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宇塚井真帆は魔法使い  作者: ゑゐる
1/50

#01 最強の魔法使い

 新作を投稿します。


 前作「異世界ツアーしませんか?」は人気が出なかったので、今回はテンプレ要素を入れてオーソドックスに書きました。バトルもあります。

 前作同様ほぼストレスフリー、説明が少なく、テンポが早いです。

 セリフの前にキャラ名はありませんが、発言キャラをわかりやすくしたつもりです。


 一応、下書きは最終話まで書き終えています。

 序盤はまとめて投稿して、その後は改稿しながら毎日少しずつ投稿する予定です。

 よろしくお願いします。



 ゑゐる

 ここは、とある国の闘技場。  

 ウチは今、ライバルの魔法使いと激しい戦いをしている。


 「ウチに勝てると思っているの? 卑怯(ひきょう)な手しか使えないくせに」

 「どんな手を使っても勝てばよい。いくぞ」


 激しい攻防戦、両者の間を攻撃魔法が飛び交う。


 「ファイヤーボール」

 「ウィンドカッター」

 「アンチ(A)マジック(M)フィールド」

 「アイスジャベリン」


 パキン、パキ、パキーン・・・


 「ウチのアイスジャベリンがきかない・・・」

 「はははっ、このAMフィールドは何人(なんぴと)たりとも破ることはできない」


 「手強(てごわ)い・・・でもこれならどう? 究極魔法メテオアターック!」

 「俺は負けない・・・うわっ・・・バカな・・・うわー」


 「終わった。ウチの勝ちね」


 「君、強いですね」

 「誰なの?」

 「ぼくはファースト、今倒した相手はセカンド、次はぼくが相手をしよう」

 「真打ち登場ってわけね」


 「ぼくは強いですよ。例えば極大魔法を使って、この闘技場を瓦礫(がれき)にすることもできます」

 「観客を巻き込むつもりなの? 卑怯(ひきょう)よ」

 「ではもっと広いところに行きませんか?。そこで思う存分戦いましょう」

 「望むところよ」

 「では行きましょうか」

 「ええ」


 ファーストは魔法で空を飛ぶ。うちも飛行魔法で彼を追う。


 「ウチらが飛行魔法で向かう先に最終決戦の地があるのね。勝った方が最強の魔法使いよ」


   *


 舞台の照明が落とされ、周囲が暗くなった。

 今日は高校の文化祭、いま演劇の第一幕が終わった。

 タイトルは「異世界最強の魔法使い」

 台本はネットの投稿作品。メールで原作者から上演の許可は得ているらしい。

 ウチは、あだ名が「魔法使い」と言うだけで、この役になった。

 攻撃魔法のエフェクトはプロジェクターを使ったもの。良く出来ていると思う。

 これから荒野のセットに替えて、第二幕の準備をする・・・


 ん? 真っ暗ね。何も見えない。


 「ねえ、真っ暗よ。これじゃ準備出来ないじゃん・・・誰か、いないの?」


 妙に静か、声の響き方もおかしい。

 何も聞こえないし、何も見えない。


 あれ? いま一瞬ふらっとしたような・・・

 ん? 足裏の感覚がない。下に落ちている? いや、上に昇っている?

 何これ? どうなっているの? いやな予感がする。


 ピカッ・・・


 (まぶ)しい。

 足裏の感覚が戻り、よろけてしゃがんだ。


 ウチは、ゆっくりと目を開けながら立ち上がり、周囲を見た。


 何これ? セット違うじゃん。なんで屋内のセット? 次は荒野だよね。

 誰? クラスの男子・・・じゃない?

 どうなっているの? これが第二幕? ウソでしょ。


 「誰か、わかるように説明して」

 「$G%$N&RS%LJ#」

 「何を言ってるの? 悪ふざけはやめて」

 「%BV&ZX#QW&O」

 「ちょっと何するの? セクハラ!」


 舞台衣装を着た数人の男性がいる。

 ウチは二人の男に取り押さえられて、無理矢理ウチの手をタブレットに押し付けた。


 「何するの?」

 「&FG#ZM%TY$KJ$」

 「意味わかんないんだけど」

 「@CB#WQ$UY%HG」

 「ちょっとやだ。放して」


 ウチは、取り押さえられたままどこかに連れて行かれた。


 「えっ、ウソでしょ」

 「%ZX@VT#CB%FZ」


 ウチは(おり)に入れられて、男は鍵をかけた。


 「どういうこと? いたずらにしてはやり過ぎよ」


 ウチは鉄格子を握った。()すってもビクともしない。セットではなく本物?

 壁は石造り。(たた)いてもペチペチと音がするだけ。壊れそうにない。


 あれ何かな? 部屋の(すみ)に何かがある。

 近づいてみると、(ふた)付きの(おけ)だった。蓋を開けてみる。

 中は(から)だった。空の桶?


 そうだ、スマホ使えるかな?

 ダメ、圏外になっている。


 ここはどこ? ここは学校じゃないよね。まさか・・・・・・異世界?


 「ステータス」

 「オープン、ステータス」

 「ファイヤーボール」

 「ウィンドカッター」


 ダメ、魔法は使えない。異世界じゃないのかな?


 「誰か助けてください」


 無理だよね。言葉が通じないし。どうしよう。


     *


 檻に入ってからどれくらいの時間が()ったかな。

 お腹()いた。トイレに行きたい。

 あ、部屋の隅にある木の桶って、まさか・・・

 ウソでしょう、やだー。


 えっ?


 周囲が変わった。檻から出られた?

 誰?

 目の前に金髪の女性、外国人? 背後がリング状に光っているけど、何それ?


 「#TR@FD%JK#RS?」

 「ウチは日本人、日本語わかりますか?」

 「$LC#TR@QP%CD?」


 金髪の女性が、ウチに手をかざした。


 「これで言葉が通じるかしら?」

 「言葉が通じた。よかったー」


 まずはトイレに行きたい。


「すみません、トイレを貸してください」


 ウチは場所を聞いて、トイレに向かった。


     *


 ふー、スッキリした。ポケットティッシュを持っていて良かった。

 でも変なトイレだった。小さな建物だけど乳白色の石造り。中は床に丸い穴があるだけ。水洗ではない。

 穴の中を(のぞ)いても真っ暗で何も見えない。そして穴から弱い力で引っ張られる感覚がある。

 人が落ちる大きさではないけど、ちょっと怖い。小さなブラックホールみたい。


 手を洗いたいけど水道はどこかな? とりあえず、さっきのところに戻ろう。

 ところで、ここはどこかな? ウチは歩きながら考えた。

 美しい庭園、円形の池、そして宮殿のような建物。周囲には森が広がっていて、その中で特に目立つ巨大な木が一本立っている。


 ウチは体育館の舞台にいたはずなのに・・・

 真っ暗になったあと、どこかの建物、檻の中、そして庭園、どうなってるの?

 演劇の幕間(まくあい)に居眠りをして、夢でも見ているのかな。


 ウチは、東屋(あづまや)に戻ってきた。先ほどの女性がいる。


 「すみません、手を洗うのはどこですか?」

 「魔法できれいになるわよ」

 「魔法? ここってまさか・・・」

 「あなたから見れば、ここは異世界ね」

 「異世界?」


 「私は女神ステラ、よろしくね」

 「女神様・・・・・・ウチは宇塚井真帆です」

 「マホって呼ぶわね」

 「はい」


 ステラさんは立ち上がって、ウチに頭を下げた。


 「本当に、ごめんなさい」

 「はっ?」

 「マホをこの世界ステラシオンに召喚したのは、バーチェ王国の人なの」

 「はあ」

 「詳しいことを説明するから座って」

 「はい」


 ウチは東屋のイスに座った。


 「お腹が()いているでしょう」

 「はい」

 「これを食べて」


 器に盛られた果物がテーブルに現れた。魔法?

 オレンジ色で卵型の果物。大きなビワみたい。


 「両手を出して」

 「はい」


 ウチは両手を出した。


 「清浄魔法(クリーン)


 ちょっと手がくすぐったい。


 「これで手がきれいになったわ。魔法のことは後で教えるから、とりあえず食べて」

 「はい・・・いただきます」

 「皮が薄いから、そのまま食べられるわ」

 「はい」


 ぱくっ。


 「んー、美味しい」

 「色々と説明するから、食べながら聞いてちょうだい」

 「はい」




 ステラさんの長い説明が始まった。

 荒削りな作品ですが、とりあえず投稿します。



 ゑゐる

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