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菜奈のライブ遠征物語  作者: クロクマせんぱい
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第4話 正体バレ!?学校での噂と新たな一歩

和歌山の田舎から飛び出した水木菜奈(16)。

都会デビュー、ライブハウスの洗礼。

そして翌日——

SNSで晒された!?

「え、うち、バレてる!?」

1. 余韻が抜けない帰り道


ライブが終わり、真理奈と一緒に会場を出た。

夜の難波の空気はまだ熱を帯びていて、耳にはドラムの残響がこびりついている。


「やばかったなー!」


真理奈が嬉しそうに言う。


「うん……ほんまに……やばかった……。」


菜奈はまだ息を切らしながら、フワフワした気分のまま歩く。


(こんな気持ち、初めてや……!)


「なぁ、またライブ行こや?」


「……うん!」


即答だった。気づけば、もう次のライブのことを考えている自分に驚く。



2. 学校での異変


翌朝。


ライブの疲れが抜けないまま、菜奈は学校へ向かった。

けれど、いつもと違う違和感を感じる。


(……なんか、変?)


教室に入ると、クラスメイトが妙にちらちらとこっちを見ている。

小声でひそひそ話しているのが聞こえる。


「え、マジなん?」

「いやでも、あの感じ……。」


(なんや、これ。)


菜奈が座ると、オシャレ女子・木村が近づいてきた。


「菜奈、昨日どこ行ってたん?」


「えっ……?」


突然の質問に動揺する。


「これ、見てみ?」


木村がスマホを差し出す。



3. SNSで正体バレ!?

画面を覗くと、そこには昨日のライブの写真が。


「RE:VOLTAGE 難波ライブ!最前でめっちゃ叫んでた子カッコよすぎ!」


そして、その最前のど真ん中——。


(うそやろ!? うち、写っとるやん!?)


画面いっぱいに映るのは、自分だった。

夢中になって叫び、拳を突き上げる姿。


鼓動が一気に跳ねる。


「いやいや、絶対水木やん!」


「この服、めっちゃオシャレやし!え、マジでお前なん?」


(やばい、逃げられへん……!)


「え、えっと……たまたま、似てる子ちゃう?」


「いや、そんな偶然ある?」


「これ、顔ほぼ一緒やし。」


「え、菜奈ってライブ行くん!? 意外すぎ!」


「しかも最前!? しかもめっちゃノッてたやん!」


「え、ええっと……まぁ……?」



クラスのあちこちから声が飛んでくる。


(え……バカにされるんちゃうん!?)


でも、みんなの表情は意外にも興味津々で、むしろポジティブな雰囲気。



4. まさかの好意的な反応


「俺もRe:VOLT好きやねん! なんで言わんかったん?」

「今度一緒に行こうや!」

意外にも、男子たちはむしろ好意的な様子。


「ライブって楽しそうやな。」「うちも行ってみたいわ!」


「お前、もしかして和歌山では地味で、大阪ではオシャレな子になっとるんちゃう?」


(……それ、めっちゃ合ってる……!)


菜奈は、思わず頭を抱えた。


(え、うち、今まで地味枠やったよな?)


菜奈は戸惑いながらも、自分の「知られていなかった一面」が急にクラスメイトに認められたような気分になった。


(なんや、変な感じ……でも、ちょっと嬉しいかも。)


そして、木村がニヤッと笑いながら言った。


「菜奈って、オシャレやってんな。意外やったけど似合っててカッコいいやん」

(???? カッコいい??)



5. オシャレの第一歩


(え、うちがオシャレ……?)


そんな発想、一度もなかった。

電気科で、工具ばっかり触ってる生活。

オシャレなんて別世界の話やと思ってた。


でも、昨日のライブで、あのセットアップを着て、今までとは違う自分になれた気がした。


「間違って買ったセットアップやねん。初めてこんな服着たし。」


「……うちでも、変われるんかな?」


思わず呟く。


「変われるって!」


木村が自信満々に頷く。


「そうかなーー。。(#^^#)」



6.友達の輪が広がる?


昼休み。こっそりスマホを開き、真理奈の投稿を確認する。


(……コメント、めっちゃついてる。)


「めっちゃオシャレやん!」

「こんな子、どこにおったん!?友達になりたい~!」


(いやいや、うちはただの田舎の高校生やねんけど……。)


でも、不思議と嫌な気はしなかった。「オシャレな子」として見られるのは、なんだか新鮮だった。


そんな時——。


「水木ちゃん、ちょっとええ?」


声をかけてきたのは、クラスの女子だった。


「えっ……?」


今までほとんど話したことのない子。


(なんやろ……?)


ドキドキしながら向き合うと、彼女は少し照れたように笑った。


「実は……うちもライブ好きやねん。」


(えっ!?)


「それでさ、ツイッターで見て……水木ちゃん、ライブ行くんやなって思って!」


(まさか、ライブの話でこんな展開になるとは……!)


「うちもバンド好きやし、またライブの話しよ!」


「……う、うん!」


菜奈は、思わず笑って答えた。


(なんか……こういうの、ええな。)



7.これからの自分


帰りの電車で窓に映る自分の顔を見ながら、ふと考える。


(今までのうちなら、クラスで話題になることなんて絶対になかった。)


でも——たった一回ライブに行っただけで、こんなにも世界が変わった。


(なんか……楽しいかもしれん。)


家に帰り、制服を脱ぐと、ふとクローゼットを開ける。

そこには、あのセットアップがかかっていた。


(……また着てみてもええかな。)


昨日、大阪で見た自分。普段の自分とは違うけど、不思議と嫌じゃなかった。


(また、ライブ行きたいな。)


そう思った瞬間、スマホが震えた。


⇒「次のライブ行かん?」


(……え!?もう!?)


驚きながらも、自然と笑みがこぼれる。


(どうしよ?でも……行きたい気もする。)


少しずつ、変わっていく自分。


次はどんな世界が待っているんやろう——。


こうして、菜奈の新たな一歩が始まる——。

この作品は「カクヨム」でも掲載中!

▶ カクヨム掲載ページはこちら(https://kakuyomu.jp/works/16818622170337121432)



RE:VOLTAGEリボルト 公式プロフィールもあります。

一度見てくださいね。

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