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異世界メモリアル【4周目 第4話】

「寅野さん、まじ、すげー、っすね」

「なんだロト、寅野さんって。トラでいいぞ」


俺たちは武道館の隅で筋トレをしていた。

俺が腕立て伏せを5回する間に、30回くらいこなしている。

しかも手のひらではなく、親指だけでだ。

しかし、俺がすげー、と思ったのはそこではない。


腕立て伏せというのは通常、地面に顎をつけることで1回とするのだが、彼女はそれが出来ない。

胸が大きすぎて、地面を跳ね返してしまうのである。

はっきりいって”腕立て伏せ”というよりも、”床おっぱい押し当て”をやってるように見える。

腕を伸ばしきったときにようやく地面を離れ、すぐにそれが床に押し当てられ、柔らかくつぶされていく。限界を迎えて、弾むように跳ね返る。その繰り返しがものすごいスピードで行われているのだ。圧巻の一言!

惜しむらくは隣でやっているから、真正面から見れないことだ。しかし、横からチラ見するだけでも十分すごいです! 空手着を着用していても、大きすぎて形がほとんど丸見えです!


しかし、この練習風景を独り占めできるというのは役得だな。

この武道館では今、剣道部や新体操部も練習をしてはいるが、遠くから見えるだけだろう。

ストリートファイト部は基本兼部の部活で、先輩達は普段別の部活に参加している。柔道部や空手部、アメフトなどだ。

真姫ちゃんは逆で、ストリートファイト部を創設して部長となり、他の部活の大会に応援で駆けつけるというスタンスらしい。1周目のときは普通に柔道部と剣道部と弓道部の部員だったはずだ。

俺は純粋にストリートファイト部だけに所属している唯一の部員となったわけだ。ちなみに練習にはとてもついていけない。運動能力を向上させるためにやっているわけなので、それで良いのだが……。


「200っと。次はスクワットだな」


俺も限界だ。現状では30回程度。なに、1年生の1学期だ、焦ることはない。

と思ったがすぐに俺は焦りまくっていた。

真姫ちゃんがスクワットするたびに、胸がばいんばいん弾みすぎているからだ! 空手着の中はどうなっているの!?


「ちょ、ちょっとまきちゃ……じゃないトラ! ブ、ブラジャーは?」

「ん? つけてないぞ?」

「駄目でしょ!?」


え!? その状態で床に押し付けまくってたの!? んも~女子ちゃんと注意してよね!? って俺以外に部員が居ないけど!

えっ、じゃあ俺が言うの……?


「だって邪魔だし。しかも、すぐに入らなくなるし」


まだ大きくなり続けているんですね……そうだよな、2年になるともっと大きいものね。真姫ちゃんのおっぱいはビッグバンなのかな?


「別に問題ないだろ?」


問題ないの? 本当? マジ?

困惑の表情を見せると、真姫ちゃんは胸をばいんばいんさせながら、問う。


「お前に迷惑かけてるか?」

「いやっ、迷惑なんてとんでもない」

「ん。じゃあいいじゃん」


いいの!? 本当? マジ?

強いて言えば、真姫ちゃんのスクワットを見ていると俺がとある事情でスクワット出来ないところが問題なんですけど、それは言えないです!


「次は腹筋だな。足を抑えててくれ」

「あ、うん」


おっぱいがー、眼の前までズームして近づいてくるー。

遠ざかるー。

眼の前まで近づいてくるー。

遠ざかるー。


なにこれ?! 3D映画ですか? 大迫力すぎるんですけど? 全米が放っておかないよ? 

この映画は10分間、上映された。早くも俺の中でリバイバル上映希望です。


「じゃあ、交代だな」


そう言うと、今度は俺の足を両手で掴む。

ふむ? なにやら脛が温かい。そして柔らかい。ちょっとざらざらしているけど。

まるで空手着越しにおっぱいが当たっているかのようだな。

――それだよ! ビンゴだよ! 脛に完全に当たってるし包まれているよ!

弁慶の泣き所とも言うがこの巨乳で挟まれたら、弁慶も思わずにやけるだろうね。

腹筋は昨日までの回数の倍となる100回に到達した。

筋トレは気持ちの強さがモノを言う!

もう少しこのままで居たいという気持ちの強さです!


「次、外行くぞー」


あぁ、そっか。もうアウトドアですか。

流石に外ではこういう展開は厳しいだろう。

若干テンションを下げつつ、靴を履いて着いて行く。


「足腰を鍛えるために、おんぶして階段を登るぞ」


そう言ってしゃがむ真姫ちゃん。

女の子におんぶされるというシチュエーションの異常さに戸惑う俺。

思春期の男性は色々な妄想を繰り広げるものだが、おんぶされたいという願望はあまり持ったことがないだろう。俺もです。


「早く乗れ」


しゃがんだまま、ぴょこぴょこと背中を弾ませて急かす。

いくら強い格闘家とはいえ、小さな背中なので戸惑うが、おずおずと彼女の背中に乗っかった。

ひょいと。

それはもう軽々と背負われる。

重さなど感じてるように思えないくらいスムーズに階段を登る、登る。

ほんとすげーよ、真姫ちゃん。


登って下りてくると、次は俺がおぶる番だ。

ふむ。俺が彼女をおんぶする。なんとなく良い予感がするね?

小柄な真姫ちゃんはおんぶするくらいなら重くはない。

持ち上げると、背中全体におっぱいが!? 肩にも!? やっぱりそうなりますよね!?

当たってるとかいう次元じゃないよ。これでもかと押し付けられているよ。

ほんとすげーよ、真姫ちゃん。


下半身がどれだけ疲れても、上半身が回復していくので階段は何度でも往復可能です!

そんな感じでストリートファイト部の練習のモチベーションはすこぶる高く、俺は毎日参加した。

運動能力がメキメキ上がっていく実感がございます。


もう真姫ちゃん以外なら負ける気がしない。

そう思った矢先。

ランドセルを背負ったツインテールの女の子が、胸にいっぱい詰め物をしているところを目撃した。

俺は全力で逃げた。勝てる気がしない。っていうか怖い。


この小説を読んでギャルゲーがやりたくなった、なんて嬉しい感想をいただきました。筆者はいまだにPSPが現役で稼働しております。ときメモ4は本当に面白いからオススメですよ?

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