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王を視る者



 アルベルト第三王子が王位を継承する……だと?


 どういうことだ!?

 危うく声が出そうになったのを苦労して飲み込む。


 衝撃だった。これほど驚かされたのはいつ以来だろうか。娘が婚約破棄された時でさえこれほどの驚愕は無かった。まさかアルベルト殿下、いや、今や陛下か。アルベルト陛下が生存(いき)ているとは。


 とどのつまりは、暗殺が失敗したということだ。おまけにシャルロット王女まで存命だ。王位継承権者四名のうち二名までしか殺せなかったのか。



 ……くそっ、無能め。



 口の中で毒づく。


 名うての暗殺者という触れ込みだったはずが、まさか最もひ弱で無能な第三王子を仕留め損なうとは評判というのもアテにならないものだ。高い前金を払ったというのになんという失態だ。


 玉座を空位にはできず、か。

 だがまあいい。


 後腐れがなくなったことを喜ぶとしよう。あの暗殺者から依頼主(わたし)を辿ることはできなくなったのだ。ある意味では、ひとつ手間が省けたと言える。


 今はまだ、慌てるような時勢(じかん)ではない。

 またいずれ機会は巡ってくるはずだ。

 それまでは息を潜めて、楽しみに見守るとしよう。


 新たな王がリーデルシュタイン王国をどう治めていくのかを、な。


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