ちびっこペルセポネーはスーパーキッズボクサーになって邪神タナトスをぶっ飛ばす
(`・ω・´)【あらすじ】古代樹を守るため、タナトスと戦っています。ライムチャートちゃんが相手を圧倒、タナトス古代樹の力で強化、クタニが闇の槍で貫かれ死、デメテル様の奇跡魔法で復活、闇を切り裂いた天使のような少女の正体はーー?
(´・ω・`) 【出撃メンバー】
クタニ(転生者)
戦闘力:なし/ハニワが闇の力にだけ相性◎
スコリィ(ストーンピクシー)
戦闘力:中/風×石の複合魔法
ペッカ(フォレストミニドラゴン)
戦闘力:高 → 闇属性に弱いため今回は中
イゴラ(ミニゴーレム)
補助魔法:中 → 魔力切れで退場
→ ライムチャート(ゴーレム亜人?)
戦闘力:特上/古代還元魔法、戦闘中は博多弁
( ಠ 益 ಠ )【今回の敵キャラ】
タナトス
ギリシャ神話の邪神/闇の陶器に封印されていた闇属性ボス
ストリーム・唐津
風束縛魔法を使えるが、タナトスの封印が解けて、どっかいった
(`・ω・´)ゞ【居残り組】
ガディ(デビルガーゴイル)→ 店番担当
ルルドナ(ハニワ由来の少女)→ 昼間は強制スリープ中
(´-ω-`)【その他関連キャラ】
デメテル(オリンポス十二神、豊穣の女神、ビール好き)
盆栽仲間に会いに来た。奇跡魔法が使える。
??天使のような少女
イゴラおじいさん(盆栽ガチ勢)
――――――――――――――――前書き終わり
光る煙があたりを覆う。
デメテル様の透き通った声が響く。
「はい、私は一人では何もできません。……だから助っ人を呼びました」
闇を払い、光を放った人物が前に進み出て、タナトスの前でファイティングポーズをとる。
……あれは、ボクシングのピーカブースタイル!
「ママ、お手伝いしたらお小遣いアップって本当だよね?」
ママ……?
それは、小さな金髪の子供。髪の毛を高い位置にポニーテールのようのとめて、いかにも活動的な印象だ。デメテル様を幼くしたような。
「ええ。私の力をお貸しします。やっちゃってください。ペルセポネー」
……ギリシャ神話の神、ペルセポネー!
ギリシャ神話では、デメテルの娘。
あまりに美しかったため、冥府の王ハーデスに誘拐された――そんな伝承がある。
だけど……なんか、想像してたのと違う。
小さな体に、腹筋バキバキのへそ出し短パン姿。
スーパーキッズってやつか、これ!?
「あんなトロそうなおじさん、すぐKO勝ちだよ」
「ほざけ!」
〈ドドドドドッ!〉
タナトスが闇の球をいくつも放つ。
だが、ペルセポネーは笑顔のまま――光をまとった小さな拳で、すべて殴り飛ばす!
ラッシュ! ラッシュ! ラッシュ!
「単調すぎー!」
まるで歴戦のボクサーのような動き。
「こっちからいくよ!」
光速のステップで間合いを詰め、拳が火を吹く。
かろうじてその鎌でしのぎ切る死神。
「この鎌で切り刻んでくれるわ!」
怒りにまかせ、タナトスが死神の鎌をくるくると回し始める。
闇のオーラが渦を巻き、空気を歪める――
だが、その渦の中。
ペルセポネーの姿は、忽然と消えた。
「おっそーい!」
背後からの声。振り向いたタナトスに、超高速の右ストレート!
〈ズガァッ!!〉
死神タナトスが、派手に吹き飛ばされる。
「わたしね、あなたたちに誘拐されてから、ずっと思ってたんだ。強くなろうって。ずっと、ヘラクレスおじさまに鍛えてもらってたの!」
……ちょっと待て。
英雄ヘラクレス直伝の英才教育とか、そりゃ強いわけだ。
ちびっこペルセポネー――
かつて冥府に連れ去られた少女は、……今や、少女ボクサーとなって誘拐犯を圧倒していた。
**
「ごっ、がはっ」
口から大量の黒い血を吐くタナトス。単純に右ストレートでぶっ飛ばされるなんて思ってなかったんだろう。
「な、何が起こった……?」
「単純に、殴ってぶっ飛ばしただけよ~」
「そんなに速く動けるわけが……!」
「残念だったね~。この靴、ヘルメス様から借りたの~」
ペルセポネーが、両足の水色のシューズ――両側に羽のついた神靴を、ぴょんっと跳ねて見せびらかす。
「……くそ!」
ふらつきながら悪態をつくタナトス。
ライムチャートちゃんの治療を終えたデメテル様が、静かに進み出る。
「それで、降参しますか?」
だが、タナトスは狂ったように叫んだ。
「残念だったな! わが魂よ、集え! 魂増幅!!」
青年の顔が、みるみる老人へと変わる。
同時に、あたりには強烈な腐臭が広がった。
自分自身の魂を、……食らっている!?
「う……っ」あまりの腐臭に俺は思わず口を押える。
「自らの魂を食らうとは……。でもそれじゃ、あなた、二度と復活できませんよ?」
デメテル様が、冷ややかに告げる。
「かまうものか! 闇夜呼!」
世界が、瞬きするように点滅した。
一瞬で、あたりは夜へと沈む。
「……ま、まさか!」
「光の力など、夜の世界では弱弱しい! はっはっは!」
タナトスの姿はほとんど骸骨と化し、
まさに――死神そのものになっていた。
「マ、ママー……わたし、アレにさわりたくないよ~」
おい頼むぞ、スーパーキッズ……。
**
視界が一気に暗くなるが、それも一瞬だった。
「うおおおおーー!」
ペッカが魔法灯を大量にばらまき、あたりを明るくする。(※暗いのが怖い)
(お前、一体いくつ持ってきてるんだよ……!)
そのままスコリィに抱きつくペッカ。
(お前、そのポジション狙ってるだろ……!)
照らし出された古代樹はライトアップされ、枯れてはいるものの神々しくその姿を見せつける。
「魔法灯か……。用意がいいが、そんなことをしても無駄だ!」
……いや、あいつ、単に暗いのが怖いだけなんで。
でもまあ、タナトスの姿が見えるのは助かる。
デメテル様が、じっとタナトスを見すえて告げた。
「神といえども、世界の理を強制的にねじ曲げるのは、大罪ですよ」
「そんなもの知るかッ!」
ちびっこペルセポネーが、すかさず挑発する。
「おじさ~ん、そこまでして勝ちにこだわるなんて、神の名が泣いちゃうよ~?」
おいちびっこ、あんまり煽るなって……!
「神の力を行使して、何が悪い!!」
タナトスが声を張り上げた――その瞬間。
〈ズガァッ!〉
死神を背後から蹴り倒したのは、聞き覚えのある声。
「悪いわ、営業妨害よ」
昼間は強制的に寝てしまう、ハニワから生まれた雑貨屋の赤い守護神の少女、ルルドナだった。
「あんたのせいで総菜に大量の割引シール、貼ることになったじゃないの」
……そうか。
早く夜になったせいで、本来ならまだ寝ているはずの彼女が――
目覚めることができて、俺らのもとに駆けつけてくれたんだ。
……割引シールを、貼って。
いや、 しっかり者だな、ほんと。
ついに真打登場です。
感想・コメントお待ちしております!
2025.8.15 主人公の一人称を俺にして、それに合わせて各所書き直しました!




