第5話 次のライブ参戦決定!でも、服がない!?
和歌山の田舎から飛び出した水木菜奈(16)。
次のライブに誘われた。
「行きたい……でも、服がない!?」
ライブ初心者のファッション迷子。
1.2回目のライブ、行くかどうか?
⇒「次のライブ行かん?」
開催日は2週間後、大阪・梅田。
(どうしよう……でも、行きたい気もする……。)
前回は勢いで決めたけど、今回はちょっと冷静になってしまう。
でも、メッセージの最後の一文——
⇒「次はもっと前の方で楽しも!」
それを見た瞬間、心の中がザワっと熱を帯びた。
(……うん、行きたい。)
指が自然と動いて、「行く!!」と返信する。
すぐに
⇒「よっしゃ!チケット取るな!」
と返事が来て、菜奈はスマホを持つ手にぎゅっと力を入れた。
(前より迷いがない……。)
たった一回ライブに行っただけなのに、こんなにも気持ちが変わるなんて。
ちょっと驚きながらも、じわじわとワクワクが広がっていく。
……ただ、このとき、まだ重大な問題に気づいていなかった。
2.服がない!?
数日後。
学校から帰ってクローゼットを開けた瞬間、菜奈は絶句した。
「……ヤバい。」
ライブに着て行く服が、ない。
前回は、たまたま通販の間違いで手に入れたセットアップがあった。
でも、さすがに同じ服をまた着ていくのは気が引ける。
(また同じ服やと、「あの子いつも同じ服やな」って思われるんちゃう?)
そもそも、おしゃれに興味がなかったから、持っている服は制服、ジャージ、Tシャツ、デニム……。
ライブ向けの「ちょっとカッコいい服」なんて、一着もない。
(ライブっぽい服って、どうやって選べばいいん……!?)
3.初めての服選び!でも、大混乱!?
(とりあえず、ネットで調べてみるか。)
スマホで「ライブ服オシャレ」と検索。
すると——
≫「ライブコーデ特集!」
≫「最強ライブ服ランキング!」
≫「失敗しないライブファッション!」
(おお……!これを見れば、わかるんちゃう!?)
期待しながら開いてみる。
≫「ロック系なら黒コーデ!レザーを取り入れて!」
≫「K-POPライブならカラフルなスポーティコーデ!」
≫「バンド系なら、Tシャツ×デニムが定番!」
(……情報、多すぎる。)
さらに——
≫「ストリート系ならオーバーサイズ!」
(オーバーサイズ……サイズ間違えて買えってこと!?)
≫「モード系で大人っぽく!」
(モード!?それ、何モード!?)
≫「韓国っぽカジュアルでこなれ感を!」
(韓国っぽって何!?こなれ感ってどうやったら出せるん!?)
カタカナの洪水に飲まれ、菜奈はスマホをそっと閉じた。
(もう無理や……!)
4.クラスの女子に相談してみる?
翌日。
昼休みになっても、「何を着ればいいか問題」で頭がいっぱいだった。
ふと教室を見渡すと、目に入ったのは、オシャレな服を着ている印象のある木村さん。
(あの子なら、ファッション詳しいんちゃうかな……。)
(でも、あんまり話したことないし...)
(いや、でも、ここで聞かな何も進まんし……!)
思い切って、机の前に立った。
「あ、あの……木村さん?」
「ん?何?」
「えっと……うち、今度ライブ行くんやけど、オシャレな服が全然分からんくて……。」
すると、木村さんの目がキラッと光った。
「えっ、ライブ行くん!?どんな感じのライブ?」
「バンド系で……カッコいい感じのやつ。」
「うわ、それめっちゃええやん!服選ぶの手伝おか?」
(えっ!?そんなあっさりOKしてくれるん!?)
拍子抜けするほどの快諾。
「じゃあ、放課後、ちょっとショッピング行こ!うちも服見たいし!」
(しょ、ショッピング!?そんなん初めてや……!)
でも、ここで引き下がるわけにはいかない。
「お、おねがいします!!」
こうして、菜奈は人生初の「ライブ服ショッピング」に行くことになった。
5.ショッピングの洗礼
放課後、和歌山市内のショッピングモール。
店がずらりと並ぶ通りを歩きながら、菜奈は完全に圧倒されていた。
(うわぁ……服屋って、こんなにいっぱいあるんか……!)
これまで服を買うといえば、家族と一緒にスーパーの衣料品売り場。
こういうちゃんとしたファッション専門店に入るのは、ほぼ初めてだった。
「さ、まずはTシャツとかから見よか!」
木村さんは慣れた様子で店に入る。
「これとかどう?バンドTシャツっぽいやつ!」
「え、えっと……(高っ!!)」
タグを見ると、Tシャツ1枚で5,500円。
(Tシャツって、普通2,000円くらいちゃうん!?)
「サイズはLでもいいかもね。オーバーサイズでゆるっと着るのが今っぽいし!」
(やっぱりオーバーサイズって、サイズ間違えてええってことなん!?)
頭が混乱しながらも、木村さんのアドバイスを頼りに、何とか服を選んでいく。
(うわぁ……服買うだけでこんな疲れるんや……!)
6.そして、次のライブへ……!
帰りの電車の中。
(……なんか、楽しかったかも。)
服を買うのは難しかったけど、少しだけ新しい世界が広がった気がする。
(次のライブ、楽しみやな……!)
ワクワクしながら、菜奈は窓の外を見つめた。
次のライブでは、また一歩、新しい自分になれるかもしれない。
この作品は「カクヨム」でも掲載中!
▶ カクヨム掲載ページはこちら(https://kakuyomu.jp/works/16818622170337121432)




