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シャイニーフェニックス~落ちこぼれ少女のヒーロー奮闘記~  作者: 影野龍太郎
第6章【バレちゃった!? 私の秘密!!】

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第21話 迷探偵怪人との遭遇と対決です!

「勇気の炎が燃え上がる~、正義の戦士シャイニーフェニックス~♪」

 作詞、作曲自分の『正義の戦士シャイニーフェニックスのテーマ』を歌いながら私こと香取みうは一人商店街を歩いていた。

 今日は休日日曜日、一人ショッピングでも楽しもうかとこうして街に繰り出してきたというわけだ。

(さ~て、どこにいこっかな~。まずはアクセサリーあたりから攻めてみようかなぁ? それとも服とか見ようかな~♪)

 ヒーロー大好きでそういうのしか興味ないと思われがちな私だけど、ママの影響もあって実はおしゃれにも結構気を遣ったりするのだ!

 商店街の真ん中で腕を組んで考えていると、ふと視界の端に見覚えのある人影が映った気がした……あれってもしかして……?

(げっ……!)

 思わず声に出してしまいそうになるのを必死に抑えながら、私は物陰に身を隠す。

 そして、少しだけ顔を出して様子を伺った。そこにはやはり私の予想通りの人物がいたのだった。

(なんであいつがこんなところにいるのよ!? なんでよりにもよってこんなタイミングで鉢合わせしちゃうわけぇ~!?)

 心の中で絶叫しながら頭を抱える。そう、そこにいたのは私の天敵、意地悪幼馴染の氷川翔平こと翔くんだったのだ!

 ……まあ、近所に住んでいるわけだから、こうして出くわすこと自体は別に不思議でもなんでもないんだけど、よりにもよってせっかくの休日、これから楽しくショッピングしようと思っていた矢先に出くわすなんて最悪すぎるよぅ!!

 唯一の救いは、彼がこちらに気づく前に隠れることができたということくらいだろうか?

(多分翔くんも何かを買いに来たんだろうけど、参ったな~。このままここでショッピングしてたら顔を合わすかもしれないし……どうしよう……?)

 少し考えこむ私だったけど、ふといいことを思いついた。翔くんが絶対に来ない場所でしばらく時間をつぶせばいいんだ!

 すなわち、服屋の女性用下着コーナーである! あそこなら翔くんが来ることはないだろうし、仮に私を見かけたとして彼がずかずかと下着コーナーに入ってくるとも思えないからね♪

 それに、新しい下着も私の買いたい物リストの中に入っているのだ! よしっ、そうと決まればさっそく行動開始だ! 私は意気揚々と女性用の下着売り場へと足を踏み入れたのだった――


「これなんかいいかな~可愛いし。でも、子供っぽすぎるかな~。これは……ちょっとセクシーすぎるよね……」

 下着コーナーへとやってきた私は、色とりどりの可愛らしいデザインのブラやショーツを眺めながら独り言ちていた。どれもこれも可愛くて捨てがたいんだけど、どれを買うか悩んでしまうなぁ~……なんて考えているうちに、ある一つの商品が目に入った瞬間、思わず目が釘付けになってしまった。

 それは私の大好きな変身ヒロインアニメ『プチピュア』のキャラがプリントされた女児向けパンツだった。

(う~ん、ヒーロー大好きだけど……流石にそろそろ下着ぐらいはキャラものじゃないやつにしたいなぁ、なんて思っちゃったりしちゃったりするんだけど……)

 目についてしまった以上これを買いたい、けど私の中で子供っぽいと思われたくないという思いと、ヒーローへの熱い想いがせめぎ合う……!

(もしも、もしもだよ……これを穿いてる姿を翔くんに見られたりしたらどうしよう……?)

 下着そのものを見られるのも恥ずかしいけど、これを見た翔くんが言ってくる言葉を想像するだけで顔から火が出そうなほど恥ずかしくなってくる。

 きっと彼はこう言ってくるのだ! 「お前まだこんなお子様みたいなパンツ穿いてるのか? 幼稚園児かよ!」なんて、肩をすくめながら、バカにするように……!

 そんなの絶対に嫌だ!! でも、だからといってセクシーな大人のランジェリーを買う勇気もないし、やっぱりヒーローへの憧れを捨てきれなくて……ああもうどうしたらいいんだろう!?

 ちなみに何故か翔くんに見られること前提になってるけど、彼の私への態度と自分のドジを考えるといつか絶対に見られることになるという結論を出さざるを得ないのだ……

 スカート捲りされるか、彼の前で盛大にこけるかしてね……! 多分それは私がスカート穿いてなくてもきっと同じ、翔くんはそういう星の下に生まれてきてるのか昔から女の子の恥ずかしい姿を偶然見てしまうことが多いんだ……!! 本人に悪気がないから、自発的なスカート捲りとか以外の時は怒るに怒れないし、本当に困るよ全くぅ~!

(けど……恥ずかしさに負けて自分の好きなものを諦めるなんてことは絶対にしたくないっ!!)

 キャラ物の下着を買うか買わないかで何を大げさなと自分でも思うけれど、私にとってはかなり重要な問題なのだ、これはポリシーの問題であるからして仕方がないのである!

 そんなわけで私は意を決してそのキャラプリントされたパンツを手に取るべくその手を伸ばす……その時だ。

 突然、「キャー!」と店内まで響くような悲鳴が聞こえてきたのだった。

 私は伸ばしかけた手を引っ込めて、慌てて店外へと出ると、悲鳴の聞こえた方向へ目を向けた。するとそこにはなんと驚くべき光景があったのだ!

「ふむ、我輩の推理によれば、シャイニーフェニックスはここにいる」

 服を着た巨大な二足歩行の猫……そいつは一言で言うとそんな感じの見た目をしていた。そいつは手に持ったパイプを燻らせながらあたりをキョロキョロと見回している。

(ギーガーク帝国の怪人!?)

 私は目を見開き驚愕した。まさかこんな街中に、しかも堂々と現れるなんて思いもしなかったからだ。

 そしてそれは私だけではないようで、そいつの姿を見た通行人たちも皆一様に驚きの表情を見せていた。中にはスマホを取り出して写真を撮ろうとしている人もいるくらいだ。

 それにしても、今あいつが口にした言葉……シャイニーフェニックスはここにいるって、まさか私のことを言ってるのかな? いやでもそんなはずは……。

 私がシャイニーフェニックスだなんてまだ誰にもバレてないはずだし、ましてやギーガーク帝国の怪人がそれを知っているはずがないもの! そんなことを考えているうちにも巨大猫の怪人はある場所に目を向けると、そこへと大股で歩いていく。

「我輩の灰色の脳細胞が告げている、この事件の犯人、シャイニーフェニックスは君だ!!」

 そいつがビシッと指を突き付けた先では、一人の女の子――5歳くらいの――がポカンとした顔で立ち尽くしていたのだった。

(えっ!? なんであの子なのっ!!??)

 私は思わず叫びそうになったけど何とか堪えた。だってそうでしょ、推理を外すのはまだしも、あの子はどう見てもシャイニーフェニックスじゃないもん!!

 せめて私と同じぐらいの年代の子をシャイニーフェニックスと勘違いするならわかるよ。でもあんな小さな子じゃ絶対に違うじゃんか!!! なのになんであの猫みたいなやつは自信満々にあの子を指差してるのよ!

 口調からしてあいつ名探偵を気取ってるみたいだけど、完全に迷探偵だよねぇ……。

「え? え? わ、わたしがシャイニーフェニックスって……?」

 言われた女の子は困惑していたけれど、それでも必死に否定しようとしていた。だけどそんな様子を見ても巨大猫怪人は全く動じることなく更に言葉を続けるのだった。

「ふっふっふ、我輩の目を誤魔化すことなど出来んよ。我輩の推理によればシャイニーフェニックスは変装の達人だ。まさかこんな幼子が正体だなどと誰も思わないという心理的トラップを利用しその正体を隠蔽しているのだ!」

 まあ、普段はドジでダメダメな私がシャイニーフェニックスのわけがないという心理的トラップが働いているというこいつの推理だけは当たってるけどさ……!

「しんりてき……? 猫さん何を言ってるのかわかんないよぉ……!」

 幼女ちゃんは今にも泣き出しそうな顔でそう言う。それはそうだろう、こんなわけのわからない奴に謎の推理で因縁を付けられたら私だって泣いちゃうもん! そんなことを考えているうちにも怪人はさらに話を続ける。

「ふんっ、しらばっくれるつもりかね……まあいいさ、どちらにしろ基地で拷問すればすぐにわかることだからねぇ!!」

 そう言ってニヤリと笑うのを見て私の身体がかあっと熱くなる。

(拷問!? こいつ、何をするつもりなのよ!!)

 私は思わず拳を握りしめて一歩前に踏み出したけど、それより早く一人の青年が怪人の前に歩み出ると叫ぶ。

「や、やめたまえ、怖がっているだろう!」

 その声は震えてるけど精一杯勇気を振り絞った感じだった。怪人相手では仕方ないだろう。

「邪魔をしないでもらいたいものだな、一般市民!」

 怪人は面倒くさそうに言うと、腕をぶんと振るった! それだけで周囲に凄まじい突風が巻き起こり、その青年を吹き飛ばしてしまう……! 青年は数メートルも飛ばされると地面に叩きつけられゴロゴロ転がっていく……そしてそのまま動かなくなってしまったのだった……。

「さて、邪魔者はいなくなったな。それではそろそろ我輩と一緒に来てもらおうか」

 怪人はつまらなそうに鼻を鳴らし、再び幼女ちゃんの方へ視線を向けるとその手を伸ばし彼女の細い腕を掴んだ。

 しかし、私はそれには目もくれずに走り出していた。向かう先は近くのビルの中のトイレだ。

 この場から離れて何をするのか? もちろん決まってる!

 私はトイレの個室に駆け込むと、腕を掲げて叫んだ。

「Start Up! シャイニーフェニックス!!」

 さて、迷探偵の怪人さん。私と間違えて小さな女の子を怖がらせたその罪、今からたっぷりと償ってもらうからね!!


「うええええええん!! 助けてぇ、シャイニーフェニックスぅぅぅ!!」

 怪人に腕を掴まれた女の子が、恐怖からか、腕の痛みからか泣き叫んでいる。

「ハッハッハッハッ、これは面白い。シャイニーフェニックスがシャイニーフェニックスに助けを求めるとはね。演技力はなかなかのものだが、残念ながら我輩には通用しないよ」

 そう言って高笑いをする怪人、ほんとにもうこいつは……自分の推理が正しいと信じて疑ってないみたいだ。

 だけど、すぐにそれが大間違いだと教えてあげるよ!

「シャインブリット!」

 私の指先から飛び出した光の弾丸は、狙い違わず怪人の腕を直撃し、その衝撃で幼女ちゃんの腕を掴む手が離れる。

「ぐっ!」

 痛みに顔をしかめる怪人にさらに蹴りを一発お見舞いしてやると、奴はゴロゴロと転がりながら吹っ飛んでいった。

「な、何者だ!?」

 顔を起こしこちらを睨んでくる怪人。私は幼女ちゃんの前へと静かに降り立つと彼女を庇うように自分の後ろに隠すようにした。そして奴に向かって冷たい目を向けながら言う。

「何者もなにもないでしょ。私を探してたんじゃないの?」

 そんな私の言葉に怪人は大きく目を見開き叫ぶ。

「ま、まさか、貴様は……!」

 私はニヤリと笑うと、いつものようにポーズを取りつつ名乗りを上げる!

「転生の炎は悪を焼き尽くす正義の業火!! シャイニーフェニックス!!」

 わっと湧き上がる歓声、背後では幼女ちゃんの感嘆の声も聞こえる。

 ああ、気持ちいい! やっぱりこれだよね~!! 怪人が出てくるのは困りものだけど、こうやってみんなから声援を受けるのは本当に最高だよ~!

 ……っていけない、いけない、今は戦いに集中しなきゃね! 改めて目の前の敵を睨みつけると、奴は未だに驚愕の表情を浮かべていた。

「ば、馬鹿な……我輩の……このギーガーク帝国きっての名探偵ミケホームズの推理が外れるなど……」

「何が名探偵よ……こんな小さな子が私のわけがないでしょ……」

 私はチラッと自分の背後に隠れる幼女ちゃんに目をやってから、心底呆れた声でそう言った。

「常識にとらわれない発想こそ名探偵には必要なものだ! それに、知ってるぞ、地球には見た目は子供でも中身は大人という名探偵がいることを!!」

 ……それ、漫画でしょうが……。

 呆れ果てて言葉も出ない私に構わず、怪人――ミケホームズという名前みたいね――はさらに言葉を続ける。

「まあいい、確かに犯人当てにこそ失敗はしたものの、シャイニーフェニックスがこの近辺に潜んでいるという我輩の推理は合っていたのだ! もう貴様の正体などどうでもいい、ここで死んでもらう!」

 そう言って奴は私に向かって突進してきたのだった……!

「下がって!!」

 私が幼女ちゃんに向かって叫ぶと、彼女は一瞬置いて即座に駆け出していく。

 それには目もくれずミケホームズは私へとダッシュをかける勢いそのままに拳を繰り出してきたので、私はそれを左手で受け止めると同時に右手で奴の顎を狙って掌底を放つ! しかしそれはあっさりと(かわ)されてしまい、逆にその腕を掴まれてしまった!? まずいと思った時には既に遅く、私の身体は宙を舞っていた……いや違う、投げ飛ばされたんだ!! 地面に叩きつけられる寸前で何とか受け身を取ってダメージを減らすことに成功したものの、それでもかなりの衝撃だったよ……!!

「なかなかやるね……」

「ふはは、頭脳だけが我輩の武器ではない。格闘戦もお手の物よ!」

 むしろ頭脳はポンコツみたいだけどね……。ただ実力は本物みたい、あまりのおバカさに少しだけ油断しちゃったかも……!

「なるほど、でもまだまだこれからだよ……!」

 そう言って私は再び構えを取るのだった――!

「いくぞぉおおっ!!!」

 そう叫びながら奴はまた突進してくるけど、今度は私もそれに合わせて奴に向かっていく!! そして奴が繰り出してきたパンチを躱して懐に潜り込み、その顎に向かってアッパーカットを放つ!! すると見事にヒットしたのか、奴は仰け反りながら数歩後退りする。

「はあっ!」

 気合の声と共に私が回し蹴りを放つと、奴は片腕を上げてそれを受け止める。

「ぐっ……」しかし、それでも威力を殺しきれなかったのか苦悶の声を上げる……! 私がそのまま足を振りぬくと、奴は数メートル吹っ飛んだ後に地面を転がっていった……!

「とても小娘のパワーとは思えん……! それに、データよりも動きがいい……!」

 そう言って立ち上がるミケホームズだけど……どうやらかなりダメージが大きいみたい! よし、このまま一気に決めよう……!! 私は再び構えを取ると、地面を蹴って走り出す――!!

「バ、バリアー!!」

 ばちーんと、私の全身に凄まじい衝撃が走った!

 ミケホームズがとっさに発生させたバリアに、正面からぶつかったんだ……! 私は小さく悲鳴を上げて、後ろに吹っ飛ばされてしまう……!

 むぅ、こんな技まで持ってたのね……考えなしに突っ込むんじゃなかったかも……?

「どうだ、これを破ることなど出来まい!」

 ミケホームズは勝ち誇った声で言った。バリアのせいで向こう側にいる奴の笑い顔がさらに醜悪に歪んでいた。

 ムカツクなぁ……。だけど甘いよ、この程度のバリアなら、破れないことはないの!

「はあああああああ!!」

 私は拳を握りしめると、そこへとエネルギーを集中する。そして、エネルギーが溜まったところで地面を蹴り奴に向かって飛び掛かる!

「マグナムブレイカー!!」

 回転を加えた私の右ストレートパンチが光の障壁を打ち砕く!! その衝撃で砕け散った破片が飛び散り、キラキラと輝く粒子となって消えていく中、私は拳を突き出したまま突進していき――ついにミケホームズへと到達したのだった……!

「……っ!?」

 驚愕の表情を見せるミケホームズだったけど、もう遅い……!! このまま一気に決めてやるぅうう!!! 私の放った渾身の一撃は私の狙い通りミケホームズの顔面に命中したのだった!

「ぐぶはああっ!!」

 口から血を吐き出しながら吹っ飛んでいくミケホームズ……人々の歓声が響く。だけど……。

 私は奴の顔面を捉えた自分の拳を見つめると、地面に倒れたミケホームズへと視線をやった。

「ぐ、ぐぐ……」

 やっぱり……案の定ミケホームズはよろよろと立ち上がってきた……。

 感触で分かった、拳が当たる瞬間こいつがとっさに顔を横にずらしてダメージを減らした事が。

 だけど、流石にダメージは大きかったのか奴はふらついているように見える……! よしっ……! 今がチャンスだ……! 一気に決めるよ……!!!

 そう決意すると、私は両手を掲げ、必殺シャイニーファイナルエクスプロージョンの体勢に入る。

「ま、まずい!! まだ我輩は死ねん! シャイニーフェニックスよ、勝負は預けたぞ!!」

 そう言うと、ミケホームズは懐から何かを取り出し地面に叩きつけた! その瞬間眩い光が辺り一面を覆いつくす! 思わず目を瞑った私が再び目を開けると、そこにはもうミケホームズの姿はなかったのだった――!!

 私はポカンとした表情でさっきまで奴がいた場所を見つめる。

 に、逃げ足の速い奴……。でも……まあいいや……とりあえず勝ったんだし……。

 仮にもう一度出てきたとしても、実力のほどは大体分かったし、もう負けることはないでしょ、多分ね……。

 そんな事を考えていると、私の耳にパチパチと拍手の音が聞こえてきた。

 見ると、私たちの戦いを見守っていた市民の人たちが皆一斉に手を叩いているのが見えたのだ。

 そして口々に「すごかったぞー!」とか「よくやったわお嬢ちゃん!!」とか「ありがとう、我らのスーパーヒロインシャイニーフェニックス!!」なんて言いながら、私に賞賛の言葉を投げかけてくるのだった……! その中にはミケホームズに襲われていたあの幼女ちゃんの姿もあった。隣にはお母さんらしき女性もいる。

 ああ、もう本当に最高! 私ヒーローになってよかったぁ……!! そんな気持ちに浸りながら、私は市民たちに手を振って応えたのだった……! こうして、私の活躍によって事件は無事解決したのでした……!

「それではみなさん、私はこれで!」

 私はそう言い残し、空へと舞い上がる。そして上空でキョロキョロと周囲を見回す。

 ……あった……!

 私は目的の場所を見つけ、そこへと飛んでいくと降り立った。そこはとある公園、私が探していたのは変身を解除できる場所だったのだ。

 周囲を伺いつつ私はその中の公衆トイレへと入ると、変身を解除し香取みうの姿へと戻った。

 ふぅ、やれやれ……。それにしてもせっかくの休日だったのに、とんでもないことになっちゃったなぁ……。

 ヒーローとしてみんなからチヤホヤされるのは嬉しいけど、日常は日常で大事にしたいよね。うん、やっぱり平和が一番だよ! そんなことを思いながら、私はトイレから出ると、家路へ向けて歩き出すのだった。


 だけど、私はこの時、今までだったら絶対にしなかったある失敗をしていた。

 いつもならもっと徹底的に、周囲の様子を伺ってから変身したり、解除したりするのだけど、今回に限ってはその確認を怠っていたのだ……!

 その結果、まさか()()()()()になるなんて、今の私は知るよしもなかった――!!

お読みいただきありがとうございました。

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