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丘の上の雑貨屋と魔王モール  作者: 登石ゆのみ
第4章 高身長ストーンピクシーのバイト編
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最初のアルバイトが来るとき店長の方が緊張するけど必死に隠してる

月明かりに一晩当てていた人形は動くのでしょうか?

新キャラもようやく出ます。

残念ながら、ハニワは……、動いてなかった。


「うーん、やっぱりルルドナが特別なのかなぁ」

「私が特別なのは確かだけど、全く動かないものかしら……」


「俺の涙が条件なのかな……」

おっさんの涙なんて誰にも需要はないだろう。神の見えざる手も引っ込むわ。

「ともかく、次は泣かせるわ」


腕まくりをして笑顔を向けるルルドナ。怖い。

「お……穏便に、頼むよ」


「にしても、高く売れるものがないわね」


「俺の作った土器は……」


「あんなもの、もの好きしか高く買わないわよ。私もうすぐ寝るから、店の掃除するわよ」

掃除を済ませた彼女はさっさと寝てしまった。


**

掃除を終えたころ、元クレーマーの爺さんがやってきた。

だけど今回は礼儀正しい。俺の前に立つなり、深々と頭を下げた。


「改めて礼を言う。婆さんの病が、ひとまず治った。あんなにつらそうだった咳が止まったんだ。ありがとよ」


まるで江戸っ子時代劇の一幕みたいだ。俺は戸惑いながらも、笑顔で応じる。


「お役に立てて、何よりです」


「……ついでに、こいつがワシの孫だ。昨夜、世話になったそうだな」


後ろにいたのは、昨日のフードの長身の女の子。ヒト族だろうか。


「両親は都会で働いててな。自然の中で育てと預かったが、学校出てもふらふらしとってな。夢を叶えたい言うて、貴重な月見草を買ったらしい。申し訳ねえ」


嘆く爺さんに俺は、軽く返事をする。

「まあまあ。あれ、あまり売れなかったですし」

(ほんとは完売だけど)


「それで、君は何か病気だったの? 夢を叶えたかったのかな?」

俺は子どもに話しかけるように言う。


「言いたくない」

頬をふくらませてそっぽを向く。まるで幼児みたいな反応。

露草色のさらさらヘアーがフードから出て腰のあたりまである。服はへそ丸出し短いパーカーでショートパンツをはいている。全体的にスレンダーでモデル体型だ。

顔はやはりよく見えない。


爺さんが咳払いして言う。

「なんでも貯金箱の中身をはたいて、前払いしたらしいな。ツケでモノを買うなんて百年早え。残りは奉公して返すそうだ。社会勉強だ、ちっと鍛えてやってくれ」


……俺の了承を待たずに話が進んでいく。


100万円受け取ってる身としては、断る権利なんてなかった。

次郎長ばりに堂々とした爺さんは「じゃ、頼んだぞ」とだけ言い残し、立ち去った。


**

「よろしく。俺はクタニ。奥のソファで寝てるのがルルドナ」

今回はちょっとだけマシなソファに寝かせてある。


「ストーンピクシーのスコリィ・アパミスです。ルルドナさんにもご挨拶していいですか?」


しっかりしてる……と思ったのも束の間。


「か、かわいい……」

寝顔を見て、よだれを垂らしていた。


あ、この子……しっかりしてるんじゃなくて、変態をうまく隠してるタイプのやつだ。


ピクシーって、とても小さくて人間とほぼ同じ見た目で、とても小さいはず。ストーンピクシーって大きい種族なのかな。ピクシー特有の羽はない。いや背中に小さく生えている。


……しかしそんなことより。

「おほん! 鑑賞はそこそこにして。この店、今売る物がないんだよ。仕入れ先、心当たりない?」


「え、仕入れ先もなしに雑貨屋始めたんっすか?」


顔に「このヒト、バカですか?」って書いてあるが見なかったことにした。


「おうよ。裏山から自給さ! だけど山には今、危険なモンスターがいるみたいで、立ち入るのやめようかなと考えているんだよね。こういうときのために仕入れ先がほしいんだけど」


「……それなら私に任せてくださいっす!」


そう言って、最初の店員は飛び出していった。

不安しか無いですが、ストーンピクシーのスコリィは良い商品を持ってくるのでしょうか?

彼女は月見草で何の病気を直したのでしょう?

※ストーンピクシーは本作の想像上の生物ですのであしからず。


【本日の新商品】

レンガパン:280ゲル(仕入れ90)

※複雑になってきたので、新キャラや商品まとめます。→https://ponkotsu-isekai.blogspot.com/


感想・コメントお待ちしております!


2025.5.8 誤字脱字修正しました!

2025.7.6 スコリィの容姿の説明、追加しました。

2025.8.11 主人公の一人称を俺にして、それに合わせて各所書き直しました!

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