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シャイニーフェニックス~落ちこぼれ少女のヒーロー奮闘記~  作者: 影野龍太郎
第7章【出現、シックザールクリスタル!! ブーミ最後の戦い!?】

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第34話 トップアイドル星野きらりちゃんの秘密!?

 とある平和な日の夜の事、私はママと今日は早めに帰ってきたパパと共にリビングで夕食を食べていた。

 ちなみにルビィもこの場にいるのだけど、彼は自分の前に置かれた鳥の餌を食べるふりをしている。

 ルビィは鳥の姿をしてるけど、実際は鳥型サポートアニマルのバイオロイドで、人間と同じような味覚を持っている。

 だから、私たちが食べてるのと同じもの(ちなみに今日のメニューはカレー)を食べたいと思ってるのだろうけど、パパやママの手前それはできないのだ。

 ルビィの本当の食事は、この後で私がこっそりと彼の元へと持って行ってあげるというわけ。

 BGM代わりに付けているテレビでは歌番組が流れており、最近人気のアイドル<星野 きらり>ちゃんが歌っている。

 彼女の歌声はとても綺麗で聞いているだけで心が癒されるようだ……。

「この子、最近どこでも見かけるわね」

 ママがテレビの中のきらりちゃんを見ながら言う。確かに彼女はここ最近色んなところで見る気がするなぁ。

 確か、彼女はまだデビューしてから1年も経っていないと思うのだけど、その割にはとても人気だ。確かに可愛いし、歌やダンスの実力も十分、おまけに性格もいいとあって人気が出るのは当然とも言えるのだけど、それにしたってすごいよなぁと思ってしまうのだった。

「そうだな、しかし、この子もなかなかの可愛さだが、やはりみうには負けるな!!」

 ママの言葉を受け、パパがそんな言葉を放つ。

 全くこの人は……。本当に親ばかなんだら……恥ずかしいなぁもう……!

 このリビングには私たち家族しかいないのだから別に気にすることもないのかもしれないけど、それでもやっぱりちょっと照れてしまうのだ。

「相変わらずねぇ、あなたは……。それはともかく、本当にすごい子よね、みうとほとんど年も違わないはずなのに堂々としてて、しかもこんなに人気者だなんて」

 ママの言葉に私は確かにと心の中で頷く。きらりちゃんは確か14歳で私より2歳年上、学年的には一つしか違わない。

 だというのに、彼女は自分の夢を叶えるために努力し続けていて、その成果として今の地位を手に入れたのだろう。そう考えるとなんだかとても眩しく見えてきたのだった。

「なあみう、お前の夢は、叶いそうか?」

 そんなことを考えていると不意にパパからそんなことを聞かれたので、思わずドキッとする。私の夢、か。どうだろう? 私の夢はもちろんヒーローになることだ。

 シャイニーフェニックスになった時点でヒーローになりたいという夢は叶っているともいえる、だけど、私は最近思う、実のところ、ヒーローになりたいと言うのはあくまでも私の夢の極々一部、ほんの入り口に過ぎないのではないかと。

 ヒーローになって何をしたいのか、するのか、それこそが本当の意味での夢なんじゃないかってそう思うのだ。そして、今の私にはそれがはっきりと見えているわけではないけど、それでもいつかきっと見つけてみせるんだ! そんな決意を胸に秘めつつ日々を過ごしている。

 だから私はパパに、「う~ん、どうかなぁ? やっぱりヒーローになるってそう簡単な事じゃないから……」と少し難しい顔で答えるのだった。

「そうか、まあ頑張れ。俺は他人がどう言おうと、お前の夢を応援している。ヒーロー? いいじゃないか、お前ならなれるさ!」

 そう言って笑うパパに私もつられて笑顔になるのだった。

「何よ、あなたばっかり、みうの理解者ぶっちゃって。私もみうの夢、ちゃーんと理解してるわよーだ」

 ママもそんな軽口を言うので思わず笑ってしまう私だった。

『さて、それでは次のコーナー、ピックアップアーティストです』

 私たちがそんな会話をしている間にも、テレビの中の番組は進行していた。

 ピックアップアーティストは、毎週一人の出演者に焦点を当ててその人の特集をするというものだ。そして、今週選ばれたのは、きらりちゃんだった。

 私は画面に注目する、さっきの会話もあって、私は先んじて夢を叶えたこの自分と同年代のアイドルがどんな感じの人なのかとても興味があったのだ。

『いやぁ、きらりちゃん。君の人気は凄いね。もちろん努力もしてるんだろうけど、君みたいな子を天才って言うんだろうね、きっと』

 司会の芸人さんの言葉に、きらりちゃんは、『いえ、そんなことはないですよ、あたし天才どころか、何をやってもダメで……』と謙遜して見せる。

 何をやってもダメ、か。本当かなぁ? もし事実なら、親近感湧いちゃう……というか、私も似たようなものだから、もしかしたら、自分も彼女みたいになれるんじゃないかって思っちゃったりして。

『えぇー!? 本当かい! 信じられないなぁ……』

 芸人さんらしく大げさな口調とポーズで驚く司会者に、きらりちゃんも思わず苦笑しているようだったけど、どこか遠い目をしながら、『はい、本当にそうなんですよ』と首に下げているペンンダントに付いた水晶に軽く触れながら答えるのだった。

 綺麗な水晶……パワーストーンって奴かな? もしかしてきらりちゃんがこんな短期間でトップアイドルの階段を駆け上がることが出来たのもあれのご利益のお陰だったりして……。

 なーんてね。流石にオカルト的すぎるよね~。

 私がそんな事を思った瞬間だった。

「あれは!!」

 ルビィが顔を上げ、テレビの前に移動すると、そのきらりちゃんの身に着けるアクセサリーを食い入るように見つめる。

 突然の彼の行動に驚いている私たちの前で彼は振り返ると、私に向けて、「みうちゃん!」と叫ぶ。

 ちょっ! まずいよ!! ここにはパパとママもいるのに!! 喋ったらあなたがただの鳥じゃないことがバレちゃう……!

「ルーちゃん!」

 私は慌てて、彼の家庭内での偽名を呼ぶ。すると、彼はハッとした様子を見せた後、バサバサと飛び回りながら、「ミウチャン、ミウチャン、ミウチャン、ミウチャン」と繰り返し始めた。

 一応『香取家のペットのルーちゃん』はオウムみたいに簡単な言葉なら話せるという『設定』にしてある。

 恐る恐るパパとママに視線をやると、ルビィの突然の暴走染みた動きにこそ驚いてはいるものの、なんとか彼が普通の鳥ではなさそうだということはバレてないみたいだったのでホッとしたのだった。

 ひとしきり騒いだ後、ルビィはリビングから出て行った。

「ルーちゃんの奴、突然の反抗期か?」

「もしかしてなんかの病気じゃないでしょうね? 動物病院連れてった方がいいのかしら……?」

 そんな会話をする両親をよそに、私はカレーを口にかき込むと、「ごちそうさま!」と言って、ルビィを追って自分の部屋へと駆け込んだ。

「ちょっとルビィ、どうしたの? 危うくあなたの事がパパやママに……」

「その話は後だ、それより、さっきの星野きらりちゃん。彼女が身に着けてたペンダントに付いてた水晶あったね、あれ、多分シックザールクリスタルだ……」

 私の言葉を遮り、低い声で発する彼の言葉に、私は思わず息を吞んだ……。

 シックザールクリスタル――私がシャイニーフェニックスになったあの日、シュナイダーさんから聞かされたギーガーク帝国が地球にやって来た目的の水晶の名前がそれだったはずだ。

 確か、手にしたものはどんな願いでも叶うとかなんとか……。

 確かに、もしきらりちゃんがそんなものを持っているんだとしたら、彼女がこの短期間でトップアイドルとして成功したのも納得出来る気がする。

 本人が言っていた、何をやってもダメだったという台詞にも合点がいくし……。

「あれが……シックザールクリスタル……ギーガーク帝国の目標物……。間違いないの?」

 私は話を聞いただけで見たことはないし、ギーガーク帝国が血眼になって探していると言うのは知っていたけど、今まで影も形も見たことが無かったからいまいちピンと来ていなかったんだけど……。

「間違いないよ。ボクの頭の中のデータベースに入ってるシックザールクリスタルと完全に一致してる」

 ルビィはそう答えると、私の肩の上に飛び乗って来たので私は彼をそっと両手で包み込んだ。

 そっか、ルビィは生体型バイオロイド、基本的には生物っぽいけど、ロボット的側面も併せ持っているんだったね。だから、彼の頭の中には地球のスーパーコンピューターなんか目じゃ無いくらいに膨大な量の情報がインプットされている訳だ。

 そんなルビィが言うんだから間違いは無いだろう。

「そっか……」

 私は小さく呟く。偶然見かけたテレビ番組でシックザールクリスタルを見つけてしまうなんて、なんて偶然だろう。

 私は運命という言葉をあまり信じてはいないけれど、この時ばかりはその言葉が脳裏に浮かんだ。

「ん……。でも、ってことは、つまり!!」

 私は、()()()に思い至り、ルビィに視線を向ける。ルビィは重々しく頷くと、こう言ったのだった。

「そう、きらりちゃんが、ギーガーク帝国に狙われるかも知れないってことだよ……!」

 その言葉に、私の心臓がどくんと大きく跳ね上がったような気がした……――。

お読みいただきありがとうございました。

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