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薪拾い

「ヴィクトリアが坊ちゃんの部屋をのぞいてた?…それで?」

赤く熟した木の実を口に投げ入れハロルドが聞く


「…それだけだ…食ってばかりいないでさっさと薪をまとめろ、日が暮れるぞ!」


太陽が高く昇った森の中をハロルドとイアンは薪を拾い集めていた


あっ…訂正

ほとんどイアンだけが薪を集めていた


「眺めていただけじゃ…何とも言えないわねぇ~」

ハロルドはダラダラと薪を束ねはじめる


「ハロルドのおっさんは犯人を知っているんだろ?その言い方だとあいつは犯人じゃないって事か?」

イアンの表情が少しホッとしたように見えた


「前にも言ったでしょ! 犯人なんか知らないわ!知ってたってあんたに教えないって!!」

ハロルドが急にテキパキ働き始める、たいがいそんな時は明らかに何か隠している時!


「…おっさん…本当は犯人が誰か検討もついていないのでは…」

横目で冷ややかに見つめるイアンに


「な!何言ってるの!!あたしを誰だと思っているの!?ハロルドよ!あの伝説のハロルド様よ!」

ハロルドは一番長い薪を剣のように振りかざす


「それじゃ、手っ取り早くラルフの父親に犯人教えて捕まえてもらったらどうだ?」


ハロルドは振りかざした薪をダランと下ろし首を振りながら

「はぁ…あんたねぇ、突然見も知らずの男が訪ねてきて『この人が坊ちゃんの命を狙ってまぁ~す!』って言って誰が信用すると思ってるの?」


そう言われればそうだ


「100人中100人…信用しないだろうな…」

納得のイアンに


「ちょっと…そこは10人位でいいんじゃない?100人って!あたしどんだけ信用無いって言うの!?」

ふてくされるハロルド


「こんな事で怒るな、大人気ない…80人中80人でどうだ?」


「いや!15人中15人!」


「…70人中70人」


「いやー!20人!」


~ 省略 ~



「それじゃ…50」


「25!」


「40」


「もう一声!」


もう意味が分からなくなってきた


「45でどうだ?」


「いやぁ~もうちょっと」


「35は?」


「いや!30でお願い!」



「…33」



「…さ…さんじゅうさん……よし!33でお願い!」


劇的中途半端な数字に落ち着いた頃2人は一体何の話をしていたかさえ思い出せなくなっていた


太陽はすっかり傾き森は暗くなり始めていた


「ほら見ろ!日が暮れたじゃないか!おっさんと来るといつもこうだ!」


「あんただってノリノリだったじゃない!」


ハロルドとイアンは大量の薪を背負い…


訂正、ほとんどの薪をイアンが背負い小屋への帰り道を急いだ


「今日の見張りはハロルドのおっさんの番だからな!」


その言葉を聞いて突然ハロルドが倒れもがきはじめる


「あぁー!お腹が!お腹……ぐぇっ!!」


そんなハロルドを軽く踏みつけイアンは帰路を急ぐ


「ちょっと!!どゆーこと!踏みつけるってどゆーこと!ひどい!!イアン!!ひどい!!」


すっかりハロルドの取り扱いが上手くなったイアン

笑顔も増えてきました

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