表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
丘の上の雑貨屋と魔王モール  作者: 登石ゆのみ
第11章 魔王モール3号店編
53/232

魔王モールの店長だって腰痛には勝てない

鑑定の途中、横から来た槍……!

 〈ガツンッ!〉

 占いテントに、横から入ってきた槍。


 ――これが……本当の“横槍を入れる”ってやつか!


 目の前に飛び出してきたのは、槍。


 それも、天幕の横腹を突き破り俺たちのもとに届く、規格外の長さのものだった。


 俺たちが動けないでいると、外から大きな声がした。

「出てこい、優勝者!」


「いったい誰だ!?」

 占い師が怒りに満ちた声を上げると同時に、俺達を反対側の出入り口から逃がす。


 慌てて外に出て敵を見た。

 外で待ち構えていたのは、長さ5メートルはあろうかという異常に長い槍と――

 それを筋肉質の片手で持ち上げる、ケンタウロス。


 ……いや、日焼けした上半身は中年体型のぽっちゃりオヤジ。


 下半身は馬――中年ケンタウロスじゃねえか!


「我はショッピングモール三号店が店長、ウェストフィ・留堂(るどう)なるぞ! 昨日我がいない間に暴れてくれたそうじゃな! その実力、我が確かめさせてもらうぞ!」


 普通、屋内では槍を使っての戦闘は不利になるはずだが、ショッピングモールは天井を高くとってあるため関係ないようであった。


 ウェストフィ・留堂は、息を荒げ、怒りに囚われている様子だった。

 槍を突き出す。

 〈ガキィン!〉


 目の前に来る槍先に手に持っていたハニワ兜で防ぎながら、質問を返す。


「アレは大会ですよ? 俺はエントリーして、勝っただけです!」


 〈ガキィン! ガキィン! ガキィン!〉

 槍攻撃をハニワの兜で弾き続ける。

 弾くたびに魔法の光が兜から発せられる。

 この兜、俺の代わりに防いでくれていないか?

 まるで腕を動かされているような感覚になる。


 攻撃の手を止め、俺に大きな声で呼びかける。

「それが、魔王様の結界を破ったアーティファクトか! なるほど強力!」


「そんなにかっこいいものではない! ハニワだ!」

「は、ハニワ……? ともかく、この技を防いでみよ!」


 そういうと、腰を低くして、槍をその手に浅く持ち替える。


「ドミナント・スピアー!」


 名前を聞いた瞬間、俺はハニワ兜を心臓の前に構えた。

(ドミナント系は急所狙い――たぶん一点突破型!)


 〈キィィィン!〉

 読みは当たり、ハニワ兜が攻撃を弾く。が、衝撃で兜が宙を舞う。


「ヤバい……!」


 落ちた兜は、最も落ちてはいけない場所へ――。


 〈スポッ!〉

 そう、落ちたのはルルドナの頭の上だ。というかハマった。


「は?」

 眠そうに俺らを見ていたルルドナの頭にミラクルフィットした。


 俺は状況を理解できず、ただルルドナの反応を待った。

 ゆっくりとしゃべりだす彼女。

「……えっと、ウェストフィ・留堂さん? あなた、全然本気じゃない。様子見だけしに来ているでしょ?」


 怒りを抑えて睨みつけるルルドナ。

「やはり、見抜かれておったか……」


 そう言うと、店長、もとい中年ケンタウロスは、そのまま槍をおさめて(魔法で消して)、大きく背伸びをし、くるりと背を向けて歩き出した。

「話がある……こちらへ来い」


 くるりと背を向け、歩き出すケンタウロス店長―― 。

「!!」

 その背中に、俺たちは息を呑んだ。


 無数の湿布。しかも、貼り方がプロ。

 首、肩、背中、腰。いや何枚貼ってんだよ。


 ……気持ちは、わかるけど。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ