自己紹介3先祖の暮らし
ヒトが生きる。
それには多くの条件がある。適度の気圧があり、適量の酸素分子を含み二酸化炭素などが多すぎない大気。飲む、塩化ナトリウム濃度の低い水。食べる他生物。ヒトは太陽光すら必要だ。
それらがなければ、死ぬ。各個体の、各細胞が分裂と膜構造、分子の出し入れを維持できず、細胞どうしのつながりが壊れ、行動をしなくなり、微生物に食われるままになる。もう、生殖できなくなる。
窒素化合物をはじめ細胞内の分子変化に適した、水が液体である温度を保つこと。高温でも低温でも、繊細な生物分子は生命反応とは別の動きをし、分子が壊れて死に至る。大気中の水も適度な濃度が必要だ。
他の動物や、微生物に食べられないこと。
情報器官が必要とする、全時間の三分の一に及ぶ、ほぼ行動できず呼吸のみする状態。そのため、他動物に食われたり、苦労して水面に体を押しあげたりする必要がない時間を確保すること。
有害な分子や、原子核が崩壊してそのエネルギーで周囲の分子を崩壊させるような不安定な原子に、あまり多く接していないこと。
特定の条件がなければ繁殖できない動物も多くある。
さらにヒトの場合、群れの維持と、同種の別の群れとの戦いが決定的に重要だ。
暮らす上でヒトが得意とするのは、保存食と交換だ。
食物、破壊され生命活動を停止した生物は、常に短期間で微生物に食われ、食物としての価値を失う。無理に食べると微生物が作った変な分子によって死ぬし、微生物に体内から食われることもある。
だが、液水を除去する、塩化ナトリウムや糖類で水を抜く、微生物が出す毒であるエタノール・酢酸などに浸けるなどすると、長時間置いても微生物に食われない。
二十日食えなければ餓死するとしよう。となれば、一度食事してから、二十日以内にまた獲物がとれないと死ぬ。だから、三十日に一度、四十日分の獲物がとれる土地では、生きられない。だが保存食があれば、その土地でも生きられる。より多くの子孫を残せて、進化上有利だ。
交換。群れ内の同種、人類の場合には別の同種群れとさえも、同じ「価値」を持つ物を交換する。後には情報すら交換価値になる。
群れ動物であること自体、ある意味その交換をしている。
わかりやすい例がチスイコウモリ、多数が群れを作り、それぞれが血を飲んで巣に帰る。出かけて血にありつけるとは限らないが、血を食わなければすぐに餓死する……だから、個体は自分だけが満腹する量ではなく多めに飲んで腹に貯めて帰り、隣の同種別個体に分ける。そして個体を識別し、前に血を分けてくれた個体には、相手が空腹で自分が満腹の時に血を分ける。「個体が常に餓死限界までの期間に血にありつくことを続けられる」確率より、「集団の誰かが血にありつく」確率のほうがずっと高く、生存・繁殖率が高くなる。
ヒトは、その交換が得意だ。さらに多様な物資を使うから、毛皮と果物を交換することさえする。それは他の動物は苦手だ。
自分の脂肪に蓄積しきれなければ、隣の胃袋と記憶に蓄積することで、生存・繁殖率を高めるというわけだ。
さて、ヒトはその進化の大半……いまの形に進化してから、数百万年間ほとんど外見の変化なしに、比較的温度が高く、短い植物が繁茂する地域で、群れて過ごしてきた。
ヒトは多量の水を必要とするので、水が豊富か、または地下深い水を使う能力が高い植物が繁茂する地域で、群れを成し頻繁に移動して暮らしていたと考えられる。
ただし、きわめて古くからヒトにとって、決定的に重要な地表を構成する特定分子の固体がいくつかある。後述する石器の素材と、塩化ナトリウムだ。
ヒトの特徴で、「[音声]言葉」「飛び道具」を触れたが、他にも「火」「衣服」「住居」も重要だ。
〇火
火は、地球の重力、気圧のある気体、気体が温度によって分子の平均間隔が変化し、それにより体積・密度・圧力を変化させるという性質、大気の酸素分子、多くの物質が酸素原子と結合して発熱する、などの条件で起きる現象だ。無重量でも真空でも恒星深部でも水中でも「火」はありえない。
酸素と結びついていない金属元素も、酸素と結びついて発熱する。だが、地表の金属元素の大半はすでに酸化済みだ。主に「酸素と結びついて発熱する」のは、生物を構成する炭素・水素、また酸素や窒素も含む化合物の多くだ。それだけ、それらの分子は太陽の秩序を用い高い秩序になっていて、酸素と結びつくことで低い秩序になりたがっているとも言える。
生きている生物の多くは水を大量に含んでいる。水があると、水は熱を吸って気体になるので酸素と速く結びつく温度になれない。また、二酸化炭素など余計な分子があっても、酸素との急速な結合が妨げられる。
水が少ない状態で、酸素分子と接し、充分温度が高い。一部でも、水を除いた生物分子などをその状態にすると、温度を高くした部分が酸素分子に接して熱を放ち、分子のつながり方を変えて気体水や二酸化炭素、変な炭素化合物、微小炭素塊、硫黄や窒素の化合物などになる。生物が含む金属元素はそのまま、酸素のみと結びついて残る……元素番号=原子核の陽子数は燃焼程度の温度では変化しない。
その高温が、周囲のまだ変化していない生物分子を充分高い温度にしたら、今度はその高温分子が酸素と結合し、熱を出し……と、生物分子が全部酸素と結びついて変化するまで繰り返される。生物同様、自己増殖すると言っていい。
その高温に加熱された物体は、日光の放射の中でもエネルギーが強く、大気が透明になるような波長の電磁波も出す。また火が燃えたら、二酸化炭素含有量が多く微粒子などで汚染された高熱の気体と、単純な金属化合物や多孔質の炭素塊などが残る。
燃える条件を繰り返すと、温度・酸素分子・燃える分子の三要素。どれかがなかったり、邪魔があれば火は止まる。
その火は、当然生物にとっては高熱による細胞の破壊、死を意味する恐ろしいものだ。
だが、ヒトはその火と、自分を破壊しない距離を保ち、燃える分子と酸素を与え続け温度を保って、使いこなすことを覚えた。
まず、それで食物を一度高温にしてから食うことで、消化吸収が格段に良くなった。食物は他生物の死体だが、火を使って高温にすると分子のつながりが変わり、消化吸収しやすい分子になる。それにより食べてから短時間で活動可能になり、食物を破壊するための消化管の構造も簡素で済み、より少ない食物で活動できる。
ヒトやその近縁種は元々、植物が種を広くばらまくために作る、非常に食べやすい分子が多い果実を食べる動物であり、消化管が弱い。木や草の葉を食べると一日のほとんどを噛み休まなければならない。だが、ヒトは加熱によってより広い範囲の食物を食べることができる。
さらにかなりの食物の有害な分子を無毒化したり、微生物を殺したりできるようにもなった。
また、火の光を使うことで、夜間視力が夜行性動物に比べ弱いヒトが、高い夜間行動能力を持つようになった。
火の熱で、ヒトそのままでは生活できない低温地域でも活動できるようになった。
火の高熱で、投げたりするさまざまな道具を加工できるようになった。燃えない程度の高温に置かれたものは、含む液水が気体になって大気に混じることがより起きやすくなるため、水分を失って、微生物に食われにくくなるのも重要だ。
後にだが、酸化されている天然金属から火の高温と水素や一酸化炭素を用いて酸素を奪って純粋金属を得、高温で金属を加工する技術も発達させた。さらに高温で、別の分子が混ざった物から純粋な分子をより分ける技術もできた。
〇衣服・住居
ヒトは、自分の表面と巣も作る。
ヤドカリは別の海棲軟体動物の、固い空き殻に入って、そのまま移動する。体表が守られる。
ヤドカリや、自分の体から殻を分泌するカタツムリ、骨を変型させるカメのように、頑丈な構造を身にまとっていれば、移動するのには不利だが移動中も防御されている。
自分で表面を固い素材にする動物も、海棲軟体動物や多くの昆虫など多くある。ヒトの近縁種の多くは、体表にとても細長い、丈夫で曲がりやすい棒=毛を大量に出す。防御だけでなく、その隙間に動かない大気があると温度変化を防げる。
人類は表面の毛が非常に細く少ない。それと体表から出す水により、長時間移動を続けても体温を低く保てるが、反面低温にやや弱い。
それを補っているのが、ヤドカリ同様に他の素材を身につけたまま移動する技術だ。
必要とされる素材の条件は以下。
●[三次元のうち]二次元方向のみが長い=広く薄い
●変型しやすいが破壊されにくい
●液水に接しても破壊されない
●わかれているものを、容易につなぐことができる
●液体水をできるだけ通さない
●汗で体表が濡れないよう、水蒸気を通すほうがよい
●できれば多くの、空気が動かない複雑な構造を持ち保温できる
●反射する電磁波の波長=色を容易に変えられ、変えたままにできる
ヒトは、かなり多くのそれを満たす素材を、周辺の生物から得ることができている。
まず、ヒトも含む大型動物の死体の体表器官。容易にその下の組織から剥がすことができる。そのまま乾燥すると固くなってしまうが、火の副産物である特殊な分子や植物が食われにくいように体内合成する毒分子などで処理すると、微生物にも食われにくく丈夫なまま柔らかくなる。固い板状にも加工できる。毛を残すと保温性もこの上なく高く、水も弾く。皮革と呼ばれる。
動物の体毛そのものも利用される。集めて水を使って固めてもいいし、一度並行にそろえ螺旋にねじって長い構造を作り、それを組むことでもできる。
植物の体内の、細長い構造を取り出してもいい。種の周辺に細長いのが集まっているのもあり、それが一番使われる。
昆虫が形を変える時、自分を守るために細長く非常に強い構造を出すこともあり、それは手に入れにくいがもっとも珍重される。
衣類にはあまり使われないが、後述する金属や紙も重要だ。
その、「薄く広い素材」は衣類だけでなく、後述する住居や、物を運搬するのにも使われる。
移動する際に、自分の体だけでなく手に入れた食物、まだ自力で移動できない子、水などを運べればとても有利だが、薄く広い素材はその「運ぶ」ことも容易にする。
動物は眠る必要がある。そのため、特に固い地表で暮らす動物の多くは、安全に眠るために、地形による防御を利用することが多い。ヒトもその一員だ。
地形の形自体を変える……固く小さな塊が多数集まっている構造を変型させて、それを休む場にしている動物も多くある。特にアリ・シロアリという多数群れる昆虫には、個体の大きさと比較してとてつもない規模の建築をこなす種もある。木の高さと複雑な構造を利用し、その上に住む動物もいて、それはヒトの先祖や近縁種の暮らし方でもある。
だがヒトは大型だ。上記の二乗三乗則で力の割に重くなるので木登りには不利になる樹の上での生活は制限される。また地表の微細粉の集まりは、ネズミを入れる大きさの穴なら維持できるが、ヒトを入れる大きさの穴は維持できない。
ヒトは、進化段階では木を利用したり、地表に自然にできた穴構造を巣として利用していたと思われている。
それから植物や、殺した動物の表面を利用し、巣を作ることもうまくなっていった。特に火の熱と組み合わせると、外で大半の熱が逃げてしまうのとは違い、少ない燃料で長時間高温を保てる。
問題なのが、ヒトに限らず大型動物が生活すると、体表から脱落した死んだ細胞・体から出す消化の残りや廃液・物の加工で使わなかった部分や排水などが出る。熱力学第二法則の応用とも言える。それは多数の微生物の餌であり、その微生物に体を食われるリスクを増し、生存し繁殖する率を低下させる。
それを防ぐのには、それら汚物を微生物などに処理させて別の大型植物の栄養に変えるか、それら汚物を別の場に移すか、汚物を小さい生物の栄養にするか、汚物が多い場から移動すること。ヒトは長く移動を好んできた。
いくつかの、地表の天然の穴をかわるがわる使っていれば、放置されているうちに汚物は微生物により別の分子になり、別の生物に利用され安全になる。
ヒトは後に、前述の衣類素材や植物、地表の天然鉱物など多様な物資を用いて、大型の巣を作りそれを清掃する技術も身につけていった。特に好まれるのが、大量の水を使う方法だ。
大型の巣は、加工品が液水に触れて微生物に食われるのも防げるので、さまざまな物資の保存にも重要だし、時々空から液水が落ちてくるこの地表で火を使い続けるにも必須だ。
その、汚物の感知は後述するヒトの「心」にとってきわめて重要だ。
〇石器
その衣類をまとい、移動したその場で住居を造ったり、またある程度衣類と共通する素材を持ち運ぶヒトの群れ。
彼らが使うのは言葉・火だけでなく、石器などの刃もある。
「刃」を説明すると、小さい角度で平面が二つ交わった、境界の線。鋭角を移動させた軌跡。円錐の尖端もある意味刃だし、円錐を多数並べても刃になる。鈍角も広義の刃になる。
変型しにくい素材でできたその形を、より変型しやすい肉・土・植物体などに当てて適切な方向に力を加えると、一つのものが二つに分かれる。本質的には、大きい世界での、圧力。固い塊の形を利用し、狭い面積で接すると、小さい力が大きな圧力となり、素材表面を破壊する。
二つのその刃を噛み合わせればより有効だ。円錐の場合、動物の牙のように穴を開けることができる。円錐を回転させればより硬い素材にも穴が開く。
前述の、物投げ同様に、質量の大きい物の急停止を用いる衝撃力を使うと、より硬い物も切ったり穴を開けたりできる。
地表を形成する硬い素材……大抵は、小さく幾何学的に決まった角度に分子が積み重なった結晶が、集まった物……に硬い物と衝撃力を加えると、破壊されてそんな刃ができる。特に優れているのが、地球自体の熱によって地表に作られた、液体状態からの急激な冷却による結晶でない物と、純粋な金属元素の集まりを変型させた物だ。
人類は後者を手に入れるのに苦労した。金属元素は地表ではどれも酸素とくっついているから。だから長らく前者を使った。
ヒトが他と違うのは、分岐した円筒状の構造を持つ木の棒と、その刃を「細長く柔軟に変形する棒」や、「ある条件では液体で、別の条件では固体になる」植物体液や火の副産物の炭化水素などを用いて組み合わせたことだ。
特に都合が良かった素材が、大型動物の動くための大きい組織を、支えるための硬い組織に繋げる丈夫な組織だ。水が多いと伸び、少ないと強く縮んで硬くなり、互いにくっついて離れないし、水を介して加熱して溶け出した成分はその時は液体で、冷え乾くと固まる。
この世界は、ヒトの活動のために作られていると思えるほど都合がいいことが多くある。
というか、この時空のあらゆる物理法則・3+1次元自体・光の速度・極微世界を支配する定数・重力定数、素粒子の質量や力の強さなどを、ものすごく少しだけ変えて仮に考えると、前述の核融合とか何かがうまくいかなくてヒトは進化できない。
まあ、その石器を用いた、特に優れた武器が「投げ槍[+投槍器]」「投石紐」「弓矢」だ。
投げ槍。槍とは、円筒状の木の棒の尖端に刃にした石器をつけたもの。細長い石器を作るのは無理だしすぐ壊れるが、槍にすれば長いため、危険な大型獣を遠距離から殺せる。投げればもっと遠距離から。そして投槍器、うまい形の別の棒で手を延長して投げれば、さらに遠距離攻撃が可能だ。
投石紐。衣服の素材を用いる。二本の紐、その間を小さく平らな衣類素材でつなぐ。長い紐となったそれの、一端を手に固定、もう一端は自由に放せるように手で保持、小さく平らなところに石を包み振り回し、自由に放せるほうの端を放すと石が投げられる。人間の手が延長され、より速い初速で石を飛ばせる。
弓矢。エネルギーの転換を用いる、きわめて高度な道具。槍を小型化したものを用意し、より高度なものは後端に空飛ぶ大きい動物の、平面形の毛をつけて大気の抵抗を逆利用して回転させ、軌道を安定させる。
飛ばすために、別の木の棒などを用意する。それに力を加えて円の一部のように変形させると、壊れなければ力と変型の積がエネルギーとなる。その一端を固定し、もう一端に石を載せて解放しても、棒がもとの形に高速で戻り、少し石を飛ばせる。
だが本当の使い方は、少し曲げた棒の両端の最短距離、直線を丈夫な細紐でつないだものだ。その細紐の中央部……例外もある……を引くと、棒がより曲がってエネルギーを貯める。その紐を引いている折れ点に小槍後端を前後以外固定、曲げた棒の一部も固定したまま解放すれば、解放されたエネルギーが小槍を高速で飛ばす。
弓は音を出すにも使える……決まった波長だけを出すので音楽の基礎になる。火を出したり穴を開けたりするために、棒を高速で回転させるのにも使う……回転運動と直線往復運動の相互変換および動力の伝達、機械の基礎だ。直線を出すのにも使えるし、柔らかい素材の切断具ともなる。織機の基本構造でもある。
〇ヒトの暮らし
それらの道具で、動物を殺し、皮をはいで加工し、肉を火で加熱して食べる。
また、食べられる=ヒトにとっての毒が少なく消化しやすい炭化水素貯蔵をしている植物を集める。衣類などに使う植物も集める。
道具のもとになる石や木も集める。
火のもとになる植物も集める。
毒が役に立つ動植物も集める。
また、巣になる地形を見つけたり、もう少しで巣になれる形をした石や木に衣類素材を固定したりして、一時的な巣を作る。
動物の体も植物の体も、小さく切って大気に触れさせる面積を増やしたり、火を利用して燃えない程度の高温を保つことで、長期間微生物に食われない状態にできる。それがあれば、ある日大量に食物が手に入り、その後何日も食物を手に入れられなくても餓死しなくていい。
液水を手に入れる。
液状と半固形、両方の汚物が出る。それを避け、その匂い……大気に混じる微小分子が多くなれば、別の場所に移動する。
火を保つ。
そして群れのメンバー同士、体の動き……特に頭部前面の無毛部分の細かな動き……や音言語で情報を交換する。
地球の自転で太陽が見かけの動きをし、地面が影になれば暗くなり寒くなる。そのときには身体を支えるのをやめて横たわり、行動できず脳が休む……眠る。
雄と雌が交接し、雌の腹が膨れて、小さくほとんど自分では行動できない子が出る……子も雌も高いリスクで死に、その前後雌も活動不能状態になり、多くの食物を要求する。主に交接相手の雄が与える。
そして、別の大型動物や、別の群れのヒトに殺されない。別の群れのヒトはこちらを狩ることも多いし、多くの物資も持っているので獲物として狩る……が、条件によっては物資・情報・交接関係を交換することもある。矛盾しているが両方やる。ヒトの生も心も矛盾だらけだ。
条件が良く多くの子が成長し群れが大きくなると、群れを離れ新しい獲物や淡水がある場を目指し旅立つ者も出る。
何より、人は必ず老いて体力が弱り、確率は低いが奇形や流産があり、病み、例外なく死ぬ。
雌は出産時死亡率が高く、出産前後に戦闘能力・食物獲得能力が大きく低下するためもあり、雄が雌を支配することが多い。少なくとも巨大群れになると、例外なく男尊女卑だ。
多くの動物に見られる、特定の雄が多数の雌を独占する構造は取らず、雌雄と子からなる集まりをいくつも集めて群れとする。