疑問9.誰の言葉が真実なのか
「もう、遅い!何してたのよ!」
ずっと待たされていた少女は、帰ってきたふたりが車に乗り込むなり一言。ごめんねとしか言いようがない。それに、謝るべきことはもうひとつあるのだ。
「二、ここまで待たせてごめん。それともうひとつ……事件だ」
「えぇっ!?さっきの一時間は!?」
「さっきの事件は終わっても、また発生されたんだ」
唖然とする二。無理もないだろう、ここでちゃんと待ったら水族館に行けるんだと思って待っていたのだろうから。それをまたお預けされるのは、普通の小学生なら怒っていたはず。
「……仕方ないわね。犯人をとっちめるのが先決よ。で、犯人の目星は?ってか事件って?」
同行していなかったため、何も知らない彼女。みくさが座席を移動して、道を引き返しながら説明がなされることになった。千智が無言で車を走らせ、住宅街の車がほぼ通らないだろう道を進んでいく。
「まず今回の事件はね……『球電』の仕業なの。」
「前戦った、イオノかしら?」
「うん、その彼女がね……殺されたの」
「……!?まって、今回の事件の犯人が殺されたから追ってるってこと?」
「そうなるかな」
とりあえずそこまでは納得したらしい。ふぅんと息をついて、すぐに次の質問が飛んでいく。
「で、イオノを殺したのは?」
「八雲なつめって奴」
「!」
二の表情が一変する。一瞬の驚いた顔から、どこか重苦しいようなものに変わって、みくさは続きをちょっと躊躇った。
「……え、ええと。そいつはイオノを殺し、謎の種を回収したの」
「それが目的ね」
そこまで説明されると。みくさも二も、言いたいことがあるように息を吸った。けれど、今言うべきではないと思ったのか。ふたりとも、口には出さずに止めてしまったのであった。
◇
探偵事務所まで戻ってくると、いつもと違う点がひとつ。
事務所の前に、小さめの人影がある。ふだん来客などほぼなく足で稼ぐ千智たちにとって、事務所にいきなりやってくるというのは珍しかった。
ただ、今はなつめのことを追わなければならない。車を止めると、千智はそれを伝えに人影の元へ近寄っていく。それから数歩遅れて、残る後部座席からもふたりが降りる。
「……えーと、依頼主の方、ですか?」
人影の正体である少女が、そうといえばそうかしら?と、微妙な反応を返す。どういう事情があるのやら。とりあえずこちら側についても話さなければ。
「申し訳ないのですが、ただいま別件で調査が……」
「……みくさちゃん。また会ったわね」
なんと少女は、千智をスルーしてみくさに話しかけはじめた。サイズ的に見れば二の学校の友人かと思ったが、高校生でもこのくらいの人はいるのかもしれない。
「ラムネルさん?」
「えぇ、ラムネルよ。少し用があるわ」
「待ってくれ。キミは何者なんだい?」
ラムネルから伸びた手に被せるように腕を出して割り込む千智。しょうがないわね、と手を下ろしたラムネルが、自分の無い胸に手を当てる。
「ラムネル・シャルベリエよ。名刺はこれ」
胸ポケットから小さな紙が出てきて、千智のほうに差し出される。そこには『ヴォイニックス・ライターズ』という文字があって、千智は思わず身構えた。
「キミは……!」
「あ、待って千智。ラムネルさんは私を助けてくれたの」
「……助けた?」
みくさが言うなら仕方ない、といったふうに警戒をややゆるめる千智。ラムネルのほうに視線を戻すと、態度からして嘘はついていないように見える。
「そ。公園で怪物に出会したとき、ぶっ倒れてたから拾ったのよ」
「そういえば、親切にしてくれたって言ってたっけ」
「ま、それよりもよ。みくさちゃん、貴女はなつめに狙われてるのよね」
本題に切り替えようとするラムネル。なつめの話である……ということなら、あながち別件ではないのだろう。
「たぶん……あのあと一度、襲われましたから」
「じゃあいいわね。早速問題に移りましょうか」
さらりと話を進められる。二も千智も黙って話を聞いているが、ラムネルの話にはついていけているのか。
そして、その問題というのは。
「私に協力してくれないかしら?」
問題というか、本題というか。普通に質問だった。それでも千智はすこし驚いて、彼女に聞き返した。
「ヴォイニックスの仲間じゃないのかい?」
「……そのはず、なのだけれど。彼の様子がおかしいのよ」
話によると、なつめは近頃、地下室にばかり籠っており何をしているのやら誰も把握していないそうだ。代表者のティアラも余計な詮索はしない人物だという。
「調査と……できれば、彼を救ってあげてほしいの」
「構わないけれど、キミの方が近いんじゃないか?」
「私じゃ駄目ね。警戒されちゃってるもの」
イオノの件でちょっと、と話す彼女。イオノの名を聞いて、みくさは目の前で起こった惨劇を思い出してしまった。
「イオノ、さんって」
「……彼女の行方を知ってるのなら、ぜひお聞かせ願えるかしら。そのことも言おうとしていたから」
「彼女は……」
彼女に告げていいのか。すこし迷ってしまった。自分よりも小さな少女に、残酷な現実を突きつけるのはどうなのだろう。自分のようになってしまわないだろうか?
けれど。彼女の瞳は、きっと受け止めてくれるだろうと思えた。
「先程、八雲なつめに殺されました」
「なっ……!」
流石に驚きの色を隠せないラムネル。仕方がないことだろうが、すぐに動揺を押し込めて態度を変えまいとする。
話を戻すべきだと思ったのか、千智がすっとみくさの前に出る。
「ボク達はその件で彼を追うつもりだよ、だからキミに協力できる。けれど、まだ信用はしきれない」
イオノのことへの反応から、ラムネルが嘘をついていないと判断してもおかしくはない。だからといって、軽率な信用はいけないのも事実だ。それに、彼女は相手陣営の人間と考えることもできる。
「その程度なら構わないわ」
きりきり、きり。
ラムネルの小さな手が出されると、どこからか古ぼけた歯車が回るような音がする。その直後、彼女の指先には明らかな変化があった。
「占星術による五行の軽い使役と、空を見て時間やらを把握する能力。謎の種は『アンティキティラの器械』よ」
彼女の能力はすんなりと明かされて、千智が頷いた。自分が出した条件を彼女が呑んだのだ。協力の話にはOKを出し、黒い手袋に包まれた右手を差し出す。
「ありがとう、えぇと……名前は?」
「石狩千智。探偵さ」
「よろしくね、千智」
ラムネルが千智の手をとって、少女と少年は握手を交わす。なつめの件だけとはいえ、千智本人とここにいるみくさに二、他にはいずみくらいしか協力者はいない。ラムネルの申し出は心強いものだった。
「明日の朝にでも連絡するわね。じゃ、また!」
◇
笑顔で三人と別れたラムネル・シャルベリエ。しかしその笑顔の裏、胸のうちには渦巻いているものがあった。
イオノが死んだ、と。特に深い関わりがなくとも、彼女とは寝食を共にした仲間である。それはもちろんなつめにだって同じことで。
理解ができなかった。ほんとうに殺していたとして、その目的は?
「……考えても仕方ないわ。直接聞きましょう」
地下室へ踏み入る決意。いつかの公園を通りすぎて、見馴れたような家路が続いている。
◇
自宅__ヴォイニックス・ライターズに到着するまで、時間はあまりかからなかった。玄関を潜り抜け、居間でスウィーネが寝転がって何やらゲーム画面をつついているのを見てためいきをつく。
「……スウィーネ、ただいま」
「んー。」
「ヒマそうなのね」
「まぁねー、謎探しがラムネル担当になったもん」
顔は画面に向いたまま、手も動いたままのスウィーネ。仲間だとしても失礼極まりない態度だが、彼女は道徳というものがほぼ無いとラムネルにもわかっているので、そこには突っ込まない。むしろ、仕事がないと彼女が拗ねていることに申し訳なくなる方だった。
「別に、変な気を起こさなければ続けてもいいと思うのよね」
「何それ。私が普段から変な気起こしてばっかりみたいじゃん」
不服そうな彼女。ラムネルは失笑するしかなかった。わりと本当に、彼女では問題を起こすだろうと思うのだ。むしろなぜすこし前まで彼女が担当していたのか不思議なくらい。
「まぁ、ティアラの決定だもの。仕方ないわ」
自室に戻っても特にすることはないので、スウィーネの向かいの椅子に座る。夕食までは時間があるから、今日くらいはゆっくりしていたい。
スウィーネが集中しているからか静かになると、台所からする女性の声が耳に入る。どうやら、もう一人は珍しく自室に籠っているのではないらしい。
「スウィーネ、出来たわよ!」
なかなかのドヤ顔で、台所からトレイに作ったものを乗せた、ピンクの可愛らしいエプロン姿のティアラが現れる。どうやら、お菓子を作っていたようだ。
「あら、おかえりラムネル。」
「ただいま。何してたの?」
「ちょっと、挑戦してたのよ!」
トレイを自信まんまんで見せるティアラ。甘い、いい匂いがラムネルの鼻をくすぐって、目を丸くする。ティアラがお菓子を作れたとは。そう思って、視線をその甘い匂いを放つもとにやると。
「……うっわなによそれ、暗黒物質?」
「えっ、ち、違うわよ!クッキー!」
ティアラお手製らしいお菓子……それは、とても黒かった。どう見ても真っ黒だ。
「どうしたらこんなの錬成できるの?」
「おかしいわ……なつめくんのやってたとおりにやったのに……」
「……とりあえずひとつもらうわね」
ぱく。
その真っ黒なクッキー(?)を口に放り込むと、先程から感じている甘い香りがまず広がった。ふんわりとした卵の味わいと、やさしい甘味がラムネルを癒すようにじんわりと染み込む。
「どう?おいしい?」
「えぇ、おいし……」
いつの間にか、その癒しの中には不純物が混じり始めていた。脳裏に浮かぶのは、丸い図形の中に渦を巻くような線が張り巡らされ、花のようなものがいくつも散りばめられた不思議なイメージ。
その瞬間、ラムネルはなにか宇宙まで打ち上げられたような感覚に陥った。
「私は……かもめ……」
「ら、ラムネル__!?」
「こわっ、私はエンリョしとこ」
放心状態になってしまった彼女に焦るティアラ、それを見てくすくす笑うスウィーネ。ラムネルはこのあと数十分後に正気に戻るのだが、そのあいだの記憶を失っている状態で、ティアラ製の黒い劇薬は本人も試すのをやめておこうと決心する出来となっているのだった。
◇
やっと少女が元に戻り、そっと劇薬が棚の奥へと封印されたあと。地下室の重い鉄の扉が開き、そして閉められる音がした。階段を上がるその足音は、ここに住む少年のもの。
「あら、なつめくん。帰ってたのね」
「……はい。」
「どうしたの?浮かない表情だけれど。」
優しく接するティアラ。彼は口ごもるような反応で、いかにも何かがあったふうだ。ラムネルはすこし身構える。一方で、スウィーネは興味なしでつまらなさそうにしているが。
「残念な、報告があります」
なつめが口を開いた。その言葉で警戒心は強くなり、優しさの中には驚きが入ってくる。
「イオノさんが……殺されました」
目の前にいるふたりの目が丸くなる。しかし、その意味は異なっていた。ティアラは素直な驚きだが、ラムネルはここでそれを言うの、といったものだ。
また、後者はイオノの件がなつめによる仕業だとみくさに聞いたのだ。彼女たちがそんな嘘をついたところで、きっとメリットはないだろうし、ラムネルは彼女を信じたかった。
「殺した相手は、わかっています。僕も狙われ精一杯逃げてきたのですが」
「……誰なの?それは」
静かに問うティアラ。なつめの顔はそのままの悲しそうなものながら、待ってましたという感情が少女には見える気がした。
「旭川みくさ。この前ラムネルさんが連れてきた方ですよ」
突然、真剣な雰囲気の居間に机を叩く音が一瞬響く。となりの興味がなさそうにしていた女性がびっくりして、びくっとなったらしい。だが、叩いた張本人は気づかずに続けて叫ぶ。
「ふざけないで」
ラムネルの顔が、なつめにぐっと近付いた。彼の言っていることに腹が立ち、思わずやってしまったのだ。
「どうして嘘をつくのよ」
「なぜ僕が嘘をついていると思うのです」
「みくさに聞いたわ、犯人はあなただそうじゃない!」
「僕より部外者を信じるのですか?」
「あなたねぇ……ッ!」
ぎり、と歯が鳴って。ふたりは至近距離で睨みあった。譲る気配はなく、間にティアラの手が入れられるまでじっとその状態が続いていた。
「喧嘩は駄目よ」
彼女の制止で仕方なくラムネルが引き、なつめも一歩下がる。
「何があったのか、何を聞いたのかは後程別々に聞くわ。いい?」
ティアラの言うことならば……とふたり共頷き、殺伐とした雰囲気のままではあるが離れた位置に座ってなんとか場は収まる。
「よし。じゃあ晩御飯作るから、ちょっと待ってて頂戴ね!」
いつもの調子に戻って、ピンクのエプロンの紐を後ろで結び直しはじめる。
そういう無駄なことをして想定外に時間がかかって、なかなか夕食を作りに行けないティアラの姿に、ほか三人はちょっぴり笑っていた。
◇
夕食のカレーを食べ終わった皆が自室へ戻っていったあと。当番であった皿洗いを軽く済ませて、決心した通りラムネルは地下室への入り口に赴いていた。
見るからに重い扉に揺らぎそうになる。相手は得体の知れない少年なのだ。15歳ほども年下だが、当然彼も謎の種を持っているのだから、なめてかかってはいけないのは理解している。
一度深呼吸をして、彼にぶつけるための問題を脳内で反復する。目を閉じて。思い返されるのは、特に思い出もないが思い入れのあるイオノの姿だった。彼女のためにも、そして皆のためでもある。
自分に言い聞かせ終わり、彼女の碧眼が再び目の前の隔たりを見据える。差し出された細腕は、持ちうる全力でそれを押し開けた。
決意の先に待っていたのは、牢獄であった。
暗いために見えにくいが、まず目につくのは壁紙もなにもないただのコンクリートの壁にいくつも掛けられた拷問器具の数々だ。何に使うかはラムネルにも解らないが、その冒涜的な形状は彼女を不快にした。
不快な気分の理由は臭気にもある。生理的に嫌悪感のある、体液の臭い。その中に平然と、ベッドらしき家具に腰かけて少年がラムネルを見ている。
「おや、まさかここにお客様とは」
「来た理由、わかるわよね」
「もちろん。あんなに不満そうでしたね?」
煽るように口元を歪ませる彼。このまま全力で疾走して殴りかかりそうな気持ちを抑え、質問で続ける。
「……どうして、イオノを殺したの」
「ふふっ、何を言っているのです。僕は襲われたんですよ?旭川みくさに」
ラムネルは、黙りこくってしまった。思えばみくさが告げたのはなつめに殺されたということだけ。経緯は知らないのだ。
どうしてみくさが居合わせたところで、なつめがイオノを殺すのか。
どうしてみくさがなつめの犯行だと言う必要があるのか。
思考の歯車が噛み合わず、脳内で真偽のわからないことが渦を巻く。
「はぁ。何も言えないのなら帰っていただけますか?」
彼の言葉ももっともだろう。こんな場所に常駐しているからといって全てが悪い人間にはならない。
だけれど。だれが嘘をついているのか、わからないけど。
「でも……あの子はきっと、嘘をついていないわ!」
ラムネル・シャルベリエは、信ずる者に旭川みくさを選んだ。
きり、きりり。
どこかで歯車がまわる音がする。いや、本当にまわっている。精密に答えを導き、指し示す歯車が。
「木生火」
ぴしっと伸ばしたひとさし指を向けた先は、なつめの驚く顔。指令を受けて打ち出されるのは、火のついた枝。標的へ向かう最中に火は燃え広がり、彼の眼前に迫るまでにはすべて火球に呑み込まれているだろう。
「残念です、本当に」
火球は標的まで届かなかった。なつめの目の前で、なにかに掻き消されたように炎は散った。
今度指を差したのはなつめの方だった。火球が消されたことに驚く彼女を差して、彼もまた指令を出すのだ。
今度は歯車の音ではなく、見えない力が作用した。
「……っ!?」
突如ラムネルの両腕が縛られてしまったように頭上で止められる。ふらついたところに更なる力が押し寄せ、生理的な嫌悪感のいくつも掛けられた壁まで飛ばされてしまった。手首と足首のあたりで壁へ打ち付けられ、拘束などないように見えるのに動けない。
「何をしたの……!」
「僕の能力ですよ。謎の種の利点は、不明な場所に好き勝手代入できることです」
一歩一歩、少年は距離を詰めてくる。言い様のない恐怖に背筋が凍る。今何をされているのか、これから何をするかもわからないのだ。
「さて、一度味わってからにしましょうか?」
したなめずりをして、また舐め回すような視線でラムネルの成熟しているように見えぬ身体を眺めるなつめ。見られている側は、今のうちに脱出できないかと『アンティキティラの器械』を作動させ金行の行使で現れる斧を召喚したが、それは容易く弾き飛ばされてしまうのだった。
「あなたの謎も歯が立ちませんね?」
「ぅ……い、いや……!」
気色の悪い視線に晒されて、徐々に絶望が見えはじめた。
そんなとき、薄暗かったラムネルの視界には、地上の輝きが映り込んだ。
誰かが、扉を開けたのだ。
「あ……た、助けて!」
誰かもわからぬ地上の明かりへ助けを乞うことに恥ずかしさは感じなかった。助けてもらえなければ、このまま彼の好き勝手にされるのだ。一時の恥と未知の恐怖ならば、未知の恐怖は天秤の皿を置いた机につかせるほど差があった。
その扉を開けた誰かがなつめの謎を破り、自らをこの拘束から解き放つ。ラムネルが期待するのはその結果。
「ですって、どうします?」
だけど。
「ん?あぁ、続けてよ」
「……え?」
やって来た者__スウィーネ・レッドロードは、全くそのような情は持ち合わせていない。
「ま、って。スウィーネ。たすけ、て。だって、いままで、いっしょに」
「それはどっちも一緒でしょ?だったら……仲間を裏切り者だと疑う奴の方が切り捨てられるよね」
「そん、な……!」
「といっても、私はラムネルが堕ちるの面白そうだから見に来ただけ。ほら、はやくやってあげな?」
スウィーネに促されて、少年の手はラムネルの腰あたりに伸びる。錆色の巻きスカートの横についている留め具が外されて、ぱさりと床に落ちた。
にやにやするなつめと観客。対して、だめだとかいやだだとか喚き続ける少女。泣きそうな声を絞り出すことと身体をくねらせるということだけが残った抵抗手段であり、その抵抗はどちらも意味をほぼ成さない。
お次は巻きスカートの一枚下、白い布。同じく手がかけられて。
__地下室には、しばらくラムネルの絶叫だけが響き渡っているのだった。




