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菜奈のライブ遠征物語  作者: クロクマせんぱい
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第3話 人生初ライブ!新しい世界が広がる

和歌山の田舎から飛び出した水木菜奈(16)。

都会デビュー初日、ライブハウスの空気に圧倒され——

「これが、ライブ……!?」

モッシュの洗礼、爆音の衝撃、心が弾ける瞬間。

叫べるか?飛べるか?

「……ヤバかった……! 今までで、一番ヤバい!!!」

田舎モンが殻を破る青春ライブストーリー。

1. ライブハウスの独特な空気に圧倒される


真理奈と一緒にライブハウスへ入ると

一気に空気が変わった。


暗い照明の下、ステージ前にはびっしりと人が詰めかけている。


照明は薄暗く、ほんのりスモークの匂いが漂っている。音楽が流れているわけでもないのに、すでにフロアの空気は熱気を帯びていた。まるで、この場にいる全員の心臓の鼓動が共鳴しているみたいに。


(え、なんか……怖いかも。)


周りを見渡せば、明らかにライブ慣れしたファンたちばかり。


バンドTシャツを着た人、金髪の子、ゴツめのピアスをした人、身長が190cmくらいありそうな人……。


(うち、場違いちゃう? 絶対ライブ初心者バレバレやん!?)


心臓がバクバクする。


「緊張しとるん?」


真理奈が横から声をかけてくる。


「え、いや……そんなんちゃうし。」


見栄を張って笑うものの、手汗が止まらない。


(帰りたい……いや、でも、せっかく来たんやし……!)


そうこうしているうちに、場内が急に暗くなった。



2. 音が響いた瞬間、すべてが変わる


「いくぞーーーッ!!!」

ボーカルの叫びとともに、ドラムのビートが響く。

ギターの音が炸裂し、空気が一変する。


(これが……ライブ……!)


スマホで何度も聴いた音楽が、今、目の前で、生で鳴っている。

ベースの低音が身体に響く。


観客のジャンプで床がわずかに揺れる。


バスドラムの低音が体に響く。


「うぉおおおおお!!!」


観客の歓声が、一気にフロアを揺らした。


ドラムが疾走感のあるリズムを刻み、ベースが重低音を響かせる。ギターが耳をつんざくように鳴り、そこにボーカルのシャウトが乗る。


(え、ちょ、待って……やば……!!)


体の奥がゾワッとした。


音が直接、骨に響いてくる。


(これが、ライブ……!?)


気づけば、菜奈はその場に立ち尽くしていた。



3. モッシュの洗礼を受ける!


演奏が始まって数秒後。


いきなり後ろから強い衝撃を受けた。


「うわっ……!」


思わず前の人にぶつかる。


「ほら、始まったで。」


真理奈が笑いながら言う。


「え、始まったって、何が!?」


その直後——。


人の波が一気に動いた。


右から左へ、左から右へ。


(え、なになに!? めっちゃ押される!!)


これが「《《モッシュ》》」というものだと理解したのは、さらに数秒後。


観客たちは音に合わせて体をぶつけ合い、激しく揺れている。


(こんなん、音楽の授業で習ってへんぞ!?)


菜奈も波に巻き込まれ、転びそうになる。


「掴まり!」


真理奈が菜奈の腕を引っ張る。


なんとか体勢を立て直し、必死で踏ん張る。



4. 殻を破る瞬間


「ほら、声出せるか?」


真理奈が叫ぶ。


「えっ……」


ライブで叫ぶとか、そんなの経験したことがない。


フロア全体が拳を突き上げ、大声で叫んでいる。


ボーカルが「もっと来いやぁぁぁ!!!」と煽ると、観客たちはさらに叫び声を上げる。


(やばい、ここで黙っとる方が逆に浮く!?)


意を決して、思い切り叫んだ。


「うぉぉぉぉーー!!」


その瞬間、体がゾワッとした。


(なんやこれ……! めっちゃ気持ちええ……!!)


心の中の何かが弾けた。


そこからはもう、菜奈も完全にライブに没入。


拳を上げ、リズムに合わせて飛び跳ねる。


頭の中が真っ白になるくらい、ただ夢中になった。



5. そして、ライブ終了——しかし…


最後の曲が終わる。


「ありがとうなぁぁぁ!!!」


ボーカルが叫び、ステージの端から手を振る。


フロアが歓声と拍手に包まれる。


菜奈は、ただ立ち尽くしていた。


(終わった……? もう終わったん? 嘘やろ……。)


さっきまで爆音に包まれていたのに、急に静寂が戻ってくる。


全身が汗だく。

足はガクガク。

でも、心の中は、今までにない興奮でいっぱいだった。


「どうやった?」


真理奈が笑いながら聞く。


菜奈は息を切らしながら、全力で叫んだ。


「……ヤバかった……! 今までで、一番ヤバい!!!」


そして、崩れるようにその場に座り込む——。




【あとがき】

本作では、ライブの臨場感をリアルに描くため「モッシュ」の描写を取り入れていますが、現在日本の多くのライブハウスでは安全のため モッシュやダイブが禁止 されている場合があります。実際にライブに行かれる際は、各会場のルールを確認し、安全に楽しんでください!

本作では、ライブの臨場感をリアルに描くため「モッシュ」の描写を取り入れていますが、現在日本の多くのライブハウスでは安全のため モッシュやダイブが禁止 されている場合があります。実際にライブに行かれる際は、各会場のルールを確認し、安全に楽しんでください!



Re:VOLTリボルト 公式プロフィールもあります。

一度見てくださいね。


この作品は「カクヨム」でも掲載中!

▶ カクヨム掲載ページはこちら(https://kakuyomu.jp/works/16818622170337121432)

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