加減知らず
あたしの知らないお父様の過去、お母様はご存知でいたのだろうか?
お二人の笑顔の奥にはあたしに隠し続けた何かがあった。
「あぁ…なぜ打ち明けてくださらなかったのか…」
子供のあたしに心配をかけたくない気持ちはわかるが、自分たち親子には隠し事など無いと思っていた、その信頼感が少しずつ失われていくのがエマは怖かった。
雑念が邪魔をする。
「!!!危ないっ!!」
突然木の陰から、かけ声と共に剣が飛んできた!
「はっ!?」
エマは身を返しなんとか避ける事はできたが、剣は数センチ横に「サクッ」と突き刺さった。
見覚えのある剣柄。
今まで我慢していた怒りが爆発する。
「隠れてないで出て来なさい!!」
剣が飛んできた方を見てエマが叫ぶ。
「・・・・・」
「不意をつくなんて卑怯すぎます!!さっさと出てきて正々堂々と戦いなさい!!」
「・・・・・」
虫の鳴き声だけが鳴り響いていた
エマは一段と大きな声で叫んだ!
「アルフレッド!!隠れているのはわかっているのよ!!さっさと出てきて剣を取りなさい!!」
「・・・ぶっ!ぶは!はははっ!」
やっと木の間からアルが笑いながら顔を出した。
「怒ると鼻が膨らむよ」
「!!」
急いで手で鼻を覆い隠したが…本当にデリカシーの無い男である。
「うるさい!ほっといて!」
そう言ってエマは刺さった剣を抜きアルフレッドに投げ返した。
「!!あっぶねーなー!!」
アルフレッドは慌てよけた。
「あたしの方が何倍も危なかったの!!!」
エマは呆れて怒る気力も無くなった。
森はまだまだ薄暗い
「夜明けまでにはまだ時間があるのに?どーした、さすがの脳天気なお前でも眠れなかったのか?」
よけて草むらに落ちた剣を探しながらアルフレッドが聞いた。
「脳天気は余計だけど…まぁ、そんなところ」あたしは刃こぼれが無いかかすかな明かりに剣を照らしていたを
「そっか…それで何か……」
アルは横目であたしを確認しながら
「解決策はみつかったのかい!!!」
いきなり剣を構え飛びかかってきた!!
「!!卑怯者!」エマは剣を横に両手で支えアルの剣を受け止めた。
重い!!細身でもやっぱり男の人、受け止めるだけで精一杯だ。
全身でアルを押しのけ体制を取り直すも
「戦いに卑怯もクソも無い!!」
間髪入れずに襲ってくる、コイツは手加減と言うのを知らないのか!?
「レディに向かってクソとは何よ!」
あたりが明るくなり始めた森に二人の声が響いていた。




