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丘の上の雑貨屋と魔王モール  作者: 登石ゆのみ
第15章 ギリシャ神と古代樹とゴーレム兄妹編
85/197

ちびっこペルセポネーはスーパーキッズボクサーになって邪神タナトスをぶっ飛ばす

(`・ω・´)【あらすじ】古代樹を守るため、タナトスと戦っています。ライムチャートちゃんが相手を圧倒、タナトス古代樹の力で強化、クタニが闇の槍で貫かれ死、デメテル様の奇跡魔法で復活、闇を切り裂いた天使のような少女の正体はーー?


(´・ω・`) 【出撃メンバー】

クタニ(転生者)

 戦闘力:なし/ハニワが闇の力にだけ相性◎


スコリィ(ストーンピクシー)

 戦闘力:中/風×石の複合魔法


ペッカ(フォレストミニドラゴン)

 戦闘力:高 → 闇属性に弱いため今回は中


イゴラ(ミニゴーレム)

 補助魔法:中 → 魔力切れで退場


→ ライムチャート(ゴーレム亜人?)

 戦闘力:特上/古代還元魔法、戦闘中は博多弁


( ಠ 益 ಠ )【今回の敵キャラ】

タナトス

 ギリシャ神話の邪神/闇の陶器に封印されていた闇属性ボス

ストリーム・唐津

 風束縛魔法を使えるが、タナトスの封印が解けて、どっかいった


(`・ω・´)ゞ【居残り組】

ガディ(デビルガーゴイル)→ 店番担当


ルルドナ(ハニワ由来の少女)→ 昼間は強制スリープ中


(´-ω-`)【その他関連キャラ】

デメテル(オリンポス十二神、豊穣の女神、ビール好き)

 盆栽仲間に会いに来た。奇跡魔法が使える。


??天使のような少女


イゴラおじいさん(盆栽ガチ勢)

――――――――――――――――前書き終わり

光る煙があたりを覆う。

デメテル様の透き通った声が響く。

「はい、私は一人では何もできません。……だから助っ人を呼びました」


闇を払い、光を放った人物が前に進み出て、タナトスの前でファイティングポーズをとる。

……あれは、ボクシングのピーカブースタイル!


「ママ、お手伝いしたらお小遣いアップって本当だよね?」

ママ……?


それは、小さな金髪の子供。髪の毛を高い位置にポニーテールのようのとめて、いかにも活動的な印象だ。デメテル様を幼くしたような。


「ええ。私の力をお貸しします。やっちゃってください。ペルセポネー」


……ギリシャ神話の神、ペルセポネー!

ギリシャ神話では、デメテルの娘。

あまりに美しかったため、冥府の王ハーデスに誘拐された――そんな伝承がある。


だけど……なんか、想像してたのと違う。

小さな体に、腹筋バキバキのへそ出し短パン姿。

スーパーキッズってやつか、これ!?


「あんなトロそうなおじさん、すぐKO勝ちだよ」

「ほざけ!」


〈ドドドドドッ!〉

タナトスが闇の球をいくつも放つ。


だが、ペルセポネーは笑顔のまま――光をまとった小さな拳で、すべて殴り飛ばす!

ラッシュ! ラッシュ! ラッシュ!

「単調すぎー!」


まるで歴戦のボクサーのような動き。

「こっちからいくよ!」


光速のステップで間合いを詰め、拳が火を吹く。

かろうじてその鎌でしのぎ切る死神。


「この鎌で切り刻んでくれるわ!」

怒りにまかせ、タナトスが死神の鎌をくるくると回し始める。


闇のオーラが渦を巻き、空気を歪める――

だが、その渦の中。

 

ペルセポネーの姿は、忽然と消えた。


「おっそーい!」


背後からの声。振り向いたタナトスに、超高速の右ストレート!

〈ズガァッ!!〉

死神タナトスが、派手に吹き飛ばされる。

 

「わたしね、あなたたちに誘拐されてから、ずっと思ってたんだ。強くなろうって。ずっと、ヘラクレスおじさまに鍛えてもらってたの!」

 

……ちょっと待て。

英雄ヘラクレス直伝の英才教育とか、そりゃ強いわけだ。


ちびっこペルセポネー――


かつて冥府に連れ去られた少女は、……今や、少女ボクサーとなって誘拐犯を圧倒していた。


**

「ごっ、がはっ」

口から大量の黒い血を吐くタナトス。単純に右ストレートでぶっ飛ばされるなんて思ってなかったんだろう。


「な、何が起こった……?」

「単純に、殴ってぶっ飛ばしただけよ~」


「そんなに速く動けるわけが……!」

「残念だったね~。この靴、ヘルメス様から借りたの~」

ペルセポネーが、両足の水色のシューズ――両側に羽のついた神靴を、ぴょんっと跳ねて見せびらかす。


「……くそ!」

ふらつきながら悪態をつくタナトス。

ライムチャートちゃんの治療を終えたデメテル様が、静かに進み出る。

「それで、降参しますか?」

 

だが、タナトスは狂ったように叫んだ。

 

「残念だったな! わが魂よ、集え! 魂増幅ブースト・ライフ!!」

 

青年の顔が、みるみる老人へと変わる。

同時に、あたりには強烈な腐臭が広がった。

 

自分自身の魂を、……食らっている!?

 

「う……っ」あまりの腐臭に俺は思わず口を押える。

 

「自らの魂を食らうとは……。でもそれじゃ、あなた、二度と復活できませんよ?」

デメテル様が、冷ややかに告げる。

 

「かまうものか! 闇夜呼ダーク・ターン!」

 

世界が、瞬きするように点滅した。

一瞬で、あたりは夜へと沈む。

 

「……ま、まさか!」

「光の力など、夜の世界では弱弱しい! はっはっは!」

 

タナトスの姿はほとんど骸骨と化し、

まさに――死神そのものになっていた。

 

「マ、ママー……わたし、アレにさわりたくないよ~」

おい頼むぞ、スーパーキッズ……。


**

視界が一気に暗くなるが、それも一瞬だった。

 

「うおおおおーー!」

ペッカが魔法灯を大量にばらまき、あたりを明るくする。(※暗いのが怖い)


(お前、一体いくつ持ってきてるんだよ……!)


そのままスコリィに抱きつくペッカ。

(お前、そのポジション狙ってるだろ……!)

 

照らし出された古代樹はライトアップされ、枯れてはいるものの神々しくその姿を見せつける。

 

「魔法灯か……。用意がいいが、そんなことをしても無駄だ!」

……いや、あいつ、単に暗いのが怖いだけなんで。

 

でもまあ、タナトスの姿が見えるのは助かる。


デメテル様が、じっとタナトスを見すえて告げた。 

「神といえども、世界の理を強制的にねじ曲げるのは、大罪ですよ」

 

「そんなもの知るかッ!」

 

ちびっこペルセポネーが、すかさず挑発する。

「おじさ~ん、そこまでして勝ちにこだわるなんて、神の名が泣いちゃうよ~?」

 

おいちびっこ、あんまり煽るなって……!

 

「神の力を行使して、何が悪い!!」

タナトスが声を張り上げた――その瞬間。


〈ズガァッ!〉

 

死神を背後から蹴り倒したのは、聞き覚えのある声。

「悪いわ、営業妨害よ」


昼間は強制的に寝てしまう、ハニワから生まれた雑貨屋の赤い守護神の少女、ルルドナだった。


「あんたのせいで総菜に大量の割引シール、貼ることになったじゃないの」

……そうか。


早く夜になったせいで、本来ならまだ寝ているはずの彼女が――

目覚めることができて、俺らのもとに駆けつけてくれたんだ。


……割引シールを、貼って。

 

いや、 しっかり者だな、ほんと。

ついに真打登場です。


感想・コメントお待ちしております!


2025.8.15 主人公の一人称を俺にして、それに合わせて各所書き直しました!

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