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学園制度

「では、今からこの学園の仕組みについて、ご説明します」


滝沢先生がそう言った。


もちろん、すべての生徒が、この仕組みのためにこの学園に入った。


「まず、最初の二年間は、クラス同士の対決になります」


「対決する方法は様々です。単純にテストの勝負だったり、他の試験で対決することがあります」


「各クラスは、試験終了時に、その試験に応じて点数が与えられます」


「点数は個人に与えられ、その合計がクラスの点数となります」


「そして、その点数は例外を除いて消費されることなく、蓄積されていきます」


「二年の最後に、最も多くの点数を持っていたクラスが、学園対抗戦へと

進むことができます」


「学園対抗戦は、すべての四高の選抜されたクラスが1年間競い合います」


「そして、最後に勝ち残ったクラスが、特典を手にすることができます」


特典とは、政府が掲げたいかなる就職先、進学先にすすむことができるというものだ。


大手企業などに入れれば、将来の安泰はほとんど間違いないだろう。


「先程の話に少し戻りますが、クラスの点数が、あなた達がもらえるペリアスに関わってきます」


「以上で説明を終わります、他の細かいルールなどは学校記載のホームページ

に乗っていますのでそちらによく目を通しておいてください」


「質問は後ほど個人で受け付けますので、教卓の前に来てください」


なるほどな、これは三年間、とてつもなく激しい競い合いになりそうだ。


しかし他のクラスとの勝負か、これはまた様々なことが起こりそうな

気がするな。


そう考えていると、一人の生徒が立ち上がる。


「みんな、これからのことは今うだうだ考えてしまっても仕方がないと思う」


「だったら、これからクラスが一丸となって戦えるように、

1日でも早く親睦を深めたいと思うんだ」


と一人の男子生徒が言う。


スラッとしていて、整った顔からは、とても優しそうな雰囲気が漂っている。


「まずは自己紹介から始めよう、僕の名前は東成人、中学校ではバレーボール

をやってたよ」


「この学校でもバレーボールに取り組みたいと思ってる。

これからよろしくね」


周りから盛大な拍手が起こる。


女子なんて、何人かが目をハートにして見とれている。


くそ....これがスペックの差というやつなのか....


「次は君、お願いできるかな」


そう言って指名されたのは、俺の隣の神山だった。


指名された神山は多少驚きつつも席を立つ。


「えっと、神山夢子といいます」


「趣味は読書などが好きです」


「よく、髪色のついて言われることが多いのですが、私はハーフなどではないのですが、一応地毛です。これからよろしくお願いします」


と一話交えつつ、丁寧にお辞儀をした。


俺はその姿を見て、とても感心した。


自己紹介とは、クラスの立ち位置が決まると言っても過言ではない重要なイベントだ。


そんな場で、いきなり指名されてあそこまで喋れるというのはなかなかすごいことだと思う。


「じゃあ次は隣の君」


なんて感心していた今度は俺にターンが回ってきてしまった。


ここは無難に行くべきか.....それともウケを狙いに行くべきか....


非常に悩んだが、俺は隣の神山に対して、優しい無害系男子を演じてしまったのでそちらで行くしかないだろう。


覚悟を決め、俺は席を立つ。


「僕の名前は、寺本元亜村といいます。これからよろしくお願いします」


そう言って、俺は精一杯の作り笑いを貼り付けた。


あたりからまばらな拍手が聞こえる。


緊張してしまって、間をすっ飛ばしてしまった.....


そうして、自己紹介はトントン拍子に進んでいき、あの金髪の番となった。


そいつはゆっくりと席を立ち


「俺の名前は竜田川泰斗だ」


そう言うと、すぐさまに席に座り直した。


てっきりこういうのは「こんなのくだらねぇんだよ!!」


とか言って拒否するタイプだと思っていたのだが、

案外普通の挨拶でびっくりした。


「うん、これからよろしくね」


これで自己紹介は一通り終わった。


この自己紹介で、俺は一人一人生徒を観察していた。


そして、わかったことがある。


このクラスの女子の胸の平均は約Cカップ以上だということに。


むむむ....これはけしからんぞ。


なんてことを考えていたら、ふと隣の神山にじろりと見られた。


「寺本元さん、今なにか変なこと考えてました?」


ギクリ.....なんでわかるんだ.....


考えていましたんて言えるはずもなく、俺は言葉を選ぶ。


「いや、クラスの人がでんな人なのか、観察をしていただけだよ」


「僕がそんなこと考えると思う?」


「いえ、確かにそうですね。勘違いしてすみませんでした」


なんと謝罪されてしまった。


うぅ....心が痛い.....


「みんな、もしよかったら何だけど、このあとは授業もなくて解散みたいだし、

どこかで集まって遊ばないかい?」


と東が発言をする。


「行く行く〜〜!!」


「よーし!行こうぜ!!」


ほとんどのクラスメイトが賛同し、放課後に親睦会が開かれることになった。


俺もそれには興味があり、行ってみたいと思ったが用があるので、

今回は断念した。


ちなみに、俺の他にも龍田やその他の生徒も何人かは不参加だ。


そして、俺はとある人物に会いに行く。


鉄製の扉の前に行き、ドアをノックして開ける。


「失礼します、一年二組、寺本元です。滝沢先生はいらっしゃいますか」

















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