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シャイニーフェニックス~落ちこぼれ少女のヒーロー奮闘記~  作者: 影野龍太郎
第11章【ライバル!? 超天才王尾蘭の挑戦状!!】

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第87話 決着、最後は意外とあっけない?

 眩しさに瞳を閉じていた私だったけど、光が弱くなっていくのを感じゆっくりと目を開いていく。


 はたして、そこには予想通りの光景が広がっていた。


 グラウンドに立ち尽くす巨大ロボットと、何が起こったかわからずざわめく生徒たち、焦土どころか、キシンガーZの周囲はほんの少しも焼け焦げてすらいない。


 それはつまりブラック・ジ・エンドの不発を意味していた。


「ど、どういうことよ……どうして発動しないの……? ちゃんとコマンド入力したわよね? ねぇ、どういうことなのよ!?」


 レディーRはキシンガーZの中でパニックを起こしていた。


「こ、故障か何か!? こうなったらブラック・ジ・エンドは諦めて別の武器で! クラッシュナックル! デスブラスター!! リープバスター!!」


 レディーRは必死に叫ぶが攻撃が発動しないどころか、キシンガーZはもはやうんともすんとも言わなくなってしまった。


「くっそー、どうなってんのよもうっ!」


 なおもコックピットの中でもがいているらしい彼女に、私は指を一本立てると教え諭すような口調で言った。


「レディーR、冷静になってそのロボットの計器類をよーく見てみた方がいいよ」


「計器類ですって? そんなもの見たって……」


 そう言いながらもレディーRはキシンガーZのコクピットにあるモニターを確認したのだろう、愕然とした声音で呟いた。


「……エ、エネルギーが、ない……」


 そう、これこそが私の狙い。


 ロボットを無力化する方法、考えてみればそれは極めて簡単だった。


 ロボットは、そのほとんどが機械で出来ている、つまりエネルギーさえ切れてしまえば動かなくなるのだ。


 そして、まんまと策にはまってくれたというわけ……ふふっ♪ 私はキシンガーZに向かって不敵に笑いかける。


「それだけの巨体だもん、普通に動かすだけでも相当のエネルギーを使うよね? そして、バリアや光線を使えば使うほど減りは早くなる、だったらもう分かるよね?」


「うぐぐ……それじゃあさっきの無駄な攻撃や空中での追いかけっこもすべては……」


「そうだよ、あれらは全部キシンガーZのエネルギーを減らすためのもの……そして!」


 私はキシンガーZに向かって駆け出すと、その勢いのまま跳び蹴りを食らわせる!


 すでにバリアを展開するだけのエネルギーも残っていなかったキシンガーZは、その一撃をまともに食らって後ろ向きに倒れ込む!


 ズズズーン! ドガシャーン!


 地響きを立てて、ついでに校舎の一部を崩壊させながら倒れ込むキシンガーZ。


「学園がああああああああああ!!」


 泡を吹いて卒倒する先生たち。


 しまった……考えなしに蹴り倒しちゃった……ま、まあいいよね、責任はすべての元凶である蘭ちゃんに取ってもらえば……。


「すげーぞ、シャイニーフェニックス!」


「ははっ、やっぱりあんたは俺たちのヒーローだぜ!」


「もう、シャイニーフェニックスが負けるわけないって信じてたよ♪」


 倒れたキシンガーZと私を見て口々に叫ぶ生徒たち。


「なんということでしょう! シャイニーフェニックス、超天才レディーRのお株を奪う頭脳プレイでついにキシンガーZを倒しました!」


「うおおお! やったぜー!!」


「すげー、やっぱシャイニーフェニックスは最強だぜ!」


 実況の男の子が興奮気味に叫ぶと観客たちもそれに呼応して歓声を上げ、会場のボルテージは最高潮に達する。


「か、勝手に倒したことにしてんじゃないわよっ! この動け、動きなさいよ! 動け動け動け動け動け動いてよ!! 今動かなきゃ、今やらなきゃ、みんな死んじゃうんだ。もうそんなのやなんだよ!」


 レディーRがキシンガーZに呼びかけるけど、やはりキシンガーZは何の反応も示さなかった。


 ドクン! とか言って再起動、暴走でもされたらどうしようかと思ったけど流石にそれはなかったみたい。


 それにしても蘭ちゃんってば、こんな時でもしっかりとネタに走ろうとするあたりさすがだ。いや、私も人のこと言えないけど……。


「レディーR、理論派のあなたならわかるでしょ? エネルギーの切れたロボットにいくら語り掛けても無駄なことくらい」


「うぐぐ……、く……」


 私が諭すように言うと蘭ちゃんは悔しそうに歯ぎしりをする。


「とりあえずそこから出てきて。続きはそれからにしましょ」


 ややあって、深いため息と共にキシンガーZのコックピットハッチが開き、中からレディーRが渋々といった様子で出てきた。


「頼みの綱のキシンガーZは無力化されちゃったよ。まだ、やる?」


 私は蘭ちゃんに向かって呼びかける。


「く……、う……」


 悔しそうに歯噛みしながら俯いていたレディーRだったけど、やがて顔を上げるとキッと私を睨みつける。


「ふ、ふん! 仕方ないわね……癪だけど、今日のところはアンタに勝ちを譲ってあげるわ!」


 うおおおおおおおおおお!!


 それは明確な敗北宣言だった。彼女がそれを口にした瞬間、割れんばかりの歓声が沸き起こる。


「決まった! 決まりました!! 正義のスーパーヒロインシャイニーフェニックスと超頭脳帝国スーパージーニアスの対決は、首領レディーRのギブアップにより、シャイニーフェニックスの勝利という結果に終わりましたーーーー!! ある意味予想通り、しかし、勝負の内容は我々の想像を遥かに超えた、まさにスーパーなバトルでありました!」


 実況の男の子の興奮した声が会場に響き渡る。


「シャイニーフェニックス!!」


 さらに大きくなる歓声を遮るように、レディーRの声が響く。


「いい気にだけはならないでね! あくまで今回はアンタに勝ちを譲ってあげるだけよ! アタシは必ずアンタを倒してみせるわ、だから首を洗って待ってなさい!」


 そう言い残すとレディーRはマントを翻し颯爽と去って行った。


 な、なんかやけにあっさりしてるなぁ、昔ならもっとネチネチと絡んできたのに……。


 ま、いっか……。


「シャイニーフェニックス、今日もV V ヴィクトリー!!」


 私は両手でVサインを作ると、高らかにそう宣言した。


 歓声が一段と大きくなる中、私はそれに浸っていたのだけど……。


「あっ!」


 何かに気づいたように唐突に声を上げた翔くんに全員の視線が集まる。


「なんだ、どうした、氷川?」


 尋ねる一人の男子生徒に翔くんはグラウンドの方を指差しながら言う。


「あいつ、あれを放置したまま行きやがった。あれ、どーすんだ……?」


 彼の指示した先には、主人に去られどこか寂しげに横たわる、巨大ロボットの姿があった――。

お読みいただきありがとうございました。

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