神様にお惣菜を売りつければ、死んだら生き返らせてくれるかもしれない
(`・ω・´)【あらすじ】古代樹を守るため、タナトスと戦っています。ライムチャートちゃんが相手を圧倒すると思いきや、古代樹の力でタナトスがパワーアップ。秘策のハニワを投げていたら、クタニが闇の槍で貫かれ死んでしまいました(と本人が思っています)。今回は真面目バトルです。
(´・ω・`) 【出撃メンバー】
クタニ(転生者)
戦闘力:なし/ハニワが闇の力にだけ相性◎
スコリィ(ストーンピクシー)
戦闘力:中/風×石の複合魔法
ペッカ(フォレストミニドラゴン)
戦闘力:高 → 闇属性に弱いため今回は中
イゴラ(ミニゴーレム)
補助魔法:中 → 魔力切れで退場
→ ライムチャート(ゴーレム亜人?)
戦闘力:特上/古代還元魔法、戦闘中は博多弁
( ಠ 益 ಠ )【今回の敵キャラ】
タナトス
ギリシャ神話の邪神/闇の陶器に封印されていた闇属性ボス
ストリーム・唐津
風束縛魔法を使えるが、タナトスの封印が解けて、どっかいった
(`・ω・´)ゞ【居残り組】
ガディ(デビルガーゴイル)→ 店番担当
ルルドナ(ハニワ由来の少女)→ 昼間は強制スリープ中
(´-ω-`)【その他関連キャラ】
デメテル(オリンポス十二神、豊穣の女神、ビール好き)
盆栽仲間に会いに来た。奇跡魔法が使える。
イゴラおじいさん(盆栽ガチ勢)
―――――――――――――――― 前書き終わり
「て、てんちょー!!」
「おいっ!!」
目が、かすむ。
……ああもう、だから真剣なバトルって嫌なんだよ。
――血が、周囲の地面を濡らす。
……ふざけて生きすぎたかな。でも……真剣に生きるには、俺の人生は重すぎる。
俺はかすむ視界の中、敵の姿をにらみつける。
死神の鎌をもった、死を喜びの対象としている、タナトス。
こんな奴にだけは負けたくなかったのに。
「ははは! 目障りな奴が一人死んだな。死は最高だ! もっとも……お前みたいな汚れた魂は、こちらから願い下げだがな」
「……く、そ……っ」
そのときだった。
――俺の胸元から、まばゆい光があふれ出した。
……柔らかな風が吹く。
冷たかった空気が、ほんのりと温もりを帯びていく。
まるで春の陽だまりに包まれたみたいに――心地よい、光。
ふと気づくと、俺の周囲には草が芽吹き、若木の枝がそっと伸びていた。
(ああ、ここでなら死んでいいかもしれない)
ぼんやりとした意識の中で美しい空間に俺は思う。
痛みが、スゥーと引いていく。
胸の奥に、小さな、あたたかな灯が灯ったようだった。
そこに、現れたのは――
陶器のような白い肌に、金髪の髪、……片手にはビールジョッキ。
「……まさか、その種を自分に使うとは。ほんと、あなたって……面白い方ですね」
優しく、微笑みながら、慈愛に満ちた声が耳に届く。
ああ、知ってる。
この声は――
「……デメテル様!」
豊穣の女神、デメテル様が、目の前に立っていた。
「あなたのお惣菜、ビールのつまみとして……最高でしたよ」
まるで、昼下がりに商店街の惣菜をほめるみたいな、あたたかくて、どこかゆるい、その言葉をかけられ
――俺は、生き返った。
**
死にかけた俺の周囲に芽吹いた植物たち。ポケットに入れていた、あの種から発生しているようだった。
春の芽吹きのような、あたたかくて瑞々しい新緑
――淡く光を放ちながら、やがて静かに、消えていく。
そして気づけば、俺の傷は……すっかり癒えていた。
「お、お前は……! オリンポス十二神の――デメテル!」
「あなたは、憎きハーデスの下俺、タナトスですね。下がりなさい。今引き下がるなら見逃してあげます」
デメテル様の放つオーラは、まさに神々しさそのものだった。
同じくギリシャ神話に登場する二人。タナトスは有名な邪神ではある。だが、オリンポス十二神には序列されていない。
堂々と序列されているデメテル様とは、格が――違う。
「いや……! お前に何ができる!
回復と補助魔法しか使えない能無しめ!」
タナトスが怒鳴る。
デメテル様は、静かに微笑んだ。
「そうですね。能無しですよ」
余裕のままに、デメテル様はふわりと俺のそばを離れ――
一瞬で、ライムチャートちゃんのもとへ。
「よく、頑張りましたね」
「あ、あなたは……?」
「ふふふ。キミの“生みの親”の一人ですよ」
「……え?」
ぽかんとするライムチャートちゃん。
「大きくなりましたね。それに、神の力を一人で抑え込むなんて……大したものです」
デメテル様は、そっと手をかざす。
光がやさしくあふれ、魔力をすり減らしていたライムチャートちゃんの身体を包む。
こわばっていた彼女の顔が、ふっと、やわらかくほころんだ。
だがそのとき――
「回復などさせるか! 闇球吸収!」
ひときわ巨大な闇の球が、唸りを上げて二人に迫る!
「あぶなかーっ!」
思わず、ライムチャートちゃんが飛び出す。
小さな体で、デメテル様をかばうように。
……彼女らしくない、無謀で、勇敢な動きだった。
闇の塊が炸裂する。
二人を包み込む、黒い霧。
――しかし。
「光源輪廻!」
眩い光の弾丸が、円環を描きながら放たれる!
渦巻く闇を、すべて、切り裂いていく。
闇が晴れたとき――
ライムチャートちゃんの前に立っていたのは、同じくらいの背丈の、
まるで天使のような――小さな少女だった。
デメテル様に助けられた主人公クタニ。まさかさらに助っ人が来ますが……。
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2025.8.15 主人公の一人称を俺にして、それに合わせて各所書き直しました!




