異世界転生を書いてみよう/異世界転生恋愛ジャンルで人気になる方法を真剣に考えてみた
このエッセイは下記の2部構成となっています。
■異世界転生を書いてみよう■
《メリット1》現実世界の延長でいける
《メリット2》3分で書ける起承転結の『起』
《メリット3》非現実が楽しい
《メリット4》ゲームや小説の世界だとさらに書きやすい
■人気になりたくて考えたこと■
《1》話数の多さは有効か?
《2》『タイトル』と『あらすじ』と『キーワード』
……一番大事なものはなにか?
《3》人気作家は参考にならない
《4》予約投稿は愚作である
《5》完結ブーストが強い
《5ー1》2~3話で完結させる人への憎しみがやばい
《5ー2》章ごとに完結させる作戦の有用性
《6》章分けしてもアクセスは関係ない
異世界転生恋愛ジャンルに住み着いております。
書くものたいてい異世界転生。
読むものは転生に限らないけれど異世界もの。
なんで異世界にこだわるかというと、人気ジャンルだからです!
どうせならたくさん読まれるジャンルで書きたい。カウンター回したい。
承認欲求の塊でございます。
まあでも、なろうで小説書いてる人はたいていそうですよね?
「それがしは誰にも読まれずとも日々コツコツと書くのみである」
↑こんな豪傑はまずいないと思う。
そしてもし仮にいたとしても……どうせ強がりだろ? 素直になれよ。新作書いてアクセス0なら凹むくせにー。せめてクリックされたいねえ……。
見てもらえた上で評価がないならいたしかたなし。だがしかし、読んでももらえないならつらすぎる!
ちなみに私は連載中の1日のアクセス1000に満たないです。
いやあ大きく出ましたね。1000なんて遠く及ばないくせに、あたかも1000に手が届きそうな言い回しである。
だから連載中からランキングに載る人とかアクセス数千ある人が超絶うらやましい。ぐぬぬ。
どんな技を使っているんだ。ちょっとコツを教えてください。
さあ、どうせ書くなら人気になりたい。
人気になる為にみなで苦しみながらがんばろうではないか。
このエッセイはそんな私が日々のアクセス欲しさに、色々やってみて気づいたことの総括である。
そして、志を同じくする宿敵とぜひ語り明かしたい。
■異世界転生を書いてみよう■
初心者が小説書くのなら、異世界転生がおすすめだ。
人気の出し方は知らないけれど、それでも確実に言えるのは『圧倒的に書きやすい』
たくさん読みたいのでぜひ書いてください。
さて、私がこだわり書き続けている異世界転生ものですが……別に前世が書きたいわけではないので、前世全然出てこない。
結局書きたいのは異世界恋愛ものなのである。
だから《転生したことに気づいた!》みたいな感じの1行をぴゅっと書いて終わらせて、1話からいきなり本ストーリーを始める。
前世がどうだったとかは些末なことなのだ。
じゃあ普通に異世界もの書けばいいだろって?
ふ。異世界ものは、難しいのだよ。だがしかし、異世界転生となると途端に簡単になるのだ。
《メリット1》現実世界の延長でいける
貴族の考え方とか感覚とか、世界の背景とか……書く前から詰む第一の壁である。異世界ものを1から書こうとすると、こういう背景を組み立てねばならない。
でもこれが転生だと……?
「私、前世の記憶を思い出したばかりでこの世界のことよくわかんなーい」
この一言で第一の壁が消滅するのだ。世界の背景の説明とかも不要である。
そして、周りから見るとすっかり人が変わったかのように、貴族らしからぬ立ち振舞いへと生まれ変わった主人公が爆誕する。
主人公の思考回路は現実世界と同じでいい。
するとヒーローとかが「なんだあいつ。面白いやつ」とか言ったりするのである。
《メリット2》3分で書ける起承転結の『起』
「前世を思い出しました」
はい。起承転結の『起』ができました。
《メリット3》非現実が楽しい
魔法あり? 異世界だもんね!
魔獣がいるの? 怖ーい。異世界だもんね!
美男美女しかいない。さすがです異世界。
婚約者、騎士、王子、伯爵、令嬢、魔族、けも耳、聖女、エルフ、妖精
婚約破棄、決闘、討伐、断罪、冒険、迷宮、王宮、舞踏会
怪我しても治癒魔法で治せるし、死んでもループでやり直せるし、チートスキルで無双もできるのだ。
もはや法は自分である。
《メリット4》ゲームや小説の世界だとさらに書きやすい
異世界なのに、日本のバレンタインとかクリスマスとかもやろうと思えば普通にできる。
だって主人公が転生した異世界は、日本人が作った創作の世界なんだもんっ!
さて、異世界転生を書く魅力について、おわかりいただけただろうか?
まあ、これほどのメリットゆえに、投稿数もエグいほど多いですよね!
ここから下ではそんな競争率のエグい異世界転生ジャンルで、どうにかこうにか人気をとりたい! そう思いながら私が日々頑張っていることを書いてみる。
実は、今回のエッセイで書きたいことの本題は、これから書くやつのほうである。
■人気になりたくて考えたこと■
《1》話数の多さは有効か?
1話で100アクセス稼ぐより、5話書いて各話20ずつアクセス稼ぐほうが簡単だよね!
と考えた時期が私にもありました。
しかし、現在の私の中での結論としてはその作戦は悪手である。
見た目のカウンターが回るのは確かに楽しい……が!しかし!
ユニーク数を増やさないと確実に先細る。
それに連載をしてみてひしひしと感じるのは……『1話目から次のページにクリックする』この部分が最難関で離脱者が一番多い。でも2話目を読んでくれる人はそのまま割と3話目も読んでくれる。ありがと、ありがと。
つまり継続して読んでもらうには、1話目を一番面白く書かねばならないのだ!
1話を3分割とかして1日に3話更新してる人とかよく見るけど……その場合は短い1話の中で面白さを凝縮しなければならない。3話とも読んでもらえればカウンターは3倍になるけれど、離脱リスクの高いハードモードだと思っている。
え? 1話を短くすることによって次ページを読むハードルを下げてる?
…………これ、どっちが有効なんですか?
私は1話にボリュームを持たせる派なんですが……え、もしやこのやり方がむしろ悪手? 離脱原因? え?
まあいいや。わからない話は置いておきましょう。
1話あたりの分量を増やすほうがよいと考える理由がもう1つあるのです。特にアクセス少ない人は話数を減らして1話あたりの分量を増やしたほうがいいはず。
なぜなら……小説を読む前の事前情報として、累計ポイント数の表示は相当でかい。ポイントが多い小説は『人気なんだな読んでみるか』となるけれど、その逆もまたしかり。
少ない話数ならポイントが少なくても普通判定されるけど、『このジャンルでこの話数でこのポイント数は少ない』と認定されてしまうと悲劇である。その日を境に、どれだけ話を投稿しても、そもそもクリックをしてもらえない。
なので私は1話に収まる文章量にも関わらず、わざわざ刻んで分割投稿してる人を見ると『見た目のアクセス数欲しさに、血迷ったか……』などと思うのである。
【追記】2021/6/10
1話短めで連載して検証してみました。
なんか短めなほうがスマホで読む人の割合が増えるようです。あと離脱率も減ったけれど、作品のテンションも話数も違うので今回のやつが前回のより読みやすかっただけかもしれません。短め効果かはよくわからず……。
しかし私の場合、今までは圧倒的にPC読者が多かったので、新規の方が過去作もついで読みしてくれてる気がします。様々な読者層の取り込み的な観点で考えると、作品毎にやり方を変えてみるのもよいのかもしれません。
《2》『タイトル』と『あらすじ』と『キーワード』……一番大事なものはなにか?
『タイトル』>>>>[越えられない壁]>>>>『あらすじ』>『キーワード』
『あらすじ』と『キーワード』は……『タイトル』で目を止めてもらえて初めて見てもらえる項目なのだ。
それを我々はしっかりと認識しておく必要がある。
どんな話なのかよくわからないタイトルをつけるなど言語道断なのである。
カウンターが回っても、実際に読んでくれるか、トップページで離脱するかの分岐がある。しかしカウンターがそもそも回らないのなら……多くの投稿小説の中で、スルーされて埋没している。タイトル一目見た時点でつまらん認定されている。
なので、投稿直後なのにアクセスないなあという人は……もう、タイトルどんなに長くてもいいからとりあえずあらすじ全力説明タイトルにしよ! そこからはじめよ!
というわけで私も最近、乙女ゲーシリーズのタイトルを超長くしてみました。頭打ちだったブクマ数がまた増えるようになったので、やはり有効な作戦と思われる。
ちなみに……最近のランキングを見ている感じだと……長すぎるタイトルは古くなりつつある気がする。
最近の傾向は『短くもストーリーがわかりやすいタイトル』と感じます。シンプルなのに読みたくなる実に洗練されたタイトル群。タイトルからしてセンスあふれている。羨ましくてたまりません。ぐぬぬ。
まあでもそんなセンスがないからこその、今の立ち位置なわけで。我々凡人は、まずは長すぎタイトルにしよ。きっといつかレベルが上がるさ……。
でも『あらすじ』と『キーワード』も自分に書ける最高のものにすべきである。読者の嗜好と合致するようなものが書けたらきっと読んでくれる。
《3》人気作家は参考にならない
『タイトル』とか『あらすじ』とか『キーワード』を……超人気作家さんのやつ一生懸命読み込んで、自分のものにしようと頑張ってみたこともありました。が、しかし!
人気作家の真似しても……成果はそこそこという感じ。
その理由に最近気づいたんですがね……なんだと思いますか?
人気作家は……潜在読者数が我々と桁違いじゃないですかあ!
もはやその人の名前だけで、人々はありがたがって読むようなレベルなのである。ポイントもがんがん送るのである。だって書籍化してるような人気作家が、無料で読み物書いてくれてるんですよ!? 嘘やん! ありがてえ! なんで星5個までしか送れないんですかあ!?
そんな人の真似したって……自分についてる読者数どんだけやねん。そこを我々は失念している。
それに人気作家って賞をとったことにより書籍化した方も多いじゃないですか。いい作品なのに賞を取るまではアクセスが少なくて、中身を賞という形で評価され、ようやく日の目を見れた人も中にはいると思う。
我々は中身で勝負とかいう段階ではない。
『まずは読んで! 評価しなくてもいいからあ!』みたいな、そんな段階である。アクセスの母数がまず欲しい。
だがしかし、やはり上手い人から技を盗むというのは有効だ。ただし、参考にする人選びが重要だと思う。
参考にする人を選ぶポイントは……ランキング上位に急に出てきたぽっと出の無名の作家である。
無名にも関わらず人々に選ばれポイントを送られ、ランキング上位に押し上げられた作品ならば、我々にも役立つヒントが必ずある。
《4》予約投稿は愚策である
「毎日0時で予約投稿」なんて愚の骨頂である。
この機能はランキング常連の人気作家の為だけの機能だと個人的には思っている。
だって、ランキングに載るような作品なら、投稿時間関係ない。むしろ固定読者からしたら毎日決まった時間にアップしてもらえるのはとてもありがたい。
だがしかし、ランキングに到底載ることが叶わない場合は……トップページに直近20名だけが掲載される『更新された連載小説』欄が、新規読者を得る唯一のチャンスなのである。
予約投稿は……分刻みできないですからね……あっという間に埋没する。トップページからも一瞬で消え失せて、投稿したことに気づかれもしないのだ。
可能な限り投稿者が少ない時間帯で、3時36分とか5時7分とか……予約投稿者の上に載る時間に手動投稿するべし。
少なくともそれくらいの労力はかけたい。
あと、読者層や人数も時間帯で異なる。通勤時間の電車の中で読む人もいれば、寝る前に読む人もいる。
投稿する時間帯もなるべくかえて色んな層の人に見てもらいたいものである。
……ただ、時間が完全不規則だと、連載を追ってくれてる固定読者には不親切なのでは? みたいな罪悪感あるんですよね。0時台にアップするのを数日続けてると、0時台に寝ずに待ってくれるようになるじゃないですか。そんな人がいるかもじゃないですかあ!
1日1話アップで、投稿時間は朝の日もあれば夕方の日もある。みたいな投稿の仕方をしたら……ブクマが増えるかもとは思うのだけど、固定読者をないがしろにしているようで、とてもできない。
新規を増やしたいけれど、固定読者を大切にしたい。
そう考え始めると、増えるかわからない新規読者より、自分の作品を楽しみにしてくれる固定読者のほうが大切なのである。
そうすると『毎日午前中にアップします』みたいな、結局はそれくらいのやり方で精一杯なのである。
《5》完結ブーストが強い
連載中って……どんなに時間帯変えても……10分くらいで流れていくんですよ。でも『完結した連載小説』欄は…時間帯によっては4時間はトップページに居座れる!
通常の10倍くらいのアクセスをしてもらえて、ブクマも一気に増える。完結ブースト……これは連載をしていく中で最もでかいイベントである。
そして、ランキングにも少しかすれた場合には、ブーストは初日以降も3日~1週間ほど続く。
毎日0時にアップしている人も、完結の時だけは、人気のない曜日と時間帯を選んで完結ブーストをめいいっぱい堪能したほうがよい。
《5ー1》2~3話で完結させる人への憎しみがやばい
完結ブーストを気軽に使う人への憎しみがやばい。
例えば、連載100話で完結したような作品がようやくトップページに載り日の目を見れた! みたいな時に、1万字に満たないような作品群があっという間に流していく、みたいなのが許せん。
これはたぶん、作家目線だからなのでしょう。
純粋な読者は気にしないと思うけど。
せめて7話は欲しいですよね。そして連載ならば文章量も1万5千字以上はあって欲しい。
だがしかし、私的には『1万5千字程度なら短編でええやん』ってなる。
……と先日まで思っていましたが、実際に書いてみたら1万字できつかったです。すみません。1万5千字を短編はきついですね!
ランキング上位に短編程度の連載完結作品があると、苦虫を噛み潰して緑色の液体を口からだらだら垂らしている気分になる。
あとジェラシーもジェラジェラしてる。
俺達にできないことを平然とやってのける!
そこに……しびれないし憧れない!
ぐぬぬ、となるだけである。
《5ー2》章ごとに完結させる作戦の有用性
最近、連載してた乙女ゲームのやつの2章が完結したんですよ。
で、章分けするのも初めての試みだった私は……章単位で完結ブーストを使うことに若干の後ろめたさを感じながらも『まあでも2章だけで7万字はあるし! 充分、連載と言えるはず!』と思って2度目の完結ブーストを使ってみた。
すると……トップページには上がらないのだ。
どうやら、トップページに掲載されるのはその作品に、初めて完結フラグがついた時だけのようである。割と絶望。
まあでも確かにそうですよね。
もし毎回トップページに載るのなら、毎話、連載と完結のステータスを切り替えて、トップに何度も載るような悪用をする人が出てくるやもしれぬ。
なので……トップページの完結欄に、100話とか200話で掲載されている人には、最大限の尊敬の念を送っている。心の中で作者の忍び続けた苦労を勝手に想像して、泣きながら敬礼している。
見かけたら必ず読もうと誓いました。まあでも長すぎる連載は苦手なので、1話くらいは読もうというレベルです。……尊敬してるのは本当です。
さて、トップページに載らないので、2章完結ブーストは1章完結には遠く及ばなかったけれど……それでも完結ブーストはありました。
1章の時の半分くらいなブーストがありました。
トップページには出ないけど『もっと見る』をクリックするとそっちのほうには載ってくれる。
だから、読者が最近完結した作品をもっと探そうと思ってクリックしてくれた場合のみに限定して、完結ブーストが発動するのである。
今回、2章最終話で『3章以降も続けるつもりです』と書いたおかげで、最後まで読んでくれた人がさらにブクマもしてくれた。
長期連載をするのなら、章単位で完結ブーストを使うというのは有効だと思う。
……ただし各章が5話程度なら、完結させる度に私は憎しみの目を向けて『またこいつか……絶対クリックしない。絶対だ』などと思いながらジェラジェラしている。
《6》章分けしてもアクセスは関係ない
連載を続けていくとひしひしと感じるのは……各話のアクセスの偏りである。『1話』と『最新話』のアクセスが最も多く、その両端から離れるほどに、アクセス数は少なくなる。
だから、章で区切れば……各章ごとに1話と最終話にアクセスされるのではないか? と考え実践してみた。その結果は……私には衝撃的だった。
章区切りしても関係ない。最もアクセスが多いのは1章の1話目と、最終章の最終話である。
たぶん、小説詳細ページの『1部分目を読む』『最終部分を読む』ボタンをクリックする人が多いのだ。
え。いきなり最終話!? と思ったけれど……最終話をいきなり読む気持ちも実は理解ができる。
1話目が面白くても……途中から中だるみしてきてだんだんつまんなくなる作品ってあるじゃないですか。
なろう作品に限らず商業漫画とかでも、10巻まではめちゃくちゃ面白かったのに、引き延ばしやがって! みたいなの多いじゃないですか。
だから、最新話を読んでみて面白いと感じたら、安心して最初から読み始める。みたいな人いるんじゃないだろうか。
推理物だとそれはしないけど。普通の恋愛小説なら、やらないこともなきにしもあらず。
ってことは、連載中は、最新話が常に面白いものであるように、気合いを入れて書き続ける……そういうものに私はなりたい。
はい。こんなんでましたが、いかがでしたか?
日々思うことを綴ってみました。
もともと1読者でしたが、自分で書きたくなって1作家となるほどに、小説家になろうにはまっています。
これを読んだみなさまの作品の一助となりますと幸いです。




