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小さなせせらぎを越えたあたりで3人の足が止まった。


ちょうど屋敷からローランド伯爵の馬車が出て行く所だった。

「あのくるくる頭こんなに早く帰るのか、忙しい奴だ」

馬車から見られないようエマは少し身をかがめ「そうね…きっと伯爵への報告を急いでるのよ」そう言いながら伯爵への願いが受け入れられるよう祈った。


ヘンリーを乗せた馬車は土煙を巻き上げながら村の外へと消えていく、エマは夕食をとても美味しそうに食べていた彼をを思い出し「朝食も食べて行けばいいのに…」少し残念に思った。


屋敷に戻ると急いで服を着替え少しベットで横になる、今頃眠気が襲ってくる。

長いまつげが静かに降りてきて、オリーブ色の瞳を覆い隠す。

栗色の艶やかな髪が波打つように広がっていた。


エマはと「びっきりの美人」とは言えないが、躾の良さ、人を思いやる気持ち、そしてなにより好奇心旺盛で常に光輝やいている瞳に心奪われる人も少なくはないのだが…未だ結婚には至っていない。


こんな素敵な女性が何故なのか?

その理由はランドール家にまつわるある噂が原因だった。


それはエマの両親、父ピーターと母ケイティの結婚であった。


母ケイティは貴族の生まれで世間から見れば何不自由なく暮らしているお嬢様。しかし彼女は不幸せだった。すべてを管理された生活、親の言う通りの人生。自分の存在価値さえ見い出せない日々を送っている彼女、そんな彼女のささやかな夢はせめて心から愛せる人との結婚。だが、ある日そんな夢さえ叶えられない現実に失望し、ついにケイティは家を飛び出してしまった。


会ったこともない年上の男性との結婚話、もともと美人で評判の良いケイティのもとには求婚の話が絶える事がなかった、しかし良縁をことごとく断る娘を見かね両親が勝手に決めた相手だった。


「冗談じゃないわ!あんな傲慢な男と結婚だなんて!しかも10も年が上なんて!」ケイティは馬の背にしがみつきおぼつかない手綱さばきで森を駆け抜けた…と言うより完全に道に迷っていた。


「…どうしよう」行けども行けども同じ風景、その上辺りはどんどん暗くなっていく。

遠くで獣の鳴き声が聞こえる


「あたし食べられちゃうのかしら…」

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