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シャイニーフェニックス~落ちこぼれ少女のヒーロー奮闘記~  作者: 影野龍太郎
第1章【変身! 夢のスーパーヒロイン!!】
4/112

第3話 シャイニーフェニックス、堂々デビューです!

 街の上空に着くと、私たちは地上に降り立った。


「みんな、早く逃げて!」


 私は大声で叫ぶと、逃げ惑う人々を誘導する。


「な、なんだあんた、プチピュアのコスプレか!?」


「自称宇宙人のバケモンの次はコスプレ娘かよ、どうなってんだ……?」


 まあ、当然の反応と言えば反応だよね……。


「とにかく、急いで避難してください、その自称宇宙人はとっても危険なんです!」


 私は叫ぶけど、避難は遅々として進まない、やっぱりみんなまだ信じられないみたい……。


「市民を避難させるよりも、元凶を断つ方が早いかも知れんな」


「そうですね」


 シュナイダーさんに答えると、私は騒ぎの中心部へと向かって走り出した!


「はっはっはっはっ、怯えろ、逃げ惑え! シュナイダーの野郎にやられた憂さ晴らしだ!!」


「む、無駄な抵抗はやめろ、止めんと撃つぞ!」


 中心部ではあの鬼みたいな怪人ブーミと警官隊が対峙していた。


 ブーミの後ろには無数のギーガーク兵と……な、なにあれ……?

 ギーガーク兵の真ん中にはまるでカエルを擬人化したかのような姿の怪物がいた。


「あれはオドモンスターだな、ブーミの奴め、あんなのを連れてきたのか」


「オドモンスター?」


「ギーガーク帝国の侵略兵器だ、その星の生物にオドエネルギーを浴びせ怪物化させて操る」


 私の疑問にシュナイダーさんが答えてくれる。


「じゃあ、あれはカエルを怪物化させたものなんですか!?」


 私は驚いて尋ねた。


「だろうな、それはともかく、行くぞ。地球の警官隊ではどうこうできる相手じゃない」


「はい!」


 私は返事をする。

 しかし、私たちが駆けだすよりも早く、警官隊が暴れるのをやめようとしないブーミに向けて一斉に拳銃を発砲した!


 パンパンパン! とテレビの中でしか聞いたことのなかったような乾いた音が響く!


「見たか、化け物め!」


 警官の一人が口元に笑みを浮かべながら言った。


 しかし、すぐにその表情は驚愕に変わる。


「な、なにぃ!?」


 彼の視線の先を見ると、銃弾を受けたはずのブーミの身体には傷一つ付いていなかった。


「ば、バカな、なぜ効かないんだ……?」


 警官たちが動揺する中、ブーミはニヤリと笑うと両手を前に突き出す。

 すると、その手の中に光が収束していく……。


「まずい、総員たい……」


 撤退しようとする警官隊、だけど、遅い……!


 ブーミが光弾を放つ、私は思わず目を伏せた。


「げえっ」


 ブーミの悲鳴が聞こえてきた。


 私はゆっくりと目を開ける。

 そこには、ブーミの放った光弾を片手で受け止めるシュナイダーさんの姿があった。


「シュナイダーさん!」


 私はシュナイダーさんの元へと駆け寄る、そして警官隊の方を向くと言った。


「逃げてください!」


「な、なんだ、あんたらは何者だ……?」


 聞かれて私は逡巡する、こういう時どういえばいいんだろ?


 だけど、私は一番シンプルな答えを返すことにした。


「正義の味方です!」


 警官はポカンと口を開けているけど、とりあえずそちらは気にせず私はブーミに向き直る。


「シュナイダー、貴様、また邪魔をするのか!」


「当たり前だ、お前こそ懲りない奴め!」


 ブーミの言葉にシュナイダーさんはビシッと指を突き付け叫ぶ。


「おのれ、だが今度はさっきとは違うぞ、オドモンスターがいるんだからな!」


 自信満々と言った様子でブーミが言う、そして、私に視線を向けると言った。


「ところで何だその小娘は、子守りのバイトでも始めたのか? 子供同伴で来るなんて舐めてるなぁ!」


「なっ!?」


 私は絶句する。

 ブーミは私がさっき自分が殺しかけた女の子、香取みうだってことには気づいていないみたい。


 変身しても顔自体は完全に露出してるしそのままだけど、服装や髪、雰囲気なんかが変わってるから正体に気づかれることは(おそらく)ない。

 秘密の正義の味方としてはその方が都合がいいからそれはいいのだけど、変身してもなおお子様扱い、それどころかまるで赤ちゃんかのような扱われ方に私はわずかに怒りを覚えた。


 まあ確かにさっき宇宙戦士になったばかりの見習いだけどさ。強そうな姿になったとは言い難いけどさ。


 私が頬を膨らませてブーミを睨んでいると、シュナイダーさんが私の肩に手を置きながら口を開いた。


「フ……。子供などと侮ると痛い目を見るぞ、この子は俺の後輩なのだからな」


「何、後輩……? まさか……!?」


 シュナイダーさんの一言でブーミの顔色が変わる。


 シュナイダーさんは私のことを見せつけるかのように片手を広げ言う。


「そう、この子は俺が地球で見出した新たなる宇宙戦士! 今後お前たちにとって最大の敵となる存在だ!」


「な、なんだと……。貴様が、見出した戦士だとぉ、その小娘が……?」


 ブーミは驚愕の声を上げる。


 シュナイダーさんはブーミたちに聞こえないよう小声で私に囁く。


「さあ、君の初仕事だ、やつらに教えてやるんだ。この地球を守る戦士の名を……君の名を!」


 私はシュナイダーさんの言葉に力強く答える。


「はい! わかりました!」


 私は胸の前で両手を握り締める。

 そして、ブーミたちを睨むと高らかに名乗りを上げた!


「私は、シャイニーフェニックス! ギーガーク帝国、あなたたちの野望は私が打ち砕く!!」


 ビシッと指をブーミに向け私は言い放つ! 決まった! 私は内心ガッツポーズを取る。


「シャイニーフェニックス……。フハハ、面白い! その実力のほど試してやる、ギーガーク兵よ、やってしまえ!!」


 ブーミの後ろに控えていたギーガーク兵が一人歩み出てくる。

 うう、相変わらず不気味な顔……。


「シャイニーフェニックス、ここは君に任せる、その力を俺に見せてくれ。大丈夫、ギーガーク兵なんて大した相手じゃない、それに、危なくなったらすぐに助けに入るから」


 シュナイダーさんがそう言ってくれた。


「そうそう、これもついでに言っておくけど、ギーガーク帝国の連中はほとんどは生体工学を利用して作り出されたバイオロイドなんだ、だから、気にすることなく倒しても大丈夫だ」


 続けてシュナイダーさんがしてくれた説明に私は少しだけホッとする、いくら悪い奴らでも、人を殺めるのはやっぱり嫌だしね。


「はい、わかりました!」


 気にすることもなくなった私は元気よく返事をする。

 そして、私はファイティングポーズを取ると、ギーガーク兵と対峙する。


「ギガ!」


 ギーガーク兵はどこからともなく剣を取り出して私に斬りかかってくる。


 って、ファイティングポーズ取ってみたはいいものの、私戦い方なんて……。

 思った瞬間、私の身体は勝手に動いていた、わずかに体を引くと鼻先数センチのところを敵の刃が通り過ぎる。


 え……なにこれ? 私は自分でも驚くほど冷静だった。


 私は相手の懐に飛び込むと、思い切りボディブローを叩きこむ!


 ドゴォッ!!


 鈍い音が響くと同時に敵は吹き飛び壁に激突する。


 私は自分の拳を見つめる。


 やった……はいいけど、自分でもあまりのパワーにビックリだよ! これが、宇宙戦士の力、SPスーツの力なんだ……。


 戦い方が……動き方がわかる、格闘技も喧嘩もとにかく戦いと呼べるものを一切したことのない私なのに、まるで昔からずっとこういうことをしてきたかのように自然に体が動く。

 それに、体も凄く軽い、今ならフルマラソンを全力疾走しても息切れ一つしないんじゃないかな。


 私はふと、シュナイダーさんの方を見る。

 シュナイダーさんは私の視線に気づくと、グッと親指を立ててくれた。


 シュナイダーさん、ありがとうございます! 私は心の中でお礼を言う。


「フン、小娘でも一応は宇宙戦士か、おい、今度は全員でかかれ!!」


 ブーミが指示を与えると、残ったギーガーク兵がすべて私に向かってきた。


 ええええ、い、いくら何でも多すぎない!?


 シュナイダーさんは私が瞬きする間に無数のギーガーク兵を瞬殺して見せたけど、流石に私にあれが真似できるとは思えない。


 とはいえ少しずつでも数を減らさないと!

 私はとりあえず、一番近くにいたギーガーク兵の顔面にパンチを叩きこんだ。


 ドゴッ! 鈍い音と共にギーガーク兵は吹き飛ぶ。


 だけど、次の瞬間、背後から別のギーガーク兵が斬りかかってくる! 私は咄嵯に身を屈めその攻撃をかわす。

 そして、そのまま足払いをかけると、倒れたギーガーク兵の顔を思い切り踏みつける! グシャッ! ギーガーク兵は悲鳴を上げる間もなく活動停止する。


 その後も私はギーガーク兵の攻撃をかわしつつ奴らを撃退していった。


 ややあって、我に返った私は慌てて周囲を見回す。


 すると、いつの間にか周囲にはギーガーク兵の残骸が転がっていた。


 ど、どうしよう……。


 私、戦い方とか全然わかんなかったのに……。あっさりと奴らを全滅させちゃった……。


 でも、不思議と恐怖感はない、それどころか、自分がどこまでやれるのか試してみたいという気持ちさえ湧いてくる。


 これが、戦うということなんだ……。


 私は改めてSPスーツ、そして変身した自分の力に驚くのだった。


「凄いな、いくらギーガーク兵が弱いとはいえ、初めての戦闘でここまでやれるとは……。やはり君の適性値0は何かの間違いだったのかも知れんな」


 シュナイダーさんが私の戦いぶりに驚きの声を上げた。


「いえ、そんなことは……。私、自分でも驚いています」


 私は謙遜しつつも、自分の実力に自信を持ち始めていた。


「そうか、だが、油断は禁物だぞ」


「はい!」


 私は返事を返すと、言われた通り油断なくブーミを見据える。


「チッ……、やはりギーガーク兵では無理か、だが……ククク、こいつはどうかな?」


 そう言ってブーミは沈黙を保ったままだったカエルの怪物に目を向ける。


 う……確かに、こいつの全身から感じるパワーはギーガーク兵の比じゃなさそうだ……。


 さっきまでのギーガーク兵は所詮雑魚ってわけね……。


 私は緊張しながら身構える。

 しかし、私の前にシュナイダーさんがずいと歩み出る。


「シュナイダーさん?」


「流石にまだ戦い慣れていない君では、オドモンスターを相手にするのは厳しいだろう。俺がやる、君は後ろに下がっているんだ」


 言われて私は後ろに下がりかける、だけど、思った。

 本当にそれでいいの? 今はいいとしても、これから先シュナイダーさんが宇宙に戻った後私は一人で地球を守っていくんだよ?


 シュナイダーさんのしてくれたオドモンスターの説明通りなら、ギーガーク帝国はあれをいくらでも作り出して送り込めるってことでしょ?

 だったらせめて一体ぐらい一人で倒せるレベルにはなっておかないと……。

 それに、私だってシュナイダーさんに守られてばかりじゃいられない!


「いえ、私一人でやります!」


「何を言っているんだ。まさかさっきの戦いで過信したのか? だったらそれは危険だぞ?」


「違います、だけど、私はやらなきゃならないんです。私、シュナイダーさんに守ってもらうために宇宙戦士になったんじゃないんです、みんなを……シュナイダーさんも含めたみんなを守るために宇宙戦士になりたいと思ったんです! だから、私は戦います! そして、必ず勝ってみせます!!」


 私は自分の想いをぶつける。


「…………」


 シュナイダーさんは黙ったまま私を見つめる、そして諦めたように肩をすくめる。


「一度決めたらテコでも動かないのは、さっきのでよくわかった、仕方ないな。だけど、危なくなったら君が嫌だと言っても俺は助けるからな」


 シュナイダーさんはため息交じりに言った。


「わかってます」


 シュナイダーさんに返すと、私は一歩踏み出した。


「話は終わったか? ククク、なかなか感動的なやり取りだったぞ、だが、すぐに泣いてシュナイダーに助けを求めることになる、ククク」


 ブーミは薄気味悪い笑みを浮かべながら言う。


「いいから、さっさとかかってきなさい!」


 私はブーミを無視して、カエルに向けて言う。

 しかし、カエルはゲコゲコと喉を鳴らしているだけだ。


 こいつも不気味だなぁ、それにぬらぬらとテカってなんか気持ち悪い……。

 私はカエルは別に嫌いってわけじゃないけど、この見た目はちょっとね……。


 私は警戒しながら、ゆっくりと近づく。


 すると、突然、私の目の前に何かが飛んできた! 私は咄嵯に身を屈めそれをかわす。


 なに!?


 私は身を起こしてカエルに目をやると、今の攻撃の正体を察する。


 大口を開けたカエルの口から伸びた舌が、ちょうど口の中へと戻るところだったのだ。


 なるほど、流石カエルの怪物、あの舌がさっきの攻撃をしてきたのね……。


 再び舌で攻撃されることを警戒しつつ、私は身構える。


「ゲーコゲコー!!」


 その時、カエルが一声吠える!

 そして、私に向けてダッシュをかけてきた。


 ……は、速い……!?


 私が反応するよりも早く、カエルの振り上げた腕は、私を捉えていた……。


 ドッゴーン!!


 衝撃でアスファルト舗装された地面はひび割れ陥没し、辺りに砂煙が立ち込める。


「フッ……」


 カエルは勝ち誇ったように鼻を鳴らすと、ゆっくりと拳を下ろす。

 だが、次の瞬間、カエルの虚ろな瞳が確かに驚愕に見開かれる。


 土煙の中から、無傷の私が現れたからだ。


「いったーい、なんてことするのよ、服が汚れちゃったじゃない!」


 私は怒りの声を上げながら、パンパンと服に付いた土ぼこりを手で払う。


「ば、馬鹿な、あの攻撃を受けて無傷だと……?」


 ブーミが驚愕の声を上げる。


 確かに、あのカエルは凄いパワーだった、私も一瞬本気で潰されちゃったかと思った、だけど、さっきからずっと私の身体の周り覆っている目に見えないバリアはその威力をほとんど殺してくれたのだった。


 それでも軽く頭をぶつけた程度の衝撃と痛みはあったんだから、本当に恐ろしいパワーだ。


 だけどあえて私は余裕を見せブーミに言ってやる。


「私も自分で驚いてるの、私……かなり、強いみたい!」


 私はそう言うと、カエルに向かって駆け出した! カエルは慌てて舌を伸ばしてくるが私はそれをジャンプしてかわすと、そのままカエルの顔面に蹴りを入れる! 


ドガッ! と鈍い音と共にカエルは後ろに倒れ込んだ。

 私は着地すると、すかさずカエルに飛び掛かる。


 だけど、カエルは両足で私を蹴ってきた。私は咄嵯に両手を交差させガードする!


 ドカッ!


 カエルの足は私の腕に直撃し私は勢いよく後方に吹き飛ばされて地面に叩きつけられた。


「ぐっ……」


 私は思わず声を漏らす。


 な、なにこれ、すごい力……。カエルだけに腕力よりも脚力により自信ありってわけね……。

 私は両腕に走る痺れに驚く。


 でも、この程度なら……!


 そう思いつつ、体を起こし構える、その時カエルがまた口を開くのが見えた。


 また舌で攻撃してくるつもり? でもこの距離なら余裕で避けられるよ!


 だけど、カエルの口から飛び出したのは舌ではなかった、なんと、燃え盛る火の玉が飛んできたのだ! え? なに? 火? カエルなのに!?


 私は咄嵯に身を屈めると、炎の塊は私の頭上を通り過ぎていった。


 そして、背後にあった電柱にぶつかると、その表面を溶かしながら爆発を起こす!


「きゃあああ!」


 私は悲鳴を上げながら、慌ててその場から飛び退く。


 な、なによ今の威力……。あんなの当たったらひとたまりもないよ……!? 

 私は冷や汗をかきながら身構える。


「ゲコゲコ、ゲコゲコ!!」


 カエルはまるで笑っているかのような鳴き声を上げると、口を開き今度は連続して火の玉を飛ばしてきた! 私は必死に避け続ける!


 ……くっ、このままじゃまずい、なんとか反撃しないと!


 だけど近寄ることも出来ない、せめてこっちにも飛び道具が……。


 思った瞬間私は『思い出した』、これはSPチェンジャーによって私の頭にインストールされた情報の一つだ、そう、今の私、宇宙戦士シャイニーフェニックスには様々な技もある! 徒手空拳だけが全てじゃない! 私はカエルに向けて指を二本突き出す。


 私の謎の動きにカエルが一瞬怯む。


「ファイアショット!!」


 カエルの火の玉と同じ……ううん、それ以上の威力の火炎弾が私の指先から放たれる! それはカエルの放った火の玉を飲み込み、カエルの身体に直撃する!


 ドゴーン!! カエルは爆発と共に後方に吹き飛ぶ! やった上手くいった!


 だけどカエルは倒れない、あっさり起き上がると、再び火の玉を放ってくる。


「ファイアショット連発!!」


 私はカエルの火の玉を自分の火炎弾で迎撃する、そしてそれに合わせてダッシュする。


 バンバンバン!! と空中で炎同士が激突し、あたりに火の粉をまき散らす。


 それに紛れてカエルに肉薄すると、私はカエルのブヨブヨのお腹に向けて拳を繰り出す!


「はあああっ!」


 ドゴッ! と凄い音を立てて突き刺さる拳。


「グゲッ……」


「だだだだだだだっ!!!」


 さらに私は拳の連打をカエルに打ち込む! カエルの身体はボコボコと波打ち、口からは血のような液体が漏れ出す。


「てりゃあっ!」


 最後に一発回し蹴りを喰らわせると、カエルは後方に吹き飛び、地面に倒れ込んだ。


 これで、どう!?


「え、ええ?」


 私は思わず呻く、ダメージを受けたのは確かだけどカエルはまだ倒せていない。

 カエルはゆっくりと立ち上がると、私を睨んでくる。


 し、しぶとい……!


 勝負は私の優勢だけど、このままじゃらちが明かない、SPスーツのおかげで強化されてるとは言え元が体力に自信のない私、このままダラダラ戦い続けてたらいずれスタミナ切れで負けちゃうかも……。


 ……なら、大技で決めるしかないね!


 SPチェンジャーからもたらされる知識から、私は自分の最大の必殺技を導き出す。


 私は両手を前に突き出すと、そこにエネルギーを集めるように念じる……。


 すると、両手の間に光の球体が現れる! これが私の最大最強の必殺技だ!! 私は両手を振り上げると叫ぶ。


「シャイニーファイナルエクスプロージョン!!」


 気合と同時に腕を振り下ろす、光球はカエルに向けて一直線に突き進む。

 避ける間も防御する間もなく、カエルの身体に直撃する!

 

ドッゴーン!!!

 

 凄まじい閃光と爆風が辺りを包み込む!

 光が収まると、そこには大きなクレーターが出来ていた。


 ペタンと、突然私の頭に何かが張り付いてきや、何事と驚きつつも私は手で『それ』を掴むと、その正体を確認した。


「キャアッ!」


 それは一匹のカエルだった、もちろん怪物ではなく普通の大きさの。


 そっか、あのカエルの化け物の素体にされてたカエルくんなんだ、カエルくんは私の手をするりと抜け出すとケロッと小さく鳴き声を上げて去って行った。


 私はそれを見送りホッと胸をなでおろすが、まだ終わっていないことを思い出し、気合を入れなおす。


 しかし……。


「オドモンスターがやられるとは……。おのれシャイニーフェニックス、貴様の名忘れんぞ!!」


 そう言い残すと、ブーミは一目散に逃げて行った。


 あ、あっさり逃げちゃった……、なんなの、あいつ……。


 私は拍子抜けしつつも、今度こそフーッと大きくため息をつく。


 ホッとした途端、私の胸に熱いものが込み上げてくる……!


 それは、勝利の喜びだった。


 私は思わずガッツポーズを取る! やった! 勝ったんだ! 私はピョンと跳ねて喜ぶと、すぐにハッと我に返る。

 シュナイダーさんがこちらを見ているのがわかったからだ。


 シュナイダーさんはゆっくりと私に歩み寄ると「すごいじゃないか、まさかここまでやるなんて!」と最大の賛辞を送ってくれた。


 私は嬉しくなって、つい頬を緩めてしまう。


「ありがとう……ございます!!」


 その時、パチパチという音とともに歓声が上がった。


 周囲を見回すと、街の人たちが私に向けて感謝の気持ちを込めた拍手を送っているのが見えた。


「ありがとう! シャイニーフェニックス!」


「俺たちの街を守ってくれてありがとよ!」


 そんな声も聞こえてくる。


 これが、これが……夢見てたヒーロー、なんてすがすがしい気分なんだろう! 私は胸いっぱいに空気を吸い込むと、思いっきり吐き出す。

 そして、手を大きく上げるとそれをぶんぶん振りながら、言った。


「みんな、ありがとーー!! これからも地球はこのシャイニーフェニックスが守るよーー!!」


 私が笑顔でそう宣言すると、一際大きな歓声が響き渡った……。



「さて、そろそろ戻らないとな」


 勝利の余韻に酔いしれている私にシュナイダーさんが声を掛けてきた。

 私は慌ててシュナイダーさんの方を見る。


「あ、はい! そうですね」


 そう答えると、私は街の人たちに手を振りつつ、空へと舞い上がるのだった。


 私たちはさっきの山中の森へと戻ってきた。

 地面へと着地した私は、変身を解除する。


 光が弾け香取みうの姿に戻った私はいきなり眩暈に襲われる。


 あ、倒れる……。


 しかし、私が倒れるより早く、シュナイダーさんが私を抱き留めてくれたのだった。


「大丈夫か?」


「あ、はい……」


 私はそう答えつつも、シュナイダーさんの胸の中で少しだけ休ませてもらうことにした。


 しばらくして、私はようやく落ち着きを取り戻す。


「すいません……もう大丈夫です。」


 私はシュナイダーさんの腕の中から抜け出し、ペコリと頭を下げる。


 シュナイダーさんの話によれば、SPスーツを纏って戦うという行為は酷く精神と体力を消耗するらしい。

 特に今回は初めての戦闘だったので、倒れそうになるぐらい疲れてしまったみたいだ。


 シュナイダーさんは私を気遣ってくれたのか、「今日はゆっくり休むといい」と言ってくれた。


「それにしても、君があそこまで戦えるとはな。この調子ならすぐ一人前になれるよ!」


 シュナイダーさんは少し興奮気味に私を褒めてくれる。


「えへへ……ありがとうございます!」


 私は照れ笑いを浮かべる。

 シュナイダーさんに認めてもらえるのは素直に嬉しい。


「さて、とりあえず、しばらくは俺と共に戦ってもらうことになるが……」


 とシュナイダーさんが今後についての話を始めようとしたとき突然ピピピッ! と電子音が鳴り響いた。


 音の出所を探ると、それはシュナイダーさんが身に着けたSPチェンジャーから発せされていた。


「通信か」


 呟き、シュナイダーさんはSPチェンジャーを操作し通信を始める。

 相手はきっとS.P.Oの人だろう。


「こちらシュナイダー。はい……はい……ええっ、なんですって!? いえ……すでに適格者は見つけましたが……。ちょっと待ってください、この子はまだ見習いで訓練すら……」


 なんか、少しもめているようだ。

 私は不安になってシュナイダーさんの顔を見つめる。


 シュナイダーさんはしばらく何かを話していたけど、やがて諦めたようにため息をついた。


「わかりました、では、すぐにでも……」


 そうして通信を終えたシュナイダーさんは、私の顔を見つめると申し訳なさそうに言った。


「ごめん、みうちゃん。俺は宇宙に戻らなければならなくなった。本当なら君がもう少し成長するまで一緒にいてあげたいんだが……」


 え……。


 その言葉に私は愕然とする。


 そんな……せっかくシュナイダーさんと一緒に戦えると思ったのに……。


「ごめん」


 表情に出てしまったのか、シュナイダーさんがもう一度謝ってきた。


「あ、いえ。ちょっと驚いただけですから、気にしないでください」


 私は慌ててそう言うと、笑顔を作る。

 そして続けて言った。


「シュナイダーさんが宇宙に戻らなければならないのはわかってたことです、 大丈夫! 私一人でもやれます!」


 嘘だ、本当は不安で仕方がない。

 でも、そんな気持ちは表に出さない! シュナイダーさんを困らせたくない!


 私の言葉をシュナイダーさんは黙って聞いてくれている、私はさらに続ける。


「シュナイダーさんが地球に来たのは自分の代わりに地球を守ってくれる人を探すためだったんでしょう? 私は半ば無理やり宇宙戦士にしてもらったみたいなものだけど……。それでも、シュナイダーさんに選んでもらった以上は精一杯頑張りますから安心してください!」


 そう言ってガッツポーズをして見せる。


「みうちゃん……しかし……」


 私の空元気が逆効果だったのか、余計に心配そうな声を上げるシュナイダーさん。

 ダメだ、これじゃ……。このままだとシュナイダーさん、S.P.Oに逆らってでも私と一緒にいるとか言い出しかねない。


 ならばと私は上目遣いでシュナイダーさんを見つめながら言う。


「それとも、私じゃ頼りにならないって思いますか?」


 シュナイダーさんはハッと息を呑む。

 そして、観念したようにため息をつくと、私に言った。


「わかった、君がそこまで言うなら……。でも、本当に無理だけはしないでくれよ」


 うう、シュナイダーさん、優しいよぉ……本当はずっと一緒にいられたらいいんだけどなぁ……。

 私はシュナイダーさんの優しさに涙が出そうになる。

 でも、自分で決めたんだ、私はシュナイダーさんに甘えるために宇宙戦士になったんじゃないんだ。


 私はシュナイダーさんに笑顔を向けると、言った。


「大丈夫です! 任せてください!」


「俺も他の星の目処がついたら、必ずまた地球に来て君の手助けをすると約束しよう。だから、それまで決して無理はせず自分のペースで頑張ってくれ」


 言ってシュナイダーさんは私に右手を伸ばした。

 握手だ! 私はその手を両手でぎゅっと握り締める。

 シュナイダーさんの手は大きくて温かかった……。


「シュナイダーさん……」


 私がシュナイダーさんの顔を見上げると彼は一つ大きくうなずいた。


「頑張れみうちゃん、いや……宇宙戦士・シャイニーフェニックス!」


「はいっ!」


 答えると同時に手が離れる……。


 そして、上空から光が降り注ぐと、シュナイダーさんはその中へと消えた……。彼の宇宙船への転送光線だ。


 私は光の柱を見上げながら、シュナイダーさんとの別れを惜しむ。


 寂しいけど、でも、私ならできる、私一人でも頑張れる! そう自分に言い聞かせ、気合いを入れる。


「あっ!」


 とここで私はあることを思い出した。


 シュナイダーさんの素顔、見せてもらってない……。

 最後に見せてもらえばよかった……。


 だけど、すぐに違うと気が付いた、『最後』じゃない。だってシュナイダーさん言ったじゃない、必ずまた地球に来て君の手助けをすると約束しようって、だったら素顔を見せてもらう楽しみはその時まで取っておくべきだよね! 私はそう結論付け、その場を後にした。


 もう私の顔には悲しみはない、次に会う時もっと成長した自分を見てもらうんだ、シュナイダーさんの素顔を見せてもらうんだ、そう考えるとなんだかスキップなんかしちゃいそうだった。


 その夜、久しぶりに早く帰ってきたパパ<香取 大介(だいすけ)>と、先に帰って来てたママと一緒に夕食を囲んでいた時……。


『続いてのニュースです、本日午後4時ごろ、紗印(しゃいん)市の市街地に、ギーガーク帝国を名乗る謎の一団が現れ、テロ活動を行いました。幸いにも死者は出ませんでしたが、負傷者が数名出た模様です。なお、この謎の集団は、突如現れた正義の味方を名乗る謎の戦士によって撃退され、現在も警察が捜査中とのことです。こちらが視聴者から提供された謎の戦士の映像になります』


 ぶっと画面に映し出された『謎の戦士』の姿に、私は思わず口に含んでいたお茶を吹き出した!


「ゲホッ! ゴホ!  ゲフッ!」


 咳き込む私を見て、隣に座っていたママが心配そうに声をかけてくる。


「ちょっと、どうしたのみう? 大丈夫?」


 私はなんとか呼吸を整えて答える。


「だ、だいじょう……大丈夫だよ、ママ。ケホンッ!」


「そう? ならいいんだけど……」


「ははは、一気に飲むからだよ。みうはあわてんぼさんだなぁ」


 パパがそう言って笑う。うう、恥ずかしい、でも、いきなりテレビに『あんなの』が映し出されたら、ねぇ……。


「しかし、ギーガーク帝国とか謎の正義の味方とか、まるでお前の大好きなヒーロー特撮番組だな、みう」


 パパの言葉に答えたのはママだった。


「そうねぇ、ところで、この正義の味方の女の子、少しみうに似てない?」


「そうか? 俺はみうの方が断然可愛いと思うぞ」


「もう、あなたったら、親バカなんだからぁ」


「はっはっは、何を言うか、みうは世界一だ!」


「はいはいわかったわかった」


「なんだ妬いてるのか由希奈? もちろんお前も世界で一番さ!」


「はいはいありがとー」


 そんなやり取りをする仲良し夫婦を眺めながら、私は内心ドキドキしつつ、「あはは」と笑ってごまかしていた。


「ふう……」

 食事を終え自分の部屋に戻ってきた私は、ドアをしっかり閉める。

 これで少しぐらい騒いでも大丈夫なはず……。


「うふ、うふ、うふふふふふふふ……」


 さっきのニュース映像を思い出し思わず笑いが込み上げてきた。


 さっきは大変だったよ、テーブルの上に上がって「よっしゃーー!!」とか叫び出したい衝動を抑えるのが……。


 ニュースにどアップで映った『謎の戦士』それは、紛れもないシャイニーフェニックス! つまり、この、わ・た・し!! だったんだもの!


「ああ、私ってばなんて素敵なのかしら!」


 私はベッドの上でゴロンゴロンと転げ回る。


 もしかしたら夕方のことは全部丸ごと夢だったんじゃないかって思ったけど、やっぱり現実だった!

 映像で客観的に自分が変身し戦う姿を確認できたことで、その事実を確信した!


「うふ、うふふふ……」


 私は枕に顔を埋めてニヤケる。


 私ってば、本当にヒーローになったんだ! 念願の正義のヒーローに!!

 ……って言ってもまだ見習いだけど……。

 でもでも、すぐに正式なヒーローになれるんだから!!


 私は思わずベッドの上で飛び跳ねる、ギシギシいってるけど気にしない!!


「よーし、ギーガーク帝国、いつでもかかってきなさい!! 正義のヒロイン、シャイニーフェニックスがいくらでも相手してあげるんだからーーー!!」


 おかしいぐらいのテンションで跳ねまわる私、今日は全然眠れそうになかった……。



 でも、だけど……この時の私は全然気づいていなかった。

 正義のヒーローっていうのは、私の思ってるような、簡単なものでも、楽しいものでもないことを……私はこの時はまだ何もわかっていなかった。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 時は少しだけ戻りシャイニーフェニックスが街でブーミたちを撃退した直後の出来事――



 地球の衛星軌道上、そこに我らギーガーク帝国のシックザールクリスタル地球探索部隊の移動要塞基地が浮かんでいる。

 この要塞は我らが誇る最新鋭のステルス技術により肉眼はもちろんありとあらゆるレーダーにも感知されない、従って地球人たちには気づかれることなく作戦を遂行できるのだ!


 その要塞内部の通路、そこを俺――第一部隊長ブーミ・ダイン――は歩いていた。


 シャイニーフェニックスとかいう新人宇宙戦士の小娘にオドモンスターを倒され、戦略的判断からこの基地まで撤退してきた俺は新たな敵の出現を司令官へと報告しようと、こうして司令官室へと向かっているのだ。


「失礼します!」


 司令官室の前までたどり着いた俺はそう一声かけると返事も聞かずに司令官室へと足を踏み入れる。

 そこには二人の男がいた。


「お早い帰還ですね、ブーミくん」


 そう皮肉気な笑みを浮かべるのは、作戦参謀の<ズゥ・ノーハー>だ、地球人の3倍はあろうとか言う巨大な頭と折れそうなほどに細い手足を持つアンバランスな体躯のこの男は、いつもこんな風に人を小馬鹿にしたような態度をとるいけ好かない奴だ。

 最も俺にとっては上司に当たるので、そんなそぶりはおくびにも出せないが……。


「どうしたのだ? シックザールクリスタルを見つけたというわけではなさそうだが」


 もう一人の男、部屋の中央で椅子に深く腰掛ける男が尋ねてきた。


 彼の名は<シィ・レガーン>ここの司令官を務めている男だ。

 外見年齢は30代半ば程度、片目に分析用のスコープを装着しているのだが、その肌は青く一目で地球人ではないとわかる容姿をしている。


 椅子に深く腰掛けているのでわかりにくいがその身長は2メートル50センチはあり、ゆったりとした服の中には鍛え抜かれた肉体があることを俺は知っていた。


「シックザールクリスタル探索の先発隊、ならびにオドモンスターが倒されました」


 俺の報告にレガーン司令は眉をひそめた。


「なに!? どういうことだ!」


「あの伝説の宇宙戦士であるシュナイダーが現れました」


 俺の言葉にレガーン司令とノーハー殿が顔を見合わせた。


「シュナイダーが……。まさか奴がこんな辺境に来るとはな……」


「おそらく地球で現地人をスカウトにでも来たのでしょう、運がなかったですね」


 ノーハー殿の口調にはシュナイダー相手では仕方がないと言った響きが含まれていた、作戦参謀なだけはあり、敵に関しての情報には詳しいようだ。


「しかし、問題はないでしょう。どうせ奴はすぐに地球を離れることになる。奴が現地で宇宙戦士を見つけたところですぐに始末できましょう」


 そう続けノーハー殿は余裕の表情を見せる。


 これは、ヤバいな……。この先のことを報告するのが怖い……。


 俺はそう思いながらも、報告を続ける。


「それが、その……。オドモンスターを倒したのはシュナイダーではなくて……」


 俺の報告にレガーン司令の顔色が変わる。


「なんだと!? シュナイダー以外に誰がいるというのだ!!」


 俺はビクリと体を震わせた。


「あ……えっと……その……奴が見出したという宇宙戦士、です、はい」


 俺は思わず口ごもってしまう。


「まさか……。新人の宇宙戦士がオドモンスターを?」


 ノーハー殿が信じられないと言わんばかりに呟いた。


「はい、その通りでございます……」


 俺が答えるとレガーン司令は苦虫を噛み潰したような顔をした。


「なるほど、シュナイダーめ、よほど屈強な戦士を見つけたということか……。そいつは一体どんな奴なのだ、名は、容姿は!?」


 レガーン司令が俺に詰め寄ってきた。


「な、名前は、シャイニーフェニックス、です」


「シャイニーフェニックス……。あの数千年前の伝説の宇宙戦士シャイニーノヴァにあやかった名前ですかね」


 ノーハー殿が腕を組み独り言のように呟く。


「そ、それはわかりませんが、ともかくかなりの実力を持った、その……、小娘、です……」


 俺は冷や汗を流しながら答えた。


「小娘……? 小娘と言ったのか?」


「はい……。その……可愛らしい、女の子、でした。年は……12~3歳ぐらいなんじゃ……。あ、でも、見た目だけですからね! 実際はもっと上かも……。」


 俺は慌ててフォローを入れた。


「ば、馬鹿な。そんな、子供が……。我らが誇る戦闘兵器オドモンスターを……。そんなはずは……。」


 レガーン司令は狼のような鋭い目つきになり、ブツブツと呟き始めた。


「信じられない話だとお思いでしょうが事実なのです、俺もこの目で奴の戦いを見ていたのです! 奴は、奴はオドモンスター相手に一歩も引かずに戦い、そして、倒したのですよ! 奴は間違いなく強い! 奴はかなり優秀な宇宙戦士です!」


「ほう」と俺の話を聞いていたノーハー殿がすうっと目を細めた。


「つまり、ブーミくん。君は目の前でオドモンスターがやられたというのに何もせずおめおめと逃げ帰ってきたというわけですか?」


 ノーハー殿が冷たい視線を向けてきた。


「も、もちろん、俺も戦おうとしました。しかし、シュナイダーもいたのですよ! 二対一では分が悪い。それよりもレガーン様にこのことを報告するのが先決と思いまして……」


 俺は必死に弁明した! このままでは処分確実である。なんとかしなければ……。


 ノーハー殿はふうと息を吐いた。


「まあ、いいでしょう。確かに、君の判断は間違ってはいない、もし我々が何の前知識もなくシャイニーフェニックスとやらに遭遇したとしたら、その容姿に油断し不覚を取られていたかもしれません」


 ノーハー殿はそう言って俺を睨んだ。


 比較的あっさり許しを貰ったことで俺はホッと胸を撫で下ろす。


「まあ、とりあえず貴様にとっても不測の事態ということで、今回のことは不問としよう。それよりもシャイニーフェニックスとやらへの対処法を考えなければならん、とりあえず貴様は下がれ、恐らくすぐに会議のために招集がかかるだろうがな」


 レガーン司令の言葉に従い俺は司令室を出たのだった……。


 司令室の扉が閉まると俺は深いため息をつく。


「ふぅ……。なんとかなったか……」


 俺は通路を歩きながら安堵の表情を浮かべる、危なかった……危うく粛清されるところだったぜ。


「しかし、シャイニーフェニックスか、厄介な奴が現れたもんだぜ……」


 俺は奴とオドモンスターとの戦いを回想した、奴は強い! 子供とは思えないほどに!!


 そして……。


「それにしても、結構可愛かったな……」


 俺は奴の顔を思い浮かべた。あの可愛らしい顔を苦痛に歪ませてやりたい、泣き叫び俺に跪き許しを請う姿が見たい……。


 俺は思わず舌なめずりをした。


「フッ……。シャイニーフェニックス、お前は俺が必ず倒してやるよ」


 呟き俺はニヤリと笑うのだった。


第1章【変身! 夢のスーパーヒロイン!!】


【次回予告】

みう「ついに始まった私のヒーロー活動。でも、日常だって楽しみたい! 親友の智子と行ったゲームセンター、だけどなんと怪人がゲームしてたの、この怪人結構強いよ、それに敵の将軍まで出てきちゃったりして……。次回、シャイニーフェニックス『将軍ヤーバン現る! 刺客はゲーム怪人!?』私頑張るから、応援よろしくね!」

誕生編とでも言うべき第1章はいかがでしたでしょうか?

シャイニーフェニックスと香取みうの活躍、今後も読んでいただけたら幸いです。

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