スイッチ
薪が散乱した小屋
ハロルドとイアンは
腹を抱え大笑いしていた
「もーーー!いゃーー!あんたみたいな子はじめて!も~嫌!腹いてー!あはぁはぁー!」
「俺だってあんたみたいな変人はじめてだよ!ははっ!」
「まったく…失礼な子ね~おっさんだの変人だの…」
そう言いながらもハロルドは嬉しそうに薪を集める
「…おっさんに変人に…それに…まやかしの術…だろ?」
「…な、なに…まやかしって…」
薪を拾うハロルドの手が止まる
「…とぼけたって無駄だよ…あんたあの日ラルフに催眠術をかけたな?」
「!!…さ、さいみんじゅちゅ…」
「…言えてないぞ…」
動揺しまくりのハロルドは拾い集めた薪を撒き散らす
「…おかしいとは思ってたが…俺があんなチビに…まさか催眠術にかかっていたとはな…」
「そ!そんなんじゃないわよ!!」
「…まだとぼけるつもりか?」
「ち!違うわよ!そんなダサいものと一緒にしないでほしいって言ってるの!」
「それじゃ何なんだ?」
「あたしは押しただけよ!」
「…?押した??」
「そう!あたしは坊ちゃんのスイッチを押しただけ!!」
ハロルドはイアンに向かって親指を立てグッと押す仕草をしながら
「坊ちゃんの【やる気スイッチ】をね!!」
【やる気スイッチ】
押されると何でも出来る!そんな気持ちになれる不思議なスイッチ。
現代では学生さんによく見られる。
大人になると押してくれる人が減少する為、自分で押してしまい仕事以外でやる気を出し次の日、猛反省するスイッチ
「………アホらしい…」
聞いただけ時間の無駄だったと大きなため息をつき薪を片付けはじめるイアンに
「…イアン…あなたの【やる気スイッチ】はどこかしら…」
不適に笑いながら両手の親指を立て構えるハロルド
「!!何を考えている!?俺にそんなもの付いてない!!やめろ!!」
「待ちなさ~い!探してあげるわよ~あんたの【やる気スイッチ】」
逃げるイアンを執拗に追いかけまわす
「そんなの付いてないって言ってるだろ!俺はそんなの押されなくともいつでもやる気だ!!」
【やる気スイッチ】の入ったハロルドはしつこいのだ!
「やめろーーー!!」
ほんとに静かな森だったんですよ
彼らが来るまでは…




