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パラレル・マイルド  作者: 甘凜守 麦
第1章 僕とアタシのアイ・ミーツ・アイ!?
9/10

微睡の自己観察

(う、うそ!?な、な、なにこれ……!?)

 僕は心の中で叫んだ。

 僕は今大きな姿見の前で、半端なく恥ずかしいポーズのまま硬直している。

「ッ……」

 動こうにも指先一つすら動かせないばかりか、声すら上げられない。

 あの"口にするの憚れるような恥ずかしい決めポーズ"をとった瞬間、僕は体の自由を失ったのだ。

(えええっ!?な、なにが起きたの!?)

 目線すら変えられずに状況を把握することができない。

 時間が止まってしまったのかと思ったケド、そんなわけないし、呼吸はしているし瞬きだってもちろんしている。

 ……だけどそのどちらとも自分の意志でおこなっていないような変な感じがして。

 例えるならまるで、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、馬鹿げた感覚だった。

(これ、もしかしてひょっとして……『金縛り』ってやつなのかな……)

 聞いたことがある。意識はあるのに体が動かないってやつ。

(ど、ど、どどうしよおおお……!?)

 頭を抱えて転げまわる……妄想。

 なぜ、、、なぜ、、、!!!

(なんでよりによってこのタイミングなのぉーー!!)

 寝起きならいざ知らず、こんな()()()の最中にならなくたっていいじゃない!

 正直『金縛り』になったことよりも、この姿が解けないことの方が絶望でしかない。

(は、はやくなんとかしないと……姉さんと母さんに見つかったら僕の人生はおしまい(The END)だー!)

 特に姉さんなんかに見られたら……もう僕は僕として生きていけないだろう。

「……あは」

(はうあっ!?)

 笑い声が聞こえて、ビクッとする。もちろん心だけ。

 まずい……誰か、すごい近くにいる……?この姿を……見られた!?

 さっきの声はすごい近くで聞こえたような気がした。

 それこそ、()()()()()()()()()()()()()()()()近さで。

 だが不思議と、お母さんの声でも姉さんの声のどちらとも少しだけ違う気がする。

 それよりも全然幼い、それこそ僕の可愛い妹にそっくりな声。

 でもあの子なはずはないだろう。

 あの子は今合宿中で家にはいないし、そもそも()()()()()()()()()姿()()()()()()()()()()()()()()()()

「あはは、あははは!!」

 また聞こえた。

 やっぱりあの子の声とは違う、それよりもずっと僕に近くて、、、というよりほとんど僕そのものなような……?

(ま、さ、か)

 僕は今、金縛りにあっている。

 そして"客観的に自分の体の感覚を感じている"。

 そんな僕が声を出したら、いったいどんなふうに聞こえるのか。

 答えは、、、


「やったわ!!成功だわ!!あは、あはは!」


 ()()()()に聞こえるらしい……。

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