獣達
辺りはすっかり暗くなりケイティは前にも後にも行けず立ち往生していた「どー!どー!」獣の声に怯える馬をなだめるだけで精一杯だ。
「どうしよう、食べられちゃう」
せめて剣を持って出るべきだったと後悔したが時すでに遅し。獣の気配はすぐそこまで迫っていた。
茂みに光る幾つもの眼がケイティを捉えかけたその時、木々の間に揺れる炎をケイティは見つけた。
「助けてー!お願い!助けてー!」
手を振り上げ叫んたが、それと同時に獣が襲いかかってきた「もうダメだ!!」馬にしがみつき身を縮める。
「きゃぃん!」
身を伏せたケイティの横を炎をまとった矢がかすめ、襲いかかる獣の足元へと突き刺さった。
「キャん!!」獣達が炎におののく中、矢は次々と飛んできた。
「急いで!こっちへ!」力強い声が聞こえた、ケイティは身を起こし無我夢中で声のする方へと馬を走らせる。
木々の間から見えるたいまつの灯りに白馬にまたがる男性の姿が照らし出された。
「王子さま?」どこのどの王子の事を言っているのか自分でもわからないが何となく出た言葉だった。
「残念ながら王子ではありません、さぁ急いで!」
案外まともな返事をして男は彼女の馬に鞭を入れた。
「きゃぁ!」突然の事でバランスを崩しかけるケイティ、でも何とか持ちこたえた。
文句の一つでも言いたい気持ちを抑え、今はこの場を逃げる事に専念した。
漆黒の闇の中を二頭の馬が駆け抜けて行った




