。


「真姫ちゃん、俺とデートしてください」

「はああ!? 突然どうしたんだお前!?」


準備運動を止めて、目を見開く真姫ちゃん。

あー、突然のことだという認識なのだな。

それも仕方がないだろう、ひたすら部活コマンドしかしてなかったのだ。


「大体、あたしみたいなの、女としてみてないだろ」

「いやいや、ずーっと女の子としてしかみてないぞ」

「う、嘘だろ」


いや、なんというかむしろあんだけガン見してて怒られないのかと思うくらいなんだが。

鈍感なお人だな。

まぁ、考えてみれば1周目のときもそうだったが。


「こんな女らしくないやつとデートしたいのかよ」

「いや、凄く女の子らしいよ」


特に胸が。


「もっと可愛い女の子がいるだろ」

「真姫ちゃんは可愛いよ」


特に今、顔を真っ赤にして、もじもじしているところが。

1周目では、それほど親密度が高くない頃にデートに誘ったからあっけらかんとしたものだったが。


「大体、今更何を言っているのさ。俺はホワイトデーで」

「わわわわ! 言うな! その時のことは言うな!」


両手で顔を抑えて、しゃがみこんでしまった。

恥ずかしいのは俺の方だと思うのだが。


「わかった、わかった。デ、デートな。そ、そうだなー。植物園とか」


意外!?

そもそもマニアックだぞ植物園って。ときメモでしか出てこないデートスポットと言ってもいいぜ。

食虫植物がハエを食べるところが好きとか!?

真姫ちゃんは顔だけを上げて、何かを思い出しているような顔で、


「4月は……春の花たちがとっても綺麗なんだ。桜はもちろんだけど、パンジーやチューリップが咲いているし、シャクナゲが見ごろのはず。バラはこれからだけど、咲く前のつぼみもそれはそれで魅力的だと思う……」


なんと……。

目をキラキラさせて花の話をしている真姫ちゃん可愛すぎない……?!

俺が口をぽかんと開けて見惚れていると、目線に気づいた彼女はすぐに下を向いた。


「なんだよ、柄じゃないのはわかってんよ」

「いやいやいや、もう惚れ直した」

「ほ、惚れ直すって……」

「可愛い、可愛いよ、真姫ちゃん」

「や、やめろ……そういう事言うな……」


照れすぎてしゃがみこんだまま、髪をぐっしゃぐしゃに掻き乱している。


植物園で行われた真姫ちゃんとの初デートは非常にうまくいき、ランチは彼女が持ってきたサンドイッチを食べ、お土産に押し花を使ったフォトフレームを選んでいた。今日撮った写真を入れるということだ。


どうやら真姫ちゃんは、俺が思っているよりも遥かに乙女であることが判明した。




トモちゃんは女の子!っていうWEB漫画を最近見たのですが、結構真姫ちゃんな感じでした。トモちゃん可愛いからオススメです。

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