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第7章 武器屋にて

「おおおりゃあああ!!」

俺は叫びながら、剣を叩き込もうとする。が、あっけなく弾かれ顎に掌底をくらってぶっ倒れた。

「今日はここまでだ」

「くっ、ありがとうございました!」

今日は訓練最終日、教官に勝つつもりだったが、俺ではまだまだ勝てない存在だったらしい。

「今日までお前らはよく耐えた」

並んでいる面々にやさしく話しかける教官。その顔は初日と打って変わって、息子や娘に話しかけるような親愛に満ちた表情だ。

「貴様らが冒険者になろうとした理由は様々だろう。様々な困難が貴様らに襲い掛かるだろう」

教官はきりっと眉を引き締め、こういった。

「しかし!諸君らはここで大きな成長を遂げた!例えすぐに冒険者をやめたとしてもこの1週間は諸君らにとって得るものになったことだろう!諸君らの健闘を期待している!」

そして一転して笑い出した。

「ここはいつでも開いている。またくるといい」

きょ、きょうかーーーーーーーーん!ほかのみんなも感極まった顔をしている。

なにこれ、マジ泣きそうだ。


そんな感動の場面が終わった後、俺は教官に会いにいた。

俺自身の評価は聞いていたが、ルシルとレイの評価は聞いていなかったのだ。

「教官!少し聞きたいことがあるのですが」

「ん?ああ、いいぞ。何についてだ?」

「ルシルとレイのことについて聞きたいのですが」

「ん?ああ、あの2人か。……まずルシルから言うが、あいつはあのまま何もせんでも成長するだろう。武術などなくとも経験を積ませれば自ずと強くなるだろう。そしてレイの方なんだが……」

「なにか問題が?」

「あ、いや、体や武器の使い方は全く問題ない。ただ、あいつには何かしら呪いのようなものにかかっている」

「えええ!?」

「大したものではないがな。なんだかあいつの魔力を抑えるためにああいうことをしたのだろうな。悪意は感じないしな、あいつが自身の魔力を感じ取ることができるようになったら、すぐにでも解くことができるものだ。命には関わらんものだ、安心するがいい」

「……そうですか」

心配ではあるが、教官がこう言うんだし、たぶん大丈夫だろう。

そしておれはふと疑問に思った事があったので聞いてみた。

「教官はレベルいくつなんですか?」

教官はふっと笑い、いった。

「153、だよ」

驚く俺をしり目に、教官はそのまま去っていった。


「……どうした?いつもより元気がないぞエーイチ」

「ああ、うん。悪い悪い」

今俺たちはギルド直属の商店街に向かっている。

「どんなものが売ってるんでしょうか。ちょっとワクワクしてます」

レイは少し目を輝かせている。こういう時年相応の表情になる。

ちなみにお金の方は大丈夫だ。ドラゴンの2体の死体は村の人に渡した。するとお礼にもらえる盗賊の財宝を7割にしてくれた。ドラゴンの皮や爪などはかなりの高値で売れるらしい。

軍資金は申し分ない。当分遊んで暮らせるくらいはある。

が、人間というのは簡単に堕落してしまう。仕事をしておいたほうが、そういう心配もしなくていい。

余談だが、『アレストア』の通貨は『ゴルド』であり、1ゴルド=10円ほどである。

銅貨一枚が1ゴルド、銅版一枚が10ゴルド、銀貨は100ゴルド、銀板が1000ゴルド、金貨が1万ゴルド、金板が10万ゴルドである。

俺の所持金は大体700万ゴルドである。こんなに資金を持っていたことには、あの盗賊たちを感謝してやってもよいだろう。

まずは武具屋に入る。結構広い。

品数も豊富である。値段が20ゴルドという明らかな粗悪品もあれば、100万ゴルド以上する高価なものまでさまざまである。

まずはレイの武装からだ。レイは教官から短槍とは違う武器を使えと言われ、それを迷いなく売った。

そして相手を刺し貫くための剣、エストックとナイフを1本づつ、急所だけを鉄で覆った動きやすい皮鎧、更に魔法を使えるようにする杖の代わりになる指輪を一つ買った。

ルシルは鉄製の手甲に脚甲とこれまた動きやすい皮鎧。

俺はルシルのよりもいい黒鉄製の手甲を左腕に、投擲用の短剣を5本と、学生服によく似た真っ黒い皮鎧を買った。合計で550万ゴルドほど。武具っていうのは結構お高いのだ。

狩人のような格好になったレイ。まんま女格闘家なルシル。あまり見た目的には変わらない俺。

なんというか面白い組み合わせである。

宿に帰る道、食料品や必要なものを買いながら戻っていると事件が起きた。


「……。エーイチ、私たちつけられてる」

「ええ!?」

「あ、やっぱり?」

後ろからどうもヤバい気配が『直感』によって感じ取れていた。

「ど、どうするんですか!?」

慌てた様子で話すレイ。俺はそんなレイを安心させるため、考えていることを話す。

「なあに、そこまで大人数じゃないからな。路地裏に引き込んでボッコボコにするのがいい」

「あのそれって完全に悪役のやることですよ?」

「だよね~」

ルシルが急に眉をひそめた。

「……まずい。囲まれた」

へ?と間の抜けた声が出たのと同時に周りから急にガラの悪い男たちが出てきた。

数は全部で18人ほど。顔にはネバついた笑みが張り付いている。

「おめえらよ、ホワイトのくせして金持ってんじゃあねえか」

「先輩に渡すのは道理だよな~」

「おら、さっさと出しな」

口々に意味の分からないことをほざきだしやがった。

正直、こういう輩は大嫌いだ。

「よし、やりますか」

俺がそういったのを聞いて憤るチンピラども。

「んだとコラァ!」

「ホワイトのくせになめやがって!」

「オレンジの力教えてやんよお!」

そんな風に言って武器を抜いていく。周りの人がぎょっとして騒ぎ出した。

「そっちこそ、なめてんじゃねえよ」

「……叩きのめす」

「言っても止まらないんですよね!じゃあやるしかないじゃないですかコンチクショー!!」

18対3という完全にこっち不利の戦闘が始まった。


戦闘は5分とかからず終わった。

まずレイが広範囲に魔法を打ってけん制する。

相手がひるんだすきに、俺とルシルが殴り倒していく。

殺人はだめなのでナイトに歯止めをしておく。それでもなお、かなりぶっ飛んでいた。

だが俺よりもルシルの方がヤバかった。手甲や脚甲によって重さと硬さが増している。そんなヤバい状態のルシルで人を殴れば、ただでは済まない。生きているので手加減はしていたのだろうが、それでもかなりヤバかった。レイも魔法によるけん制だけでなく、エストックなどを使って敵を叩きのめしていく。終わった後、相手の所持品を奪って自分たちの物にしてからそそくさとその場から立ち去る。


宿屋に無事に帰り、ステータスを見てみる。


【名前】 間宮英一

【レベル】 Lv.43

【称号】 魔剣使い 異界の剣士 夜の王 虐げる者 ドラゴンキラー 森の主 駆け出し冒険者

【装備】 頑丈な黒兎の皮鎧 黒鉄製の手甲 投擲用ナイフ×5 夜を行くものナイトウォーカー 祝福の腕輪

【スキル】 闇の支配者ダークロード 闇を喰らうものダークイーター 暗視ダークアイ 歴戦の戦士達の技 全能力向上オールアシスト 言語習得 幸運 対人戦能力上昇 対ドラゴン戦能力上昇 夜間時能力上昇 経験値取得率上昇 見切り 直感 威嚇咆哮 強者の威厳


最近分かったことだが、称号は得ただけではスキルは手に入らない。

それなりに実力がついたり、レベルが上がったことで使えるようになるらしい。

ステータスをじっと見ていたら、ナイトが声をかけてきた。

「主よ、何をそんなにやにやしているのだ?」

「えっ?にやにやしてる?俺」

「ああしてるな」

「……、明日は初めての依頼を受けるからな。ちょっと興奮してるのかも」

「成程な。だが明日は早い。寝ておいたほうがいいぞ」

「ああそうする」

だが、それでも俺は笑みを止めることができなかった。

次回、依頼受けて初任務です

ちなみにレイは14、英一は16、ルシルは13です

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