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ちから

剣を袋から出せずに逃げ惑うキキを必要以上にアルは追い回した。


「卑怯よ!アルフレッド!」

走りながら絡まった袋の紐をほどくキキ。


「うるさい!卑怯もクソったれもあるか!」

あたしの時よりアルの言葉の下品さが増していた(たれてる分)


やっとの事で剣を構える事が出来たキキは軽く飛び上がり「くるっ」と上半身をひねり足を高くあげ襲いかかってくるアルフレッドに向け振り下ろした。


「うわっ!!」

キキの予想外の反撃にアルは慌てよろめき地面に手をついた。


「卑怯だぞ!剣で戦え!!」

一番の卑怯者が何か叫んでいるようだ。


キキは小柄な為、剣を上手く扱えないがその分身軽さを生かした素早い動きが得意だ。


まったく二人の戦いは何度見ても飽きない。


アルは男にしては細身で力はそんなに無いが剣を大振りせずに最小限の動きで的確な位置へ斬り込んでくる。

この若さで護衛隊長になるのもわかるほどの剣さばきである。


それに対してキキは素早い動きで予想外の所から襲いかかってくるので常に目で追わないと見失ってしほどである。

とてもメイドとは思えない。


アルやキキだけではない、この村の住人ほとんどが戦う事が出来る。それは領主であるランドール家からの命令であり願いだった。


争いの無い平和な村だが、いつ何時略奪や奇襲に合うかわからない、そんな「いざ」の時に備えての事。

小さな村だからこそ、皆で力を合わせていかないければならなかったのだ。


「お嬢様~!見てないで助けて下さいよ~!」

さすがのキキも護衛隊長のアルにかなうはずは無く湖へと追い詰められていた。


剣を構えエマは駆け出した

「食らえーー!卑怯者ーー!アル大魔王!」


アルフレッドは薄ら笑いながら叫んだ

「かかってこい!脳天気ども!!」




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