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猫の骨  作者: 448 23
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「ごめんね」

 猫が死んでいた。

 犬が死んでいた。

 鳥が死んでいた。

 猿が死んでいた。

 猪が死んでいた。



「久しぶり、律子だけど。覚えてる?」

「どちらさまでしょうか」

「ひどいなあ、あたしの知ってるあんたはもっとひどいはずなのに」

「……」

「現状報告。新しい学校で、ちゃんとやってるよ。友達ができた。成績は良好。ふふ、さすがあたしといったところかな。ダイエットも成功してる。さっすが!」

「嘘だね」

「なんで?」

「見栄を張ろうとしても、意味ないよ。律子があまり人に理解されないことを知ってる。律子の成績が最下位だったこともしってる。ダイエットしようとして続かないことも知ってる」

「もう、いやだなあ。何のこと?」

「おやすみ」

「あ、ちょっと!」

「……私は、普段通りの律子が好きだったんだけどな」

「え、ちょ、××、」

 彼女の言葉を遮った。女声の続きを紡いだのは、繰り返される電子音。



 殺人鬼がいた。

「おー、いたいた、お嬢さん」

「どうも」

 丸坊主だった。かなりのイメージチェンジを目の当たりにしながらも、ちゃんと返事をするあたり、私はけっこう人間として出来ているのかもしれない。いや、返事をしたからこそ、人間じゃないのか。

「ふむふむ、てってれてれてれてー☆どーん。お嬢さんは、人形から人間へ進化しました!」

 ふざけていた。素早くUターンし、早歩きどころか走って逃げると、その後ろを丸坊主が追いかけていた。

「ちょっとー、逃げなくてもいいじゃないかー。君はもう、人間なんだよー」

 通行者が、何だそれと思いながら、殺人鬼を見ていた。



「ちーす」

「おー」

 隣の席の男子に返事をして、鞄の中身を整理する。

「お前ってさぁ、もっと怖いイメージがあったわ」

「ふーん。君ってさぁ、もっとチャラいイメージがあったね」

「くそう、この敗北感」

 ボーっと窓の外を見ていると、男子が席を立った。椅子によって、音が響く。そこでようやく、この教室に私たち以外、誰もいないことを再確認した。

「俺と付き合ってください」

「何かの悪い冗談かな」

「分かってて言うのかよ」

 でも、そういうところ優しいよな。

 男子はそう呟いて、悲しそうに笑ってから教室を出て行った。



 殺人鬼がいた。

「もうストーカーみたいなことしないでください」

「おっと、ボクには彼女がいるんだよ」

「まじかよ」

 ファミリーレストランでジュースを注文し、殺人鬼と適当に話す。

「で、何ですか」

「うん、昇格おめでとう」

「は?」

「人形矢印人間」

「敢えて矢印って言うところがメンドクサイな」

「当たり前だろ、分かってやってるんだから」

 殺人鬼は腕を伸ばし、机に影をつくりながら人差し指を私の額にあてた。丁寧に整えられた爪が少々痛い。

「ボクは、朝の君を見ていたんだ」

 その言葉に、私は思いっきり顔を歪めた。

「趣味悪いですね」

「ふふん、わざと見たんじゃないもんね」

「言い方きもいです」

「まさか、死骸を全て埋めるとは思わなかったよ」

「……」

「ほら、」

 人間に、レベルアップ。

 私の心はゲームか、と突っ込みそうになった。

 

 中途半端でごめんなさい。短くてごめんなさい。謝る事しかできない。

 この連載は、「私」の心の変化をあらわしています。そのため、こんな形でしか終わることが出来ません。他にも方法はあるのでしょうが、このほうが、心の変化がわかり易いと思いました。

 ありがとうございました。

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