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シャイニーフェニックス~落ちこぼれ少女のヒーロー奮闘記~  作者: 影野龍太郎
第10章【超決戦! シャイニーフェニックスVSヤーバン・ジーン!!】

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第65話 強すぎ! これがヒーロー、シュナイダーさんの力です!!

 シュナイダーさんによる瞬殺劇は敵の大軍団に大いに動揺を与えたようだ。

 彼らだってあの虎怪人がシュナイダーさんに勝てるとは思っていなかったはずだけど、かと言ってあそこまで手も足も出ずに負けるとも思っていなかったに違いない。

 早くも及び腰になり、逃げの体勢に入っている奴らまでいる始末だ。

「ひ、怯むな! 圧倒的に戦力差を忘れたのか! いくら奴が強くとも我らが束になればどうにでもなる!」

 虎怪人からリーダー役を引き継いだらしい怪人ががなり立てる、とっさの出来事だというのに引継ぎに関しては上手くいっているようだ。

 つまり、リーダーを倒して統率を乱すという手は使えないって事だ。

 僅かに心配になる私をよそに、シュナイダーさんは全くお構いなしといった感じで敵に突っ込んでいく。

 リーダーの言葉に落ち着きを取り戻した敵軍団は迎え撃つべく構えを取るが……。

 ドオオオン!!

 技名すら必要ないんだとばかりにシュナイダーさんが無言で繰り出した光弾によって数十体の敵が爆発四散! そして、それを合図にしたように戦闘が始まった。

 爆炎も収まらないうちに敵の集団に飛び込んだシュナイダーさんは手当たり次第に敵を殴り飛ばし蹴り飛ばす、まさに無双状態といった有様だった。

 混成部隊だからなのか、敵の強さは結構まちまちで強い奴はさっきの虎怪人クラス、弱い奴なら(しつ)の悪いギーガーク兵クラスと差があるようだけど、シュナイダーさんはそれら全てをものともしない。圧倒的な強さで次々と薙ぎ払っていった。

「つ、強いね……シュナイダーさん……」

「ボ、ボクもここまでだなんて思ってなかった……というよりS.P.Oのデータより明らかに強い、おそらく宇宙での激闘によって力を増した結果なのだろうけど……」

 呆然と呟く私に、同じく呆然としつつルビィが答える中、私はじっと戦いの行方を見守った。


「怯むな、恐れるな、自爆覚悟で行けーーー!! 仲間を巻き込んでも構わん! とにかく少しでもダメージを与えるのだ、蓄積したダメージはいずれ限界を迎える!!」

 リーダー――早くも四代目――の必死の号令により、さらに数を増した敵がシュナイダーさんに殺到する!

 しかし、これはある意味逆効果だ、シュナイダーさんがすっと身を屈めれば、挟み撃ちの形で繰り出された怪人同士の拳が互いの顔面を捉え合う。

 さらに、敵が放った破壊光線が、シュナイダーさんには効果を与えず彼の周囲にいた仲間だけを吹き飛ばすなんて光景まで発生しており、ますます敵の勢いは削がれていく。

「お、おのれぇ……! だが、我らはまだまだいるのだ!! 貴様が本当に一騎当千であろうとも、1001の戦力でかかれば……」

 ヤケクソ気味に叫ぶリーダー怪人だけど、実際奴の言ってることは間違っていない。

 さっきからシュナイダーさんは敵を倒しまくってるのに、数が全然減ってる気がしない。次から次へとわらわらわらわら出てくるのだ。

 その光景は、巣から這い出てくるアリの群れを彷彿とさせるものだった……――。

 ここはやっぱり私も戦うべきなんじゃ……私はシュナイダーさんほどの力はなくても、十数体ぐらいなら相手に出来る自信はある、二人で敵を分散させて叩けば……。

「シャイニーフェニックス、君は俺の事を信用してくれないのか?」

 ググっと拳を握りしめた私は、投げかけられた言葉にハッと顔を上げる。

 見ると、敵を殴り飛ばしながらもこちらに顔を向けてくるシュナイダーさんと目が合った。

「こいつらの目的は俺たちの消耗だ。ヤーバンとの戦いを前に君は力を使うべきじゃない。君とヤーバンは万全の状態で五分五分ってところだ、無駄に力を使えば、それだけ勝率は下がってしまうんだよ?」

 優しく諭すような口調だったけれど、その言葉は私の胸に深く突き刺さった。そうだ、確かにその通りなのだ。今回の私の最終目標はヤーバンを倒すこと。

 あいつはまだ姿を見せてないけど、戦いが続けばいずれ焦れて出てくるはず……その時に全力を出せるように力を温存しておかないと……。でも……だけど……! そんな私の心を見透かしたように彼は言葉を続ける――。

「心配はいらない。その証拠を見せてあげるよ」

 そのままシュナイダーさんは上空に飛び上がると、右手をググっと握りしめエネルギーを溜めるような仕草をしたかと思うと、地面に向かって何かを投げつけるような動作を見せる。

「バーストクラッシャー!」

 するとその瞬間眩い光が辺り一帯を照らし出す! それはまるで太陽のような光の塊!! それが地面に衝突した瞬間激しい爆発が起き周囲一体を覆い尽くす……!! そして数秒後ようやく収まった時には周囲にいた怪人達は跡形もなく消え去り、地面に大きなクレーターが出来ていた。

「す、凄い……」

 またも見せつけられたシュナイダーさんの力に呆然と呟くしかなかった。

 しかし、そんな私の耳にキイイインという空気を切り裂くような音が聞こえてきた。

 見上げ、私は絶句してしまう。

 現れたのは無数の戦闘機だった! 数が多すぎて空が見えない! 戦闘機の黒の隙間からこの異次元空間の空の薄暗い青が覗いている状態だ。

「今度は戦闘機か……本当に基地の全戦力を投入してくるつもりらしいな。まあそれならそれでいいだろう、全滅させればしばらくは地球は安泰だ!」

 そんなシュナイダーさんの台詞が聞こえた瞬間――! ズババババッ!! っと一斉に放たれるビーム砲!!! その全てが私たち目掛けて飛んでくる……! あ、危ないっ……!!

「フォースフィールド!」

 シュナイダーさんは素早く私の前に飛び出ると、両手をかざしバリアを展開する。

 キュゴゴゴゴゴゴ!! バリアに攻撃が当たり轟音が響き渡るがこちらには届かないようだ。

「シャイニーフェニックス、君はもう少しだけ下がっていた方がいい。ルビィのようにね」

 言われて私は攻撃の切れ目を見計らって大人しくその場から離れると建物の影へと隠れる。

 ここで反論しても何もならないと思ったのだ、もうこれ以上は何も言わずシュナイダーさんに任せると決めた! 信じることも戦いだ!!

 それにしてもルビィってば逃げ足が速い……いやまあ、戦闘能力がほとんどない彼にウロチョロと飛び回られても迷惑なだけだからそれはそれでいいのだけれども。

 シュナイダーさんの方はと言えば、再び放たれる敵機の攻撃を今度はバリアではなく、大きく飛び上がることで回避する。

 そしてそのまま空中を蹴るように突撃すると、戦闘機に向けて拳を突き出した。

 ズゴッ! 一撃は装甲をぶち抜き、戦闘機を爆発四散させる! 返す刀で別の機体へ回し蹴りを放つと、その胴体を真っ二つに引き裂く。

 それは空中を舞台にした戦闘機相手のシュナイダー無双第二弾の開幕の合図だった!

 先ほどの怪人軍団と同じく、シュナイダーさんはある時はパンチで、ある時はキックで、さらに時折技も交えつつ次々と戦闘機を撃破していく。

「エクスブーメラン!!」

 シュナイダーさんがブーメラン状のエネルギー刃を生み出し、それを投げつければそれが彼の手元に戻り粒子となって消えていくまでの間に30機の敵を撃墜していた……。

 しかし、敵は諦めない。キュルキュルという音にそちらに目を向ければ今度は戦車隊のお出ましだ。

 空と陸、両方からの攻撃に流石にこれはシュナイダーさんでも厳しいかと思う間もなく、彼は腕を天高くつき上げるようにかざし叫ぶ。

「フラッシュレイン!」

 撃ち出された光弾が空中で弾けると、名前の通りに光の雨となって敵へと降り注ぐ!

 それだけで第一陣が壊滅し、さらに追加で現れた戦車や、次々と飛来してくる戦闘機も全て同じ運命を辿るのだった……!

 シュナイダーさんの戦いを見てて私が最も感心させられるのは、その手際の良さだ。ただ強いだけじゃこうはいかないだろう……きっと今までにも何度も修羅場をくぐり抜けて来たんだろうなあと思わせる戦いぶりだった。

 しかしそれにしても……減らない……! 全く敵が減る気配がない……。

 正確な数なんて数えられるわけもないけど、シュナイダーさんはすでに総計1000近い敵を撃墜してるはずなんだけれど、それでもまだ敵の増援が来るんだから本当にキリがないというかなんというか……。

 敵はいったいどれだけの戦力を投入してきたというの……?

 私、こんな連中を相手にしてたんだ……。シックザールクリスタル狙いじゃなければ、本当に地球なんて数時間――ううん、数十分で焦土化させられるほどの戦力を有してたんだ……!

 でも、シュナイダーさんはそんな奴ら相手に一歩も引かずに戦っている……私も、それが出来るくらいに強くならないと……!

 改めて決意を固める私の視線の先では、敵機の残骸の山の上でシュナイダーさんが吠える。

「雑魚などいくら出してきても俺は倒せんぞ!」

 ヤーバンに呼びかけてるんだ、あいつを引きずり出すために……。

 しかし、ヤーバンは出てこず、代わりとばかりに、今までとは違う形状の大型飛行物体が飛来してきた。

 そして、シュナイダーさんの頭上で停止すると、下部ハッチがゆっくりと開いて行く。

 そして、何か……とてつもなく巨大な物体が地響きを立てて地面に降り立った!

「う、あああ……」

 地響きを立てる()()()の姿に私は呆然と呻き声を上げるしか出来ないかった。

 それは……まさにフィクションの中にしか存在しないであろう大怪獣だったのだ!

 私はヒーロー物は全部大好きだけど、『仮面ファイター』なんかの等身大ヒーローと比べて、『アルテメマン』などの巨大ヒーローに関しては『実在感』という面においては劣ると思っていた。

 だって、等身大のヒーローなら、どこかに実在しててこっそり隠れて正義を行っているかもって夢を持てるけど(実際シュナイダーさんはいたわけだし)、巨大ヒーローはそうはいかない、現れた時点で大騒ぎ確定で隠れてどこかにいるなんて無理があるからね……!

 だから当然その敵役であるところの怪獣なんてのも、リアルに存在なんてするわけはないと思ってたんだ。

 だけど、今この瞬間からその考えをあらためる必要があるみたい……! 何故なら目の前に本物の怪物が現れたからだ!! 体長100メートルはあるだろう巨大な生物が私たちを見下ろしている……!!

 特撮とは全く違う、リアルな巨大生物はカッコよさも、可愛さも、コミカルさも感じない。ただただ、恐怖の対象としてそこに存在していたのだった……。

「どうだ、シュナイダーよ。これぞ我らの切り札、数百体の怪人を合成して作り上げた、超魔獣、名付けて『ビヒモス』よ!!」

 怪獣の肩の上で、指令役と思われる怪人が叫ぶ! そして、その声に呼応するかのように、巨獣はその大きな口を開くと、そこから咆哮を発したのだ……!

「グオオオォォォン!!!」

 大気を震わすような重低音! 私は思わず耳を押さえる。少し離れた場所だというのにこの迫力……ほんとにとんでもない相手みたいだ。

 だけど、シュナイダーさんは巨獣を目の前にしても、全く臆した様子を見せなかった。

 それどころか、無造作に歩み寄って行く始末だ。

 ちょ、ちょっとシュナイダーさんってば、もうっ、いくら何でも無謀すぎ!!

「グルルルルルル!!」

 案の定というべきか、巨獣はシュナイダーさんに血走った目を向けると、口をバカッと大きく開きそこから猛烈な熱線を吐き出したのだ……! その威力たるや凄まじいもので、瞬く間に地面を融解させていく……!!

 ひぃぃっ、ここまで熱が伝わってくる……。私は縮こまり壁に隠れる。

 情けないと思われるだろうけど、こいつは見た目があまりにも恐ろしすぎるのだ……。

「エクスブレード!」

 シュナイダーさんは慌てず騒がず手の中に一振りの剣を出現させると、その場で横なぎに一閃する!

 ビシュッ! その剣が生み出した衝撃波は炎を切り裂き、巨獣の身体に裂傷を負わせた。

 怯む巨獣の隙を見逃さず、シュナイダーさんは一気に駆け出す!

「せっかくの登場で悪いが、一気に行かせてもらうぞ! エネルギーチャージ!!」

 シュナイダーさんの叫びに呼応し、剣が激しく発光する!

 そして、巨獣の目前まで迫ると、彼は一気に跳躍し巨獣の頭上まで飛び上がった! そして、その姿を追うように顔を上げた巨獣の顔面目掛けて、一気に剣を振り下ろすのだ。

「シュナイダーフィニッシュ!!」

 ズバアァァァンッ!! 凄まじい閃光と共に放たれた斬撃により、巨獣は顔面から真っ二つに切り裂かれ、左右に分かれて倒れていく……。

「ば、馬鹿なぁ……!?」

 哀れ、指令を与えていた怪人は、そんな事を叫びながら、地面に真っ逆さまに墜落すると、巨体に押しつぶされて絶命してしまったのだった……。

 私はもはや驚くことも出来ず、ただ視線の先のヒーローへと尊敬と憧憬の念を送るだけだ。

 しかし、切り札ともいえる大怪獣を倒されてもなお、敵はまだ諦めず攻撃を仕掛けてくるのだった。

 ヤーバンは、まだ現れない――……。

お読みいただきありがとうございました。

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