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魔法と林檎

うろたえるケイティ、道にまよったとは言え素性もわからない男と一夜を共にする事になるなんて。

「ダメだめ!困ります!今すぐ出発しましょう!」と意気込んではみたが、不気味なほどに闇をまとった森は少しでも足を踏み入れたら呑み込まれてしまいそうなほどだった。


「今動くのは危険です。明るくなるまで待ちましょう」そう言うと男は枯れ枝を集め焚き火の用意をした。たいまつの灯りを細い枝へ移し、重ねた太めの枝の下にこんもり集めた枯れ葉の中へ潜り込ませると瞬く間に炎が上がった。


6月の終わりとはいえ日の落ちた森は肌寒く、焚き火の暖かさが冷えた体全体に行き渡る。

男は名を《ピーター》と名乗るとカバンの中から次々と食べ物を出し目の前に並べはじめた。ふっくら柔らかそうなパン、見たこともないハーブや木の実。まるで魔法のようだった。

その様子を目を丸くしながら見ているケイティを見つめながら「これで最後」と小さな林檎を手に取りパンと一緒に彼女へ手渡した。

ケイティの手には手渡されたパンと小さな林檎がちょこんと乗っていた「あっ…ありがとう…」

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